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【モーニング娘。'23】譜久村聖卒業記念WEB連載『12色の12年』第七回:時には悔しい気持ちや申し訳なさを感じながらリーダーとして奮闘していた2017年の記憶

譜久村聖連載12色の12年バナー
2023年秋に開催予定のコンサート・ツアーをもってモーニング娘。及びハロー!プロジェクトを卒業する譜久村さんの卒業連載。第七回目は2017年の出来事を振り返ります。楽しかった仕事の話、後輩メンバーの卒業や、新メンバーの加入から感じたことや葛藤、リーダーになって初めて迎えたライブでのアクシデントの裏話など、激動だった一年を振り返って語ってもらいました。成人式で心残りとなっていた“自分らしい振袖スタイル”を、今の譜久村さんらしくアップデートして再現した美しい和装姿も必見です。

13期が合流して新体制としたスタートした時の楽しい思い出

振袖を着た譜久村さんの全身ショット

――2017年になってからは「モーニング娘。'17」となり、1月からマルコメとのコラボプロジェクト「モーニングみそ汁、飲もうよプロジェクト」がスタートしました。メジャーデビューシングル『モーニングコーヒー』をリメイクした『モーニングみそ汁』のMVを公開されたり、メンバーをイメージして具材に結び付けた限定商品なども登場して、反響も大きかったのではないでしょうか。

 

譜久村 モーニングみそ汁のプロジェクトはとにかく楽しかった記憶しかないです。MV撮影ではすごく素敵なキャンプセットを用意していただいたのですが、みんなで楽しく遊んでたりしていたらあっという間に撮影が終わってしまいました。ちょうど13期が入ったばかりのタイミングだったので、「ようこそ」みたいなシーンもあって、それもすごく印象に残っています。あとは“モーニングコーヒー”を“モーニングみそ汁”に変換した歌詞や、その歌詞をなぞった振り付けが私たちの中ではすごくおもしろく感じて、大盛り上がりしましたね。でも原曲の歌詞だったり振り付けが自分たちに染み付いているので、ついつい間違えちゃう子もいて(笑)。それで間違えないように「右、左〜」とみんなで声を出しながら踊っていたら、後から公開されたバージョンの動画でそこが使われていたんですよ。今までになかった試みだし、現場の楽しい空気感が形として残ったこともすごくうれしかったです。


他にはマルコメさんの工場見学をさせていただいて、みそ汁の歴史を学ぶ機会を作っていただいたり、記者会見の時には『モーニングコーヒー』をオマージュした衣装を用意していただいてうれしかったことも印象に残っています。そして肝心のコラボみそ汁ですが、自分たちがプリントされた特別なパッケージやメンバーをイメージした具材の組み合わせなど、今思い返しても本当にすごく贅沢なことをしていただいていたなと思います。全国で発売されていたので、ファンの皆さんと一緒に楽しめたこともすごくうれしくって。「今日はこの味を買ってみたよ」「おいしかった!」など、うれしい報告をたくさんいただきました。パッケージを今でも大事に保管してくださっている方も多いみたいで、本当にありがたいなと思います。




――3月には13期メンバーが初参加となるシングル『BRAND NEW MORNING/ジェラシー ジェラシー』がリリースされました。当時の13期メンバー二人の印象はどんな感じだったのでしょうか?


譜久村
 13期にとって初めてのMV撮影が確か『BRAND NEW MORNING』だったと思います。13期は2016年の年末に加入したのでハロー!プロジェクトの合同冬コンサートのリハーサルにすぐ参加してもらうことになって、『セクシーキャットの演説』の振り付けを最初から教えることになったんですけど、この曲の振りが結構難しいんですよ。にもかかわらず研修生になったのが2016年8月で、経験値のまだ少なかったよこやん(横山玲奈)がすぐにマスターできたことには驚きました。リハーサルに
も遅れることなくついてきてくれて。

かえでぃー(加賀楓)は研修生の経験もしっかりあって、なんでもできる器用なタイプだったので全然心配していなかったんですけど、仕事への向き合い方が新人とは思えないほど真摯な子で。元々モーニング娘。に入りたいという気持ちがあって研修生を頑張っていた子だったので、その熱い気持ちが一つ一つの行動からすごく伝わってくる感じでした。


なので13期の二人は本当に言うなれば“手がかからない子たち”でした。新人だったら必ず通ることになる、“
怒られ時期”みたいなものともほぼ無縁だったと思います。





――そんな13期が合流した新体制での『モーニング娘。'17コンサートツアー春 ~THE INSPIRATION!~』はどうでしたか?

