大久保佳代子さんに、人生相談してみた。大学時代のコンビ結成の話から驚きの恋愛エピソードまで! ご機嫌な人生を歩む方法って?

2022.05.31更新日:2022.11.10

毎日を生きる上で、悩んでしまう日も、気分が上がらない日もあって当然。そんな時は「自分を慈しんでいたわる=ハグマイセルフ」を意識してみない?

ハグマイセルフ上手な大久保佳代子さんが登場!
ノンノちゃんたち、ちょっと寄ってき~

「あんな楽しそうな大人になりたい」「SNSもおもしろくて見ちゃう」とノンノ世代にとって身近でありながら憧れでもある大久保さん。人生の先輩に聞く、自分自身がご機嫌な人生を歩む方法って?

みんなのハグマイセルフ大久保佳代子さん3-1

今の20代と私、変わらないかも!?

私が大学生になって初めて手にしたファッション雑誌、それは『ノンノ』でした。あの頃の私は今よりも元気で希望とエネルギーに満ちあふれていてね。それだけに、ノンノ読者のアンケート結果を見て驚いちゃったよ。"1週間のうちに調子がいい日が2~3日しかない""自分のことが好きじゃない""漠然と不安感に襲われる"……。何これ、50歳の佳代子(若干、更年期ぎみ)とほぼ変わらないじゃない!! 心配になっちゃうじゃないの!!

たいして可愛くもなければ、特に取り柄もない。ノンノ世代の私は、"ないない尽くし"だったけど、若さゆえにエネルギーだけはあるから、頭で考える前に体が動く、みたいな。クヨクヨ悩んでいるくらいなら何かやってやろう、みたいな。不思議なことに根拠のない自信だけはやたら持っていて。「こんな私にもなんかあるんじゃないか」という勘違いにも似た思い込みで生きることができたんだよね。

50歳の私からすると、ノンノちゃんたちは明らかに体も頭もバリバリに動く世代。恋愛も仕事も可能性に満ちあふれているからこそ、ちょっとくらい無鉄砲でもいいから楽しんでほしいと思う。誰にどう見られるかとか、親に迷惑かけるとか、ちゃんとしなきゃとか、そんなにまじめに考えなくても大丈夫、大丈夫。そんなことはね、後からもっと考えなきゃいけなくなるんだから。20代の今くらい気楽に楽しんじゃおうよ。もっと元気にやっちゃってよ。人生、意外とどうにかなるもんだから(笑)。

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決めつけず、まず行動。
いくらでも回収できる!

夢や目標、将来のこと

“夢”を取るか“安定した就職”を取るべきか、悩んでいます。

(ぽぽぽさん·大学生)



  大学在学中に相方の光浦(靖子)さんと「オアシズ」を結成。卒業するかしないかの頃に人力舎に所属して、芸人としての活動をスタートさせているんですよね。なので私、就職活動というものを一度も体験したことがないんですよ。

 周りから「絶対に売れる保証なんてないのに。千葉大卒のキャリアを捨てて芸能界に飛び込むのは怖くないのか?」と聞かれたりもしたけれど、不思議なことに不安は一切なかった。それどころか「せっかくのチャンスだしつかんでおこう」みたいな気持ちで。「2年でもいいし、3年でもいい。やってみてダメだったら就職活動をやり直せばいいや」くらいにしか考えていなかったからね(笑)。

 よくも悪くも無責任に「なんとかなるだろう」で突き進んだ私の20代。今の時代、私のやり方が通用するかどうかは謎ではありますが……。20代の数年間なんて、後からいくらでも回収できると思うんだよね。実際、芸能界での活動は最初の頃はまったくうまくいかずに迷走。相方の光浦さんがテレビで活躍するなか、私はバイトをしたり、OLになってみたり、急に俳優として劇団の舞台に立ち始めたり。でも、振り返ると「あの“冬の時代”があったからこそ、今の自分がいる」と思うんだよね。あそこで、なんの力も持たないまま売れていたら、自分も苦しくなっていただろうし、あっという間に消えていただろうなって。

 男に狂ったり、酒でバイトをクビになったり、親からの仕送りを劇団のために使ってしまったことも……。“若さゆえ”の特典でハチャメチャな経験も大目に見てもらえる20代、ちょっとくらい自分の思うように生きてもいいと思う。ただ、それは「後でちゃんと回収しろよ」の条件つきね。たとえば、この話だって、あのハチャメチャな経験が血となり肉となり、芸人として人として私を成長させてくれたから笑えるもの。あのまま酒と男に溺れ、仕事もろくにせず、今も親を悲しませていたらきっと後悔しかないだろうしね。やりたい夢を選びたいなら選べばいい。大事なのは、そこから“笑える幸せな未来”を作るために努力すること。その選択を正解にできるかどうか、過去を笑い話にできるかどうか、それは自分次第ですから。



