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【ノンノ編集部の司書・編集Hの推しBOOK】今こそ読みたい!おすすめ恋愛小説5選

こんにちは。入社2年目の編集Hです。自粛期間中、「おすすめの小説を教えて欲しい」と友人に聞かれることが多く、好きな作品を思い返す機会が多々ありました。というのも、私は大学で本の勉強をしていたので、図書館司書の資格を持っているのです。そんな編集Hがノンノ世代の皆さんにおすすめしたい恋愛小説を5つ選んだので、紹介させていただきます!

   

 1.『愛がなんだ』角田光代・著 

 ¥520 新潮社

【ノンノ編集部の司書・編集Hの推しBOOK】今こそ読みたい!おすすめ恋愛小説5選_1_1

1冊目は、「恋したいな」という気持ちが高まる、まっすぐな片想いを描いた恋愛小説です。28歳のOLテルコは、仕事そっちのけで大好きなマモちゃんに時間を費やすうちに職を失くし、親友に愛想を尽かされても、マモちゃんのことで頭がいっぱい。傍から見ればテルコは彼にとって“都合のいい女”でしかなく、正直、曖昧な2人の関係に読んでいてイラモヤが募りかけます。

しかし、痛々しいほど恋に没頭するテルコを、こんなにも愛おしく、温度がある女の子として描く、角田さんのマジックは圧巻。気づけば最後までテルコを応援していました。そして、ラストシーンでテルコが選んだ運命をお見逃しなく。きっと想像以上に共感してしまうことでしょう。ちなみに、ちょっとダメな男性にハマったことがある方は、分かりすぎる部分が多く、目を覆いたくなると思うのでご注意を……(笑)。

  

 2.『きらきらひかる』 江國香織・著 

 ¥460 新潮社

【ノンノ編集部の司書・編集Hの推しBOOK】今こそ読みたい!おすすめ恋愛小説5選_1_2

他人に分かってもらえず、もどかしさを感じたことはありますか? ――恋愛に限らず、きっと多くの人が「ある」と心の中で頷いたかと思います。

この物語は、アルコール中毒の妻、同性愛者の夫という夫婦の話。妻の笑子はことあるごとに、「どうして分かってくれないの」と夫・睦月に対して歯がゆさを感じると同時に、「うまく言葉で伝えられない自分」に苛立ってしまいます。そんな妻に、広い心と優しさで「大丈夫だよ」と手を差し伸べてくれる夫の言葉を読んでいるうちに、自分まで安心するようでした。「分かってもらえない」と焦り、心を閉じてしまっているのは意外にも自分の方かもしれません。

対面でのコミュニケーションが減っている今、自分を受け止めようとしてくれる人にきちんと目を向け、心地の良いコミュニケーションをしていきたいなと前向きな気持ちになる1冊です。

  

 3.『生のみ生のままで(上)・(下)』 綿矢りさ・著 

 各¥1300 集英社

【ノンノ編集部の司書・編集Hの推しBOOK】今こそ読みたい!おすすめ恋愛小説5選_1_3

ノンノ世代の20歳前後というのは、お付き合いする相手を考える時、好きという気持以外の現実的な要素に悩み始める年代だと思います。それゆえ、知らず知らずのうちに心のブレーキをかけて恋に臆病になってしまうことも……。

『生のみ生のままで』は、そんな方におすすめしたい1冊です。この物語は、逢衣と彩夏、2人の女性の同性愛を描いた恋愛小説。初めは異性を愛していた2人が、互いに惹かれ合う過程の感情の機微、微妙な空気感が手に取るように伝わって来て、気づけばこちらまで緊張していました。心を求め合うようなリアルな恋愛を覗いていると、「好きになるってこんなに素のままで良かったんだ」と、最近まで忘れていた感覚を少し思い出しました。ナチュラルに気持ちを重ねていく、純粋な恋愛を皆さんにも体感して欲しいです。

   

 4.『アタラクシア』 金原ひとみ・著 

 ¥1600 集英社

【ノンノ編集部の司書・編集Hの推しBOOK】今こそ読みたい!おすすめ恋愛小説5選_1_4

不実なパートナーを持つ男女4人の結婚生活を、多視点で描く群像劇。

ざっくり言うと「不倫」がテーマなので、全ての登場人物に共感しながら読み進めるのは難しいかもしれません。実は私も「共感はしづらいのだろうな」と思いつつ読み始めたのですが、金原さんが切り取る登場人物の感情の生々しさに、自分にはない感情を知り、心臓がドクドクするほど物語に引き込まれてしまいました。そして、こうやって他人の言葉で自分の知見が広がる瞬間こそ、読書体験の楽しみなのかもしれないな、と改めて実感しました。まだ知らない感情を呼び起こしてくれる『アタラクシア』、ぜひ皆さんにも胸のヒリヒリを感じて欲しいです!

  

 5.『パラレルワールド・ラブストーリー』 東野圭吾・著 

 ¥750 講談社

【ノンノ編集部の司書・編集Hの推しBOOK】今こそ読みたい!おすすめ恋愛小説5選_1_5

最後の1冊は、ミステリ小説の名手・東野圭吾さんによる恋愛ミステリ。

親友の恋人として紹介された女性は、かつて自分が一目惚れした女性だった――ここまでなら良くある恋愛小説かと思いきや、目を覚ませばその女性は主人公の恋人として存在していた、というSF設定。タイトルにもある通り、「パラレルワールド」が物語のキーとなっているのですが、徐々に重なっていく時間軸、浮かび上がってくる三角関係の真実にページをめくる手が止まりませんでした。

ミステリ要素だけでも小説として十分なのに、恋愛模様もここまで味わえる小説は他にはないはず。途中で時系列を紙に書き出したくなる部分もあり、やや頭を使う小説ではありますが、時間がある今こそじっくり読み込んで欲しい作品です。

   

気になる作品は見つかったでしょうか?

皆さんのおうち時間が、読書で少しでも豊かになれば嬉しいです。

それではまた!

▼この記事を書いたのは...

編集 H

編集 H

入社2年目。主にファッションを担当。フェミニンな服が好きで、最近は大人っぽく見えるコーデを研究中。趣味は読書と美少女鑑賞です。

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