 

譜久村 一曲目が『BRAND NEW MORNING』からスタートする構成で、13期はそこで旗を振る役割だったんですけど、新メンバーがオープニングから出てきて始まるっていうこと自体が結構チャレンジングなことだと思うんです。でもかえでぃーのプロ意識の高さとよこやんの決して折れない強い気持ちがあったから、ちゃんと成立させることができたんだと思います。普通加入してすぐに旗を振れと言われても、なかなかさまにならないじゃないですか。私はきれいに旗を振る方が振り付けより全然難しいと思うんですよ。ただ振るだけじゃなくて見え方だったり、風向きだったりその時の環境によって調整しないといけない部分も出てきますし。多方面に気を遣える二人だったからできたことだと思います。プラス自分の見せ方も分かっていて、限界を超えて頑張れるすごい子たちなんですよ。だから、この春ツアーではオープニングから「新しいモーニング娘。が始まったな」と感じていただけたと思いますし、自分たちも笑顔でそう言えるようなツアーになりました。


 



――『BRAND NEW MORNING』もこれまでにはない新しいタイプの楽曲でしたよね。

 

譜久村 はい。前シングルの『ムキダシで向き合って』に続いて星部ショウさんに作っていただきました。楽曲の方向性も今までにない感じですし、歌詞も切れ味があってかっこいい感じですよね。見ても聴いても新しいモーニング娘。を感じていただけるような楽曲だと思います。





新メンバーの存在に焦る後輩、同期のような後輩の卒業発表から感じたこと

譜久村さんの見返り着物ポートレート


 

――『BRAND NEW MORNING』はモーニング娘。の新しい一面を打ち出すような楽曲でしたが、『ジェラシー ジェラシー』はどうですか?

 

 

譜久村 『ジェラシー ジェラシー』はつんく♂さんが作詞作曲を手がけていて、すごくモーニング娘。らしい曲ですよね。私もすごく好きな曲で、超神曲だと思います。“ジェラシー”を感じる瞬間ってきっと誰にでもあると思うんですけど、あまり口にしないじゃないですか。そんな心の中にある部分を全部詰め込みました、というような歌詞がすごいと思います。特に女性の方はすごく共感する人が多いんじゃないでしょうか。でも今の私は自分自身に置き換えてみるとこの楽曲とはちょっと違うジャンルの“ジェラシー”を抱えているタイプなのかもしれないです。理解はすごくできるけど、共感とはまた違うというか。私はすごいなと思う人に対しては、尊敬の気持ちのほうが強くて。だから悔しいと強く感じる時っていつも自分に対してなんですよね。それも“ジェラシー”の一つだと思うんですけど。



そして“ジェラシー”という言葉のチョイスが本当にすごいですよね。もし“嫉妬”に置き換えたとしたらすごい妬みの詰まった楽曲に聴こえてくるんじゃないかと思うんです(笑)。でも、“
ジェラシー”って言葉にすることで、もっと広くいろんな捉え方ができる気がします。