東京の専門学校でファッションを学びたいのですが、親からは「大学じゃないと上京させない」と言われています……。

(はこさん・高校生)



 生まれ育った愛知県の渥美半島の外へ出たくて。東京の大学を受験することに決めた私に両親が言ったのが「学費の安い国公立の大学以外は許さない」でした。結果、猛勉強して千葉大学に進学。私は目的もなく漠然と「この4年間で好きなことや夢を見つけよう」と新生活をスタートさせたんですよ。そこで“お笑い”に出会い、目覚め、いつのまにか将来の仕事に。そんな自分の経験を踏まえてアドバイスするなら「いったん、大学に進学すればいいんじゃない?」。ある意味、大学は未来を決断するまでの猶予期間。専門学校じゃなくても、バイトでアパレルの仕事を体験できるかもしれないし、SNSを通じてファッション業界の人とつながる可能性だってある。今の時代、入り口は一つじゃないんだから。「専門学校じゃなきゃダメ」と決めつけずに、“猶予期間”という自由の切符を握りしめ、とりあえず東京に出てみる。それも一つの手だと私は思うんだけどな。



やりたいことも自分に向いていることも見つからない。入りたい会社がありません。

(ぽんさん·大学生)



 思うんだけど、まずは経験してみないと何が合うかなんて分からないよね。だからこそ、なんでもいいからやってみる。少しでも興味のある業界に飛び込んでみる。一発目の仕事で「自分、これで生きていきます!」「定年まで頑張ります!」と終身雇用を目指さなくてもいい。合わないと感じたら、また違う仕事を探してもいいんだから。頭の中でウダウダ考える前に、とりあえず働いてみようか♡

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人間関係。

新社会人なのですが、職場になじめるか不安です。

(れーさん·会社員)

OL経験のある"先輩"として私からアドバイスするなら、うまくやるコツは"職場がすべてだと思わないこと"ですね。たとえば、職場にいる人全員と仲よくならなくてもいい。信用できる人が数人いればそれでいい。実際、私も職場で仲がよかったのは二人ほど。基本、それ以外の人はあいさつだけ。一度、テレビに出ていることをイジられた時に、「そういう話はしたくないんで」とちょっと強めに言ったら、誰も話しかけてこなくなったっていう(笑)。その二人とシフトが合わない日のランチは常に一人。公園で鳩を相手にパンを食っていましたからね。でも、仕事はそれくらいの距離感でいいと思う。完璧にうまくやろうとすると疲れるしストレスもたまる。職場はあくまでも仕事をする場所、自分が素顔になれる場所は他にあればいい。他の人だってさ、会社で見せているのはきっと素顔の2割くらい。素敵な上司も実は"ド変態"かもしれないんだから。

友達が少ないのが悩みです。楽しそうな人たちと孤独な自分を比べては落ち込んでしまいます。

(なーさん・大学生)

20代の頃は友達と会わない時間が続くとふと「私だけ誘われていないんじゃないか」「他の友達は集まって飲んでいるんじゃないか」そんな不安に駆られることもありました。でも、50歳になった今は1ミリも思いません。仕事に打ち込んでいる人もいれば家庭を持っている人も。学生の頃と違い、それぞれの生活っていうものがあるから、年齢を重ねるにつれ「ずっと一緒」なんてなくなるし。仕事でクタクタに疲れているのに、無理して友達と会ったところで楽しい時間にならないことを、50歳の佳代子は知っている。大丈夫、年齢と経験を積めば何が大事で必要なのかが見えてくる。信頼できる大切な友達が数人いればいい、友達の数なんてどうでもいいと思えるようになってくるから。それでも友達を増やしたいのなら、女子会や飲み会に参加してもいいと思うけど……。5回、愛想笑いをしている自分に気づいたら、その会にはもう参加しなくていいと思うよ。

嫌われるのが怖くて、いつも友達の顔色をうかがってしまう。そんな自分に疲れています……。

(らぶさん・高校生)

どうでもいい人には何を思われてもいいけど、やっぱり好きな人には「好かれたい」とつい顔色をうかがってしまう。それはきっとみんな同じ。でも「気分を害したらどうしよう」「嫌われたらどうしよう」とビクビクしていると言葉を発するのが怖くなるというか。どんどん自分の意見が言えなくなってしまうんだよね。で、しまいにはすべてを変な愛想笑いでごまかすようになったりして。私も同じような経験があるからこそ「怖いけど、言う」を大切にするように。そこで気づいたのが「周りの人は自分のことなんて気にしていない」ということ。気にしているのは自分だけで、相手は覚えていないことがほとんど。もし相手が気分を害したのならば「ごめんなさい」すればいいんですよ。バラエティのひな壇もビクビクしていたらなんの爪痕も残せず終わってしまう。自信なさげにモゴモゴ言ってもMCには届かない。大事なのはまあまあの声量でハッキリと最後まで言い切ること。ひな壇に座っている気持ちで、友達の心に爪痕残していこ♡

一緒にいる時間が長くなるほどイライラ。友達のことさえも嫌いになってしまう。私は性格がゆがんでいるのでしょうか?

