【じっくり読みたい中村倫也vol.2】”それで楽しくなるなら倫也って呼んでください”

2020.04.22

謎だらけだから、好きになる中村倫也

ひと言で表すなら、つかみどころがない人。質問を投げかけて、その素顔に少しだけ近づけたかと思えば、するりとかわされてしまう。だから、もっと知りたくなる。もっともっと好きになる。

それで毎日が楽しくなるなら、"倫也"って呼んでください(笑)

「サークルの飲み会にOBとしてフラッと現れそうな身近さがある」、「一回りくらいある年齢差を感じさせない」。最近、そんな理由から中村さんのことを"倫也"と呼んで盛り上がるノンノ世代が急増中。その現状を本人に伝えると、「見た目も庶民的だし、ノリも親しい感じがするんじゃないですかねぇ」と分析。「そういう子は、直接会うと呼び捨てにできないって分かっているから、いいんです。それで生活が楽しくなるなら、好き勝手に呼んでいただければ(笑)。

でも、たまにあるんですよ。イベントとかで、確実に自分より年下の女性から"倫也~"って呼ばれることが。そういう時は、"呼び捨てにすんな!" って言います(笑)。ドS的な認識をされているので、得してる部分ではあるんですけどね。一昨年、握手会をやった時も、6割くらいの方が"罵倒してください!"って。"黙れ!"って言うと満足してくれて、得な立場だなと思いました(笑)」

一人の足し算には限界がある。だから、予想外のかけ算が大事

これから公開される映画は3本。6月からは舞台を控え、今間違いなく勢いのある俳優の一人。多くのオファーがあるなかで、どの作品に出演するかの選択は周囲に任せているという。「 自分で自分の感性を信じてないというか、僕が思う中村倫也なんて大したもんじゃないと思っていて。だったら、もっといろんな目で、いろんなベクトルで、中村倫也をおもしろがってもらえたら、より鮮度の高いものが提供できるんじゃないかっていう考えなんです。

今日の衣装や髪形一つとっても、スタイリストさんやヘアメイクさんがいろいろ考えて準備してくれたものがある。それを見た上で、最終的な調理方法は僕に委ねられているという感覚でやっていることが多いです。自分一人で足していく足し算には、限界がありますからね。仕事があんまりなかった時期もあったからこそ、いろんなベクトルからのかけ算を大切にすることが僕の生き残り方でもあるんです」

目にしたものだけを信じたい

「人気を実感する瞬は?」。そんな問いかけにも、「お客さんの前に出ていって"キャー!"って言われる時はすげぇなと思いますけど、それ以外は別に……」と、いたって冷静に回答。「 たとえば今日のノンノ読者からの質問も、"本当は編集部の愛に飢えた人たちが考えたんでしょ?"って思ってますし(笑)。でも、今回の『美食探偵 明智五郎』の主演しかり、"気は確かか?"とは思いますけど、やらせていただく役が確実に3~4年前までとは変わってきているので、そこの期待感みたいなものはありがたく受け止めてます」

ジャケット¥54000・シャツ¥33000・パンツ¥41000/concentrate(P.E.O.T.W AG) その他/スタイリスト私物


美食家を演じる倫也さんに食にまつわる一問一答!

原作『美食探偵ー明智五郎ー』東村アキコ(集英社『ココハナ』連載) ⓒ東村アキコ/集英社

ドラマ『美食探偵 明智五郎』

三度の食に命をかける美食家の探偵・明智五郎(中村倫也)。夫の浮気に悩む主婦(小池栄子)の依頼を受けて調査を終えると、夫が何者かに殺害されてしまう。キッチンカーで弁当屋を営む小林苺(小芝風花)と事件の真相を追ううち、二人は殺人鬼へと変貌した主婦の存在にたどり着く。

● 毎週日曜22時30分~日本テレビ系にて放送


P r o f i l e 

●なかむら ともや 

1986年12月24日生まれ、東京都出身。映画『水曜日が消えた』が5月15日、『騙し絵の牙』が6月19日、『サイレント・トーキョー』が12 月公開。主演舞台『ケンジトシ』が6月より上演。

2020年6月号掲載
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