そしてこの楽曲はタイトルだけではなく、歌詞もすごくいいですよね。「ジェラジェラジェラっちゃう」とか、ラップのところとか。思わず口にしたくなるようなキャッチーさだったり、前向きな気持ちになれるようなところが素敵だと思います。振り付けもYOSHIKO先生らしい、モーニング娘。じゃないとできないような振りで。最初にこの曲は神曲と言いましたが、本当にモーニング娘。のよさを最大限に引き出してくれる楽曲の一つだと思います。フォーメーションダンスもしっかりあって、ラップや歌でも魅せるところがあって、つんく♂さん節と言われるようなところもあり。すごくバランスがいいんです。そしてサビ部分で「ジェラシー」って歌っているのが新メンバーの13期という。この曲が発売されてから5年経ちましたが、最近は13期だけだった“ジェラシー隊”が増えたんですよ。15期のほま(岡村ほまれ)とめい(山﨑愛生)が加わったりしていて。よこやんがその二人を引っ張っている感じがまたすごくエモいです。


――少し話が戻りますが、13期メンバーが入ってきたことで他のメンバーにはどんな変化がありましたか?


譜久村 直近の先輩だった12期は焦るというより、私から見ると少し落ち込んでいるように感じたことがありました。12期と13期は本当に全然タイプが違ったんです。12期は目の前の一つ一つのことを丁寧にやっていくし、一つずつできるようになっていく子たちで。コツコツタイプというか。でも13期はいきなり高い位置に目標を設定して、そこに食らいついていくタイプで。 どちらにもよさだったり、強みがあると思うんですけど、やっぱり新メンバーということもあって限界突破する13期のほうが注目されやすいので、そこで12期はちょっと悔しい思いをしたこともあると思うんです。だからそんな12期のことを励ましたいなと思って、当時は12期のいいところを口に出して褒めるように意識していました。私たちは公演が終わった後に映像で見返すということをするんですけど、その時に振りがすごくきれいだったらそれを直接伝えてみたりとか。あとは振り付けを紙に書いて覚えようとしているなど、努力している部分が見えた時に声をかけてみたり。努力している部分をちゃんと見ている人がいるよということを伝えたくて。


それと12期に関しては9期とどこか似ていると言われることもあるんです。全然タイプの違う4人で、グループが大きく変化するようなタイミングで入ってきたという部分は確かに重なる部分がありますよね。9期に似ているって言われて12期がうれしいのかはさておき(笑)。


――春ツアー中には10期メンバーの工藤遥さんが同年秋ツアーをもって卒業することを発表します。後輩から初めての卒業ということで、どんな心境になったのか教えてください。

譜久村 自分の中ではここからさらにグループとして盛り上げていくぞ! という気持ちしかなかったし、ハロー!プロジェクト20周年がスタートするタイミングでもあったので、「ここで⁉︎」とは思いました。本人にも思わずそのまま言いましたね。あとは正直に寂しいという気持ちが強かったです。もっともっとどぅー(工藤)と一緒に活動したかったし、一緒に輝きたかったし。だから初めて聞いた時は自然と涙が出たし、「卒業しないで」ってマネジャーさんを巻き込んで3人で話し合った時に訴えました。でもそれはあくまで自分だけの気持ちであって、やっぱり引き止めることはできないなと思いました。どぅー個人の人生を考えると、どぅーのやりたいことがあるし、そこで輝ける未来があるのもすごく分かっていたので。



――工藤さんのラスト参加シングルに収録されている『若いんだし!』ではそんな工藤さんの前向きな卒業を示唆するようなMVが印象的でした。


譜久村 MV撮影はすごく楽しかったですね。みんなで一つのバスに乗って撮影したんですけど、勝手に「モーニング号」って名前をつけたりして(笑)。楽しかったはずなのに、撮影中に感情移入して泣き出すメンバーもいたりして。どぅーって本当にすごくフレンドリーな子なので、みんなそれぞれに大切な思い出があるんですよね。だから泣いちゃう子の気持ちもすごく分かるなと思って見守っていました。


ライブでのピンチを見事に乗り切った後輩たちを見て思ったこと

着物姿でしゃがむ譜久村さんのポートレート

 

――春ツアーのラストとなった日本武道館公演の時に特別上映された羽賀朱音さんの初監督作品「こんな気持ち…初めて」のショートムービーからも、工藤さんがすごくメンバーに慕われている存在だということが伝わってきました。

 