(さいりさん・大学生)

長い時間を共に過ごすと相手のアラが見えてくる。それは友情も恋愛も同じだよね。ただ、忘れちゃいけないのがその子を好きだから友達になったこと、相手にはいいところもいっぱいあるということ。そこで、私がオススメしたいのが思い出の動画作り。こないだ、いとうあさこさんとの思い出写真を集めて、TikTokで動画を作ったんだけど、これがものすごくよくて!! 普段はお互いに「面倒くさいババアだな」と思ったり、ムカついたり、イラッとすることもあるんだけど、振り返ると「あさこさんはずっと私の隣にいてくれたんだな」と……。うっかり泣きそうになるくらい感動してしまったんですよ。相手が自分にとってどれだけ大切な友達なのか、一緒にいる時間が当たり前になるとそれを忘れてしまいがち。だからこそ、嫌いになってしまいそうな時は二人の歴史や友情を振り返り思い出したほうがいい。友達との思い出動画、今すぐTikTokで作りましょう。

恋愛のこと。

22歳にして恋愛経験ゼロ。かなりのコンプレックスです。

(ゆうさん・大学生)

私自身、初めて彼氏ができたのは20歳の頃。決して早くはなかったからこそ、恋愛経験がない人のことを恥ずかしいとも、カッコ悪いとも思わないけど。どうしても「自分は気になる」というのならば、「まあ、いっか」な相手とつき合うのも一つの手。ほら、一番好きな人が相手だと緊張しちゃうし、よりコンプレックスも感じてしまいそうだから。とりあえず、2番目でも3番目でもいいから、とにかくつき合ってみる(笑)。経験を1個積めば"恋愛経験ゼロ"ではなくなる。それは自分の自信につながると思うし。どんな相手でも元恋人にカウントできる。経験者として友達との恋バナにも交ざれる。「やっぱり無理」と思ったら別れたっていいんだから。

相手が自分に夢中になるほど、気持ち悪く感じてしまいます。こんな私で幸せになれるか不安……。

(あーちゃんさん・会社員)

最初は「気が合うし、楽しいし、いいヤツだな」と思うんだけど、相手の恋愛スイッチが入った瞬間、「気持ち悪い」と思ってしまう。たぶん、それは最初からその人のことを好きではなかったんだろうね。好きでもない人とつき合う必要はないと思う。でも、「気持ち悪い」っていうのはどうなんだろう。それはちょっと、優しさが足りない気がするな。もしかしたら、相手は好きな人を目の前にして緊張して前のめりになっちゃっただけかもしれないし、頑張っているからこそ空回りしてしまったのかもしれない。それくらい、自分を好きになってくれたことに対しては「ありがとう」の気持ちを持とうよ。相手の思いを「気持ち悪い」と敬遠して罪悪感を抱くより、そっちのほうが自分もハッピーな気持ちになれるしね♡

ダメ男ばかりを好きになってしまう負の恋愛ループから脱したい!!

(りりさん・大学生)

夢ばかり語る男に大金を貸したこともあれば、クリスマスの夜にフライドチキンを投げつけられたことも、彼からプレゼントされた自転車がまさかの盗難車だったこともあった……。私もね、昔は何を考えているのか分からない、ちゃんと働いているかすら分からない、麻薬のように危険な男に惹かれがちで。それはもう何度も痛い目にあいました。でも、そんな恋愛遍歴を振り返ってみると、強烈に思い出に残っているのってダメ男たちとの恋なんだよね。イヤな思いもしたけど、想像もできないほど刺激的な毎日は楽しかった。その恋が正しいのか間違っているのか、決めるのは他の誰でもなく自分自身。自分が「幸せ」と思えているうちはダメ男に恋していいんじゃないかなと私は思う。大丈夫、その負のループにはいつか必ず終わりがくる。年齢を重ねるにつれ、気力も体力も老いにより低下。関節は痛いし、すぐ疲れるし、ダメ男に振り回される余裕がなくなる。自分のことだけで精いっぱいだからこそ、「理想は"危険な男"ではなく手のかからない"健康な男"」と公言する日が、あなたにもいつかきっとやってくると思うから(笑)。

自分が生きる、毎日のこと

外見も内面も、自分を好きになれません。どうしたら、好きになれますか?

