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小沼理・著『1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい』を読む!【書店員花田さんのハタチブックセンター】

街の書店員花田菜々子のおすすめ本ハタチブックセンター

ていねいに1日1日を生きてみようと思える本

『1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい』
小沼理・著
¥1980 タバブックス


2020年から、2021年、2022年と、コロナ禍やオリンピックで大きく揺れた3度の夏。東京在住のライターであり、ひとりのゲイ男性でもある著者の、3年間の日記。社会への怒りから日々のごはん作りまでが等価に、みずみずしい文章で綴られている。

今、日記がひそかなブームだなあと感じます。日記本の出版も増えてます。コロナ禍で「この日々を記録しておこう」と思った人も多かったのかも。「だけど他人の日記なんて読んで面白いの? 」と思ってる人にも強くオススメしたいのがこちらの本。文章がきれいなので飽きずに読み進められるし、まるでミネラルウォーターをごくごくと飲んだときのように、読むほどに自分の身体が澄んでいくように感じられる。
 「自分らしく生きる」とか「今日を大事に生きる」と言うと言葉が抽象的すぎて、そうしたいけど、自分がそうできているのか、どうしたらそうできるのかを具体的に考えるのは難しい。でもこの日記を読んで、たくさん感じること、思うこと、考えることこそが、1日を大事に、自分らしく生きるってことなんだなあと改めて気づいた。毎日が「忙しい」と「疲れた」の言い訳ばかりだと感じたら、ぜひ読んでみてほしいなと思います。

 

『エルメスのえほん おさんぽステッチ』
100%ORANGE・作 ¥2640 講談社


エルメス初の絵本がイラストレーターユニット・100%ORANGEとのタッグで誕生。職人のおじさんと、そこに現れる犬や動物たちとの優しい物語に、ものづくりの原点を感じられるはず。ディスプレイして読み返したい♡

『私もまだ、私を知らない 自尊感情を高める処方箋』
ホ・ジウォン・著 尹 怡景・訳
¥1760 祥伝社


韓国で話題を呼んだベストセラーの日本語版。自尊感情の低さ、完璧主義、SNS中毒……etc.。ネガティブな感情と向き合い、時には切り離すための方法を、脳科学&臨床心理学の2つのアプローチで導き出した"処方箋"。

『栞と噓の季節』
米澤穂信・著 ¥1815 集英社


高校の図書委員を務める堀川と松倉は、返却本の中に毒花・トリカブトのしおりを発見。やがて校内で被害者が現れ、しおりを自分のものだと主張する女子・瀬野も近づいてきて――。直木賞受賞第1作となる青春ミステリー。


はなだ ななこ 
店長を務める書店「蟹ブックス」が東京・高円寺にオープン。著書『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』が好評発売中。

2023年3月号掲載

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