譜久村 わ〜、めちゃくちゃ懐かしいですね(笑)! 確かにあれはあの時にしか生まれないような動画だったと思います。いしどぅー(石田亜佑美×工藤遥)のファンを公言するあかねちん(羽賀)が、いしどぅーと野中(美希)の三角関係をコミカルに描く、みたいな内容だったんですけど、本当におもしろかったですよね(笑)。過去に私を含めハロプロファンを公言して入ってくるメンバーは結構いましたけど、あかねちんの公言は相当革新的なことだったと思います(笑)。


ちょっと話がそれていっちゃうんですけど、そうやって9、10期が加入した時からオタクっぽい側面を持った子たちがどんどん入ってきて、モーニング娘。のイメージがより広がった気がしますね。オタクとしての視点が入ることで、今までとはまた違った新しいものが見えてくるというか……。「
俺の煮物で元気になれよ」(※2015年に行われたイベントで仕掛けられたドッキリ企画にて、大根と鍋を両手に持った状態に合致するイケメン台詞というお題から生まれた言葉)とか、どぅーの名言シリーズみたいなのも、そういうところから生まれてきたと思います。ちなみにどぅーの卒コンではどぅーのお母さんが煮物を作って差し入れしてくださったというエピソードもあるんですよ(笑)!

 

――春ツアーの話に戻ると、大阪と岡山の公演を譜久村さんと小田さくらさんがインフルエンザで同時に欠席するというアクシデントがありました。グループを支えているボーカリスト、そしてリーダーの不在に直面した他のメンバーを見て思ったことなど当時の心境を覚えていますか?


譜久村 
自分がリーダーになってからこういう状況は初めてだったのですごく印象に残っています。発熱した後、マネージャーさんから「⚪︎日に⚪︎℃まで体温が下がったら大阪公演はギリギリ出演できるかもしれない」って言われていたので、その時の自分はとにかくどんな手を使ってでも体温を落とそうと思っていました。薬を飲むだけじゃダメだと思って、身体中に冷却シートを貼りまくって、アイスノンを脇に挟んだりして(笑)。それでなんとか体温は下がったんですけど「まだ様子を見たほうがいいから欠席してください」って言われて、仕方ないことですがガーンってなりましたね。出られない悔しさもそうですけど、ファンの皆さんやメンバーへの申し訳なさがすごくあって。

それで大阪と岡山の公演では、えりぽん(生田衣梨奈)が代理リーダーを務めてくれて、歌パートはあゆみん(石田亜佑美)と(佐藤)優樹ちゃんを筆頭に他のメンバーがカバーしてくれたんですよね。当時私も歌割が多かったとはいえ、まだもらったばっかりみたいな状況だったので、新しいパートを自分のものとして消化していくことの大変さにはまさに直面している最中でした。だからその時に感じる強烈なプレッシャーを、急遽他のメンバーにかけてしまったことが本当に申し訳なくて。


でも後から公演の映像を見てみたらすごくみんな頑張っていて、すごく素敵なライブでした。申し訳ない気持ちはもちろんあるけれど、本当に
メンバーに救ってもらったなと思いますし、ありがとうの気持ちでいっぱいになりました。



――そして6月にはカントリー・ガールズの森戸知沙希さんがモーニング娘。に14期メンバーとして加入し、カントリー・ガールズと兼任することが発表されました。




譜久村 本当にいろんなことがありすぎる年ですね。モーニング娘。は新メンバーが入ってくるのが当たり前みたいなところがあったので、グループとして受け入れ体制みたいなものは万全だったんです。誰が入ってきてくれても大事にしたいし、仲良くなりたいし。でもこのときはちぃ(森戸)の気持ちが一番大事だと思っていたので、すごく複雑な心境でした。どうやって受け入れるのがいいのか、私もかなり悩みましたし。笑顔で「ようこそー!」みたいに明るく言うのもちょっと違うかもと思ったし、結局何が正解か分からないまま、ちぃの加入当日を迎えたんですけど、発表するのがサプライズ形式だったんですよ。私はちぃのことやカントリーのことを考えたら、この状況でサプライズはちょっと違うんじゃないかと思っていて、その迷いがすごくその時の動画にも出てしまっていて……今思い返すと自分こそ失礼だったな、って反省しています。


