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コスメカタログ
2025.12.24
大好きなコスメだけど、使い切れないまま月日がたってしまったり、処分方法が分からず悩んでしまったりすることも。そんな化粧品の使用期限の目安や捨て方のコツを、コスメコンシェルジュの小西さやかさんに徹底取材! スキンケアやメイク用品、ボディ&ヘアケアまで、幅広いカテゴリでご紹介します。
教えてくれたのはこの人

コスメコンシェルジュ
大手化粧品メーカーでの研究・開発職を経て、一般社団法人日本化粧品検定協会の代表理事として活動。『「私に本当に合う化粧品」の選び方事典』(主婦の友社)『美容成分キャラ図鑑』(西東社)など著書も多数。
化粧品の【使用期限】の目安は?
未開封の化粧品
一般的に【3年間】品質が保持される
「国内の化粧品は、使用期限の表記がないものに関しては、未開封であれば製造から3年間は品質が保持されることを条件に販売されています。とはいえ製造直後に店頭に並ぶとは限らないし、海外メーカーの商品は基準も異なるので、基本的に購入から1年以内に使うのが理想。ただしこれはあくまで目安。保存料を使用していない場合は1〜2ヶ月で変質することもあるので、酸化臭がしたり、目に見えて色が変わってしまったものは使用を避けるようにしてください」(小西さん・以下同)
スキンケア
開封後【1年以内】
「スキンケアアイテムは、種類や形状に関わらず開封後1年以内を目安にして使用を。ただし、ビタミンCなど変質しやすい成分を含んでいるものは、使用期限が設けられているケースも。そのような場合は、期限に関する表記が義務付けられているので外箱や容器をチェックしてみて」
リキッド系ファンデ、化粧下地、日焼け止め
開封後【6か月~1年以内】
「リキッド系のファンデや下地、日焼け止めなどの油分が多めに配合されているアイテムは、開封後6か月~1年で使い切っていただくことをおすすめします。SPFやPAといった数値で示される紫外線予防効果も時間が経つと変化してしまう場合があるので、例えば夏に開封した製品を、そのまま翌年の夏に持ち越して使用するのは避けた方が安心」
パウダー系ファンデ、フェイスパウダー、アイシャドウパレット
開封後【1年以内】
「パウダーファンデーションやフェイスパウダー、パレットに入ったアイシャドウなど粉状のアイテムは比較的変質しにくく、開封後1年程度は使用いただけますが、それでもパフやチップは清潔な状態で使うように心がけて。顔に触れる時に雑菌や皮脂が付着すると劣化しやすく、カビなどの原因にもつながります」
チーク、ハイライト
開封後【1年以内】
「こちらもパウダー系のアイテムと同様に開封から1年以内の使用を推奨。指で直接ハイライトやチークをとって塗ると表面が劣化しやすいので、長持ちさせるという点で考えるとブラシ使いするのが有効」
リップ、アイライナー、マスカラ
開封後【3か月以内】
「直接粘膜に触れるリップやアイライナー、マスカラなどは雑菌が増殖しやすいので、開封後は3か月を目安に使うのがベターです」
マニキュア
開封後【1年以内】
「マニキュアは、開封後1年程度で使い切っていただくのが基本。とはいえ、肌に直接触れるものではないため、多少であれば1年を過ぎてしまっても使用できます。中には1年経たずに中身が分離したり乾いたりするものもあるので、その時は薄め液を活用していただくのがおすすめ」
アルコールを含む香水
【半永久的】に使用可能なケースも
「香水はそのほとんどにアルコールが使用されているため、殺菌効果が強く、半永久的に使えるものも。とはいえ、天然香料が多く配合されているものは香りや色が変化しやすいので、見た目や匂いに違和感を覚えた時は使用を控えてください」
化粧品を使用&保管する際の注意点
詰め替え用容器の注意点
「洗顔料やシャンプー&コンディショナーなど、詰め替えタイプを使う人も多いと思いますが、長く使いたいなら詰め替えるたびに外の容器をしっかり洗うことが大切。中身が新しくても、容器が汚れていたりカビが生えてしまっていると、劣化スピードが速くなってしまいます。水分も雑菌が増える原因になるので、詰め替えるときは容器をしっかり洗って完全に乾かすようにしましょう」
コスメを保管する時の注意点
「化粧品の品質は、湿度や温度に左右されやすいんです。そのため、湿度変化が激しいお風呂場に置いておくのはあまりよくないとされています。高温にも弱いので、風通しのよい冷暗所で保管しておくのが理想です」
化粧品の正しい【捨て方】は?
