ひさびさに眠るのが惜しいくらい続きが気になって、夢中になって読み進めてしまった本。少しだけネタバラシしてしまうと殺人事件が起こったりはしません。そして普段は誰もが隠している人間の本質をズバズバと描いていくのだけど「一見いい人って実は怖い」というような安直な展開でもない。
恋愛の場面において「この人はないわ〜」と人をジャッジするとき、私たちって頭の中で何をしているんでしょうか。真正面から考えてみると、すごく傲慢なことをしているのかもしれないですよね。恋愛したいのに「いい人がいない」「ピンとこない」が口癖の人にはぜひ読んでほしいです。そしてこの小説のもうひとつのテーマが『母親の支配』。もう大人なのについ親の顔色をうかがってしまう、親が押し付けてくる価値観から抜け出せない、という人にも強くおすすめします。明日から生き方が変わるかも……そんな本でした!