そうやって私がすごく迷ってしまったこと、本当にちぃには申し訳なかったです。でもいまだにあの時の正解が分からなくて。ただ、ちぃが加入を決意してくれたことに本当に感謝しています。過酷な状況でも折れずに頑張ってくれて、モーニング娘。のことを好きになってくれてありがとうの気持ちしかないです。


そしてちぃは加入後初めての秋ツアーで、70曲以上もいっきに覚えなくちゃいけないという状況を見事に乗り越えた本当にすごい子です。ちぃじゃなかったら絶対に乗り切れてないと思うし、本当に尊敬しかありません。新メンバーだから「フルで参加しない」という選択肢もあったと思うんですけど、そうならなかったのはちぃの才能と努力のおかげでしかないです。秋ツアーのラストはどぅーの卒コンでもあったんですけど、そんなちぃの頑張りも皆さんにどうしても伝えたくて、MCの時に話した記憶も残っています。

 

 

 


ハロプロに入るきっかけをくれた偉大な先輩たちとのお別れ

着物姿で歩く譜久村さんのポートレート

 

――カントリー・ガールズといえば、譜久村さんが尊敬する嗣永桃子さんのラストライブもこの年でした。当時の心境を覚えていますか?



譜久村 
ももち先輩(嗣永)はBerryz工房が無期限活動停止になった後もハロー!プロジェクトに残って後輩たちにいろんなことを伝えてくれた偉大な先輩だったので、本当に自分の中で一つの時代が終わる感じがしました。自分のオタク人生が終わる瞬間でもありましたし。本当に自分が幼い時から夢をたくさん与えてもらった存在だったので、一緒に仕事できたことがうれしかったですし、嗣永さんのプロ意識みたいなものを近くで見ることができた経験に対して感謝の気持ちしかなかったですね。だから「引退しちゃうのは嫌だ!」と言うよりも「本当にお疲れ様でした」という不思議な気持ちだったことを覚えています。



卒業コンサートではモーニング娘。としてオープニングアクトも務めさせていただいたんですが、私が嗣永さんの大ファンということは周知のことだったので、光栄なことに楽曲をセレクトさせていただくという大役をもらいました。そして感謝の気持ちを込めて『青空がいつまでも続くような未来であれ!』をパフォーマンスさせていただいたこともすごくうれしかったです。


ももち先輩の魅力は本当に語りきれないほどあるんですけど、Berryz工房さんの時とカントリー・ガールズの時の魅力が全然違うんです。
Berryz工房さんではとにかく“個”の強さが際立つようなイメージなんですけど、カントリーではももち先輩が後輩を一から育てていくみたいな感じ。だから怒っている姿とか、MCをきちっと務めてそれを後輩に見せている姿なども見せていただきましたし、一つ一つの行動が本当に素晴らしいんです。そして、すごい人が育てる後輩はみんなすごくなっていくんだな、と実感していました。そしてBerryz工房さんの時とはまた違った、ももち先輩の愛情が後輩メンバーに対して芽生えていく姿まで見られたことが私は本当にうれしくて。それまでステージでは絶対に泣かなかったももち先輩が、卒コンの最後のセレモニーで「後輩がこんなに愛おしい存在になるとは思っていなかった」と言って涙ぐんでいる姿もすごく感動的で忘れられないです。オタク目線と仕事目線、両方の視点でももち先輩を見届けられたことは自分にとってすごく大きなことでした。




――そして21歳の誕生日前には『二十歳』という写真集もリリースされていますが、20歳のプライベートエピソードはありますか?

