馬場ふみかとは同郷！ コスメブランド「uneven」ディレクター・小島紗希さんとコラボ【馬場ふみかのふみかける】

小島紗希 ヘア&メイクアップアーティスト／unevenディレクター

ヘア＆メイクアップアーティストであり、これまでにない色展開でカラーマスカラやカラーライナーのトレンドを牽引するコスメブランド「uneven」ディレクター。ファッションとモデル自身の持つムードからインスピレーションを受ける自由な発想のメイクでさまざまなファッション関係者からの支持を得る。ふみかと同じ新潟県出身。

―― お仕事でご一緒されるのは、吉田怜香さんとコラボレーションした、この連載のVol.33以来だそうですね。

ふみか　小島さんとは、あの時が初めましてだったんです。でも、そこで実はつながりや共通点がとても多いことが判明しまして。

小島　まず、地元（新潟）が完璧に一緒だったんです。さらに、担当してもらっていた美容師さんも一緒。私が美容業界に入ろうと思ったのはその美容師さんがきっかけで、そこから美容の楽しさに目覚めて東京に来て美容室にレセプションとして入ったので、本当にそのお店がすべての始まりなんですよね。最初にヘアショーに出させてもらったのも、その方のモデルとしてでした。

ふみか　私も新潟にいた時代は、そのお店のヘアショーに出ていました。

小島　ですよね？ 年齢が同じだったら、一緒に出ていたかもしれない（笑）。

ふみか　そんなわけで、共通の知り合いがたくさんいるんですよね。だから、前回連載でご一緒できた時も地元の人たちがすごく喜んでくれて、「ついに仕事したんだね！」って、めちゃくちゃインスタのDMが届きました。

小島　私もです！ なので、今回のコラボレーションも新潟の方々がいちばん楽しみにしてくれている気がします。

―― では、まず今回のメイクのポイントについて教えてください。

小島　メイクって、たくさんすることで本人らしさを引き出すこともできるけど、逆になくしてしまう場合もあると思うんです。私はそれが好きじゃなくて、あまりメイクをしすぎないようにしています。なので、今日も眉毛とリップだけしっかりメイクして、あとはほぼしてないです。

―― 眉毛とリップのメイクだけで、ここまで印象がガラッと変わることに驚きました。

小島　メイク前に１度衣装を着てもらったんですけど、馬場さんは顔が整っているので今回のようなコスチュームっぽい衣装がハマるんですよね。そこを崩そうと思って、眉毛は太く濃く、ポイントにしようと思っていたリップはちょっと引っかかる色がいいなと。ただ衣装がコスチュームっぽいぶん、たとえばリップをブルーにしたらそれは完全にコスチュームに見えてしまうから、赤かピンクかオレンジのどれかだなと考えて、勝手にですけど馬場さん＝ピンクのイメージがあって、赤も似合うので、似合っているのか似合ってないのか分からない蛍光オレンジを選びました。

ふみか　たしかに、ここまでパキッとしたオレンジには撮影でもなかなか出会わないです。不思議な存在感がありました。

―― 今回はスタイリングも担当していただきました。衣装はどのように選ばれたのでしょうか？

小島　もともと服が好きな方が先でずっとよく見ていて、いつも衣装が決まってからヘアメイクが浮かぶんです。だから、今回もモデルが馬場さんだと決まって、馬場さんのことを考えながらいろいろな服を見ていたら、ピンときたのがたまたま今回の衣装でした。

ふみか　今までいろいろな衣装を着させてもらってきたんですけど、今日のドレスは着たことがない感じで。まだ未知のジャンルがあったんだなって思いました（笑）。

―― 衣装が決まってからヘアメイクが浮かぶのはなぜでしょう？

小島　改めて考えてみると、人は顔だけだと完成しないからかもしれないです。ビューティーの企画の場合は衣装がほとんどうつらず顔に寄った撮影ですけど、それ以外は衣装とのバランスが大事だと思っているので。

―― ドレス自体の形がしっかり決まっていたぶん、動きがある服よりもポージングは難しかったのでは？

ふみか　そうですね。結構微差で印象が変わる感じなので、撮影が始まったら写真がうつしだされるモニターを見ながら「こういうのがいいかも？」スタッフの皆さんがしゃべっているのを聞きつつ「なるほどね」って思いながらポーズや表情に反映していました。

小島　それをさらっとこなすのがかっこいいなと思いました。どちらかというと、馬場さんはふだんノンノでは服やメイクをキレイに見せる撮影のほうがきっと多いと思うんです。今回の撮影のような、定番のポージングではなく、どこか違和感があるような、でも本人の中にあるか何かを表すような表現を求めた時、難しいと感じる方もいると思うんです。でも、前回の撮影でお会いしたときに全然難しくなさそうというか、むしろ楽しそうにしてたので、すごいなって感じていたんですよね。

ふみか　私自身がそういう雰囲気系の写真を見るのも好きっていうのがあるかもしれないです。それにキレイに見せることに集中する撮影は動ける範囲はせまいことが多いので、雰囲気重視だと自由に体を動せるのが楽しくて。今日の写真は構図がぎゅうぎゅうだったり、頭がちょっと切れているところだったりが可愛いなって思いました。

小島　今上のほうに余白が多めな写真も流行っているし可愛いんですけど、どこか逆らいたい気持ちがあるんですよね。フォトグラファーの田中（雅也）さんは私のそういう意図を汲んでくださるので、田中さんの切り取る画角がすごく好きで。いちおうヘアメイクだから、ヘアもメイクもうつっているのが企画としては当たり前なんですけど、それよりもパッと見ていちばん可愛かったり印象が強いのがベストだと思ったので、その感覚に従いました。

ふみか　こういう画角って、たくさん撮ったうちから１枚だけ選ぶとなるとちょっと冒険的で選ばれにくいから、今回は新鮮なカットがセレクトされて嬉しいです。不思議な違和感がありながら、目を引く気がします。今回はありがとうございました。