(ひなこさん・大学生)

こんなことを言ったら驚かれるかもしれないけど。私ね、幼い頃は自己肯定感が高めの女の子だったんですよ。友達や先輩からは"カバ子"という明らかにネガティブなあだ名で呼ばれているのに、それを人気者の証しと"オリジナル変換"。落ち込むどころか「自分はクラスのマスコットガールだ」と思い込んでいましたからね。そんなポジティブ精神を貫くことができたのは、他人と自分を比べないというか、その前に自分をしっかり見ないというか、気づかないふりをするというか……。私ね、自分で自分を追い詰めないのって大切な気がするんですよ。たとえば、マスコットガールだと思うのもその一つだよね。冷静に考えれば"カバ子"というあだ名も変だし、好きな男子を見つめれば消しゴムを投げられるし、休み時間に自分の机が校庭に出されていたこともある。でもそこと向き合ってしまうとネガティブな「私なんて」スイッチが入ってしまう。だからこそ、そこからは目を逸らして、「私が"カバ子"と呼ばれて振り向けばみんな喜ぶし、私の一挙手一投足で周りの友達は笑ってくれる。ある意味、これって人気者だよね?」といいところだけをピックアップして生きてきたっていうね。

大学時代、花形といわれていたスカッシュサークルの新歓コンパに血迷って参加してみたものの、男子は可愛い女子のテーブルに集中。まるで空気のように扱われた時もまた同じ。落ち込むより先に「ここは私の居場所ではないんだ」と、光浦さんに誘われて謎のお笑いサークルへ。そこにいたのは、花形サークルと比べたら地味だけど、しゃべりがおもしろい人たちで。「こっちのほうがイケてる」とこれまたオリジナル変換したんだよね。自分を否定すると人間は腐る。見るのがつらいなら、鏡なんて見なくていいし、つらい現実も見ないふりをしたっていいんですよ。これも、立派な危機回避術。コンプレックスを持つ子も多いけど、まじめに向き合っていたら、しんどいから、疲れちゃうから。自信がないと落ち込むくらいなら、根拠のない自信を勝手に持って胸を張ればいい。みんな、もっと自分に甘くていいと思うんだけどなぁ。

どうしても気分が上がらない日、何をするのがオススメですか?

(みいさん・大学生)

"今日の自分はどれだけのエネルギーを持ち合わせているのか"。長く生きていると、自分のガソリンの量が分かるようになってくるんですよ。今日は残量少なめだなと思ったら省エネ態勢で。無理にテンションを上げることなく、人様に迷惑をかけないよう、やり過ごす。
で、仕事後は頑張った自分に小さなご褒美を。そんな日だからこそ、シャンパン買って帰っちゃったりね。50年生きていると、自分の運転の仕方もゴキゲンのとり方も分かってくる。最近のお気に入りは家で愛犬パコ美と『Netflix』を見る時間。今見ているのは『ブレイキング・バッド』。世間の流行からだいぶ遅れて追いかけています(笑)。

漠然と将来が不安です。

(なつさん・大学生)

確かに、今は不安な時代だよね。怖いこともいっぱいあるけど、そんな時こそ外に出て、太陽の暖かい日差しを感じ、桜を見て、「今日はいい日だな」と。まずは目の前の数時間を幸せに生きようじゃないですか。

周りと比べては「自分はダメだな」と落ち込んでしまいます。

(さちさん・大学生)

他人は自分にないものを持っている。それをうらやましいと思い落ち込んでしまうのならば、「あの子は持っていないけど、自分は持っているもの」を一つでもいいから見つけてみてはどうだろう? たとえば、"歯がきれい"なんて小さなことでもいいんですよ。「あの子は可愛いけど、私のほうが歯はきれい」とか。なんなら、友達のアラを探して、そこに乗っかるのもアリ。「友達はブランドものをたくさん持っているけどセンスはない。私のほうがセンスはいい」「フェイスラインだけは私のほうがきれい」自分のテンション上げるために、たまには人の欠点を踏み台にしちゃえ♡

みんなのハグマイセルフ大久保佳代子さん6-1

Profile

●おおくぼ かよこ 1971年5月12日生まれ、愛知県出身。光浦靖子さんとのお笑いコンビ「オアシズ」として活躍し、TVやラジオのレギュラーも多数。TikTokやTwitterといったSNSも大人気!

2022年6月号掲載
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