譜久村 この年も引き続きプライベートは充実していなかったですね(笑)。オフの日はひたすら寝ていたので、そこで遊びに行くという発想すらなかったくらい(笑)。でも、プライベートを削って仕事をしていたという意識は全然ないんですよ。仕事がすごく好きで楽しかったので。だからどうしてもまた仕事の話になってしまうんですけど、この年はバースデーイベントでいろんなゲストに来てもらったことだったり、あゆみんと“あゆみずき”でバスツアーしたことも、すごく楽しくていい思い出です。



 

――2017年を改めて振り返ってみるとどんな年でしたか?


譜久村 改めて振り返ると本当にいろんなことがありましたけど、一つ一つのお仕事にしっかりと向き合えた年だったなと思います。メンバーにも自分なりに向き合っていたつもりです。すごく凝縮した一年でしたね。全然語りきれなかったんですけど、ハロー!プロジェクトの20周年でもあったので、OGの先輩との楽しい絡みもいろいろありました。オリジナルメンバーである中澤裕子さん、石黒彩さん、飯田圭織さん、安倍なつみさん、福田明日香さんと現役メンバーとのコラボレーションで『愛の種(20th Anniversary Ver.)』をリリースさせていただいたり。あとは秋ツアーの日本武道館公演では辻希美さん、高橋愛さん、道重さゆみさん、田中れいなさんに出演していただいて、一緒にパフォーマンスさせていただいたこともすごくいい思い出です。



――
最後に譜久村さんにとっての2017年を一言で表すと?


譜久村 すごく難しいです。でもハロー!プロジェクト20周年でモーニング娘。というものをたくさん浴びることができたし、そしてやっぱりももち先輩という存在が卒業したことで、自分のオタク人生が幕を下ろしたことも大きかったです。



――こちらの時間配分のせいでお話が伺えなかったのです
が、℃-uteの解散も2017年の春でしたね。


はい。℃-uteさんがハロー!プロジェクトから卒業されていった年でもあるので、
自分がハロプロに入るきっかけを作ってくれた世代の先輩たちが完全にいなくなって、後輩としての人生もここで完全に終わりましたなのでオタクとして、そして後輩としての人生が終わった年、としておきたいなと思います(笑)。



  • 『モーニングみそ汁』MV撮影オフショット

    『モーニングみそ汁』のMV撮影オフショット。

  • 『BRAND NEW MORNING』MV撮影オフショット

    『BRAND NEW MORNING』MV撮影オフショット。

  • 日本武道館にてワンマンライブ「モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~工藤遥卒業スペシャル」ステージ写真。

    「モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~工藤遥卒業スペシャル」でのアンコールパフォーマンス中の写真。

  • 日本武道館にてワンマンライブ「モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~工藤遥卒業スペシャル」よりパフォーマンス中の写真。

    「モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~工藤遥卒業スペシャル」にて『Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド』のパフォーマンス中の写真。

  • 日本武道館にてワンマンライブ「モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~工藤遥卒業スペシャル」にて楽屋ショット。

    「モーニング娘。誕生20周年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~工藤遥卒業スペシャル」にて楽屋ショット。




譜久村聖が牧野真莉愛に贈りたい1曲

『夕暮れは雨上がり



――毎回メンバー一人一人に、譜久村さんが贈りたいモーニング娘。の楽曲をセレクト。 第七回は12期メンバーの牧野真莉愛さんです。

譜久村 私の中の(牧野)真莉愛はとても素直で笑顔。そして天真爛漫で、とにかく真面目な子。魅力的な部分がいっぱいだなと思う反面、時に心配に思うところも少しあって。 後輩が入ってくるたびに先輩としてすごく頑張る姿を見せてくれるんですけど、私にとってはずっとずっと可愛い後輩だから、それを忘れないでほしいなって思います。そんなに大人になろうとしなくていいのに! って思っちゃうんです。真莉愛の人に言わない迷いだったり寂しさとか、だけど頑張ろうに繋がる部分とかがすごくしっくりきて、この曲を選びました。すごく頑張れる子だから、ちょっとやそっとのことで折れたりすることはないと思うんですけど、 「なんかうまくいかないな」と感じてしまうことがこの先あっても、自分を信じて、そして周りを信じて欲しいなと思います!  私からのエールの気持ちも込めてこの曲を贈ります。 甘えたくなった時はいつでも大歓迎! 私もいつまでも真莉愛を信じてるよ。


