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川上未映子「夏物語」を読む。【街の書店員・花田菜々子のハタチブックセンター】

街の書店員のおすすめ本ハタチブックセンター

読むのが止まらない夏の終わりにむさぼる本


『夏物語』

川上未映子・著 ¥1800 文藝春秋


38歳になる夏子は「自分の子どもに会いたい」と考え、第三者からの精子提供による妊娠を目指すが――。パートナーなしの出産を中心に、産むことへの賛否、生まれることの意味を、登場人物のエピソードと主人公の人生を通して問いかける。

読み始めたらぐいぐい引き込まれて、読むのが止まらなくなってしまうような本に出会えるのは、本好きにとって最高に幸せな時間だ。日差しのまぶしい時間に読み始めたのに、気がついたら外が暗くなっていて、字が読めなくなって初めて時間の経過にハッとさせられるような……。

『夏物語』は、まさにそんなふうに没頭して読んだ1冊。女性に絶大な人気を誇る作家・川上未映子の最新作にして最高傑作といえる長編小説だ。「産む」「産まない」の問題を中心に、様々な「女」が主人公の前に現れては、不安、迷い、怒り、悲しみを吐露する。それは今この国に生きるすべての女性が経験する思いを代弁してくれてもいるようで、読み進めるたびに「そうなんだよ! ほんとにそうなの!」と笑いたくなったり、泣きたくなったり。

セックスが苦手で、相手もいないけど子どもを作ろうと考える主人公の心の旅。彼女に伴走した景色は、本当の旅みたいに今も強く脳裏に焼きついている。




一緒に読んでほしい2冊

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川上未映子「夏物語」を読む。【街の書店員・花田菜々子のハタチブックセンター】_1_3-1

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川上未映子「夏物語」を読む。【街の書店員・花田菜々子のハタチブックセンター】_1_3-2

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『ストーカーとの七〇〇日戦争』

内澤旬子・著 ¥1500 文藝春秋


よくある別れ話のはずだったのに。脅迫や嫌がらせとの闘いだけでなく、警察や裁判所との長い闘いまでを克明につづったルポ。文章がおもしろくて聡明なので、恐ろしくもぐいぐい読んでしまう。


『サターンリターン』1巻

鳥飼茜・著 ¥630 小学館


作家の理津子と、失恋の喪失感から自殺した男友達。彼の死の真相を追う一方、理津子の不可解でミステリアスな行動は周囲を不穏な闇へと巻き込んでいく。スリリングすぎて目が離せない!


はなだ ななこ 
HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE店長。著書に『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』がある。



2019年10月号掲載

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