譜久村聖のプロフィール

●ふくむら みずき 1996年10月30日生まれ、東京都出身。ハロプロエッグ(現ハロプロ研修生)を経て、2011年に9期メンバーとしてモーニング娘。に加入。2014年にモーニング娘。史上最年少でリーダーに就任。2016年よりハロー!プロジェクトのサブリーダー、2019年よりハロー!プロジェクトのリーダーも兼任する。愛称はふくちゃん、メンバーカラーはホットピンク。当時のプロデューサー、つんく♂から「少しウエットな色気のあるメンバー」と評価を受け、独自の魅力を磨きつつステージでは高いパフォーマンス力を見せつけるオールラウンダーとしても知られる。

 

振袖スタンダードセット価格 (レンタル)¥280000/(購入)¥330000/オンディーヌ

モーニング娘。'23のInformation

モーニング娘。'23
「すっごいFEVER! /Wake-up Call〜目覚めるとき〜 /Neverending Shine」

前作から約10か月ぶりとなる73rdシングル「すっごいFEVER!/Wake-up Call~目覚めるとき~/Neverending Shine」が2023年10月25日にリリース決定。今年5月に加入した新メンバー井上春華と弓桁朱琴にとっては初のシングル。そして、秋のコンサートツアーをもって卒業する現リーダー譜久村聖にとってはラストシングルとなる。現在の14名体制での最初で最後のシングルとなり、全7形態で展開予定。



モーニング娘。’23 譜久村聖・連載『12色の12年』

  • 【モーニング娘。'23】譜久村聖卒業記念WEB連載『12色の12年』第十回:卒業を決意した年、予期せぬ事態の発生で変化を受け入れた2020年の話

    【モーニング娘。'23】譜久村聖卒業記念WEB連載『12色の12年』第十回:卒業を決意した年、予期せぬ事態の発生で変化を受け入れた2020年の話

    11月29日に開催される「モーニング娘。'23 コンサートツアー秋『Neverending Shine Show 〜聖域〜』譜久村聖 卒業スペシャル」をもってモーニング娘。及びハロー!プロジェクトを卒業する譜久村さんの卒業連載。第十回目は、卒業を決意し、コロナ禍に突入して新しい挑戦をすることになった2020年の出来事を振り返ります。譜久村さんのリクエストにより、長年共に活動してきたサブリーダーの二人、同期の生田衣梨奈さん、10期メンバーの石田亜佑美さんがゲストとして登場。クールなデニムルックでキメた、ここでしか見られないスペシャルな3ショットをお届けします。

  • 【モーニング娘。'23】譜久村聖卒業記念WEB連載『12色の12年』第四回:無我夢中で動いた一年、リーダーになった2014年

    【モーニング娘。'23】譜久村聖卒業記念WEB連載『12色の12年』第四回:無我夢中で動いた一年、リーダーになった2014年

    2023年秋に開催予定のコンサート・ツアーをもってモーニング娘。及びハロー!プロジェクトを卒業する譜久村さんの卒業連載。第四回目は2014年の出来事を振り返ります。前年にも増して忙しいスケジュールをこなすなかで迎えた絶対的リーダー道重さゆみさんの卒業。当時の裏話やリーダーを受け継ぐことになったことについての心境などをたっぷり語ってもらいました。譜久村さんが大好きだというイラストレーター・CYONさんとのコラボによって生まれたスペシャルなアートワークにも注目。

  • 【モーニング娘。'23】譜久村聖卒業記念WEB連載『12色の12年』第二回:後輩から刺激を受けて自分の殻を破った2012年の話

    【モーニング娘。'23】譜久村聖卒業記念WEB連載『12色の12年』第二回:後輩から刺激を受けて自分の殻を破った2012年の話

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