スキンケア系アイテムの処分方法
「化粧水やクリーム、オイル美容液などのスキンケアコスメ処分する場合、中身は新聞紙や古布などに染み込ませてゴミ袋にまとめ、『燃えるゴミ』として捨ててOK。ボトルや瓶など容器に残った液体、クリームは、水で洗わず布で拭き取る程度に整え、『プラ』『紙』などの識別表示を確認してから処分。素材ごとの処分方法は自治体によって異なるので、各自治体のHPで事前にチェックしてみてください。また商品によっては、識別表示を化粧品本体でなく外箱にプリントしていることも多いので、箱を捨てる前に表示部分を切り取り、本体に貼っておくと捨てる際に役立ちます」
リキッド・クリーム状コスメの処分方法
「リキッドチークやクリームファンデーションなどは、スキンケアと同じように中身を『燃えるゴミ』として出し、容器は汚れを拭き取って表示に合わせて処分します。ここで注意したいのは、拭き取っても汚れやニオイが落ちきらなかったビンはリサイクルの対象にならない点。『資源ゴミ』ではなく『燃えないゴミ』として処分するようにしましょう」
パウダー系コスメの処分方法
「フェイスパウダーやアイシャドウパレットなど粉状のコスメも、中身と容器を分別するのが基本。ルースタイプのものは中ブタを開けて中身をまとめて『燃えるゴミ』とし、容器は表示通りに処分します。パウダーファンデーションやアイパレットなど、粉体を固めたものは綿棒などを使って中身を取り出し、パウダーが固められていた皿部分は『燃えないゴミ』に。それ以外の容器は表示に合わせて分別を。また、パレットに鏡がついている場合は取り外して『燃えないゴミ』として処分するのをお忘れなく」
口紅などくり出し系コスメの処分方法
「くり出すタイプの口紅、アイブロウペンシルなどのコスメは、根本から折って中身は『燃えるゴミ』に。容器は表示に沿って分別します」
中身を出すのが難しいコスメの処分方法
「アイライナー、マスカラ、リップティント、リップグロス、マニキュアなど、中身を出し切るのが難しい化粧品を処分するときは、できる範囲で構わないので中身をかき出して『燃えるゴミ』に、容器は表示に沿って処分しましょう。マニキュアのハケは『燃えるゴミ』に分別。これらのアイテムは全て、中身が漏れ出ないようにフタやキャップを閉じた状態で捨ててください」
シャンプー、コンディショナー、ボディソープの処分方法
「シャンプーやコンディショナーは洗い流すものだから、水に流して捨ててもいいと思っている人も多いのですが、一度にたくさんの量を流すと浄水処理の負担に。中身を使い切ってから捨てる人がほとんどだとは思いますが、やむを得ず使い切り前に処分する場合はスキンケア用品と同じ方法で」
香水の処分方法
「香水に含まれているアルコールは引火性が高いので、屋外などの風通しの良い場所で作業を行いましょう。中身は不要な古布や紙などに染み込ませて、ジップロックで密封して『燃えるゴミ』に。容器のビンは香りがついてしまっているので『資源ゴミ』ではなく『燃えないゴミ』に分別を」
スプレー缶の処分方法
「炭酸コスメやヘアスプレー、制汗剤など、エアゾール缶を使ったアイテムは、引火性が強いので捨て方に注意が必要です。まず屋外などの通気性の良い場所で、”シュー”という噴出音がしなくなるまでノズルを押し続けます。さらに、缶を逆さにして最後までしっかり出し切りましょう。最近はガス抜きキャップがついている商品も多いので、活用すると◎。缶に穴を開けるかどうかは自治体によりルールが異なるので、HPなどで確認を。スプレー缶をゴミに出すときは、他のゴミと一緒にせず、単体で袋に入れましょう。『逆さスプレー禁止』の表記は、逆さにすると正常に噴射されなかったり、液もれするなど、品質トラブル防止のためのものです。ガス抜きの際は品質は関係ないので逆さにしても問題ありません」
複数の素材を使っている容器の処分方法
「いちばん悩むのが、容器にプラスチックと金属が混在している場合など、複数の素材が使われている時。まずはできる限り容器を分解して、それぞれの表示にしたがって処分を。外れないコンパクトの鏡やガラス瓶の中栓のプラスチックなど、それ以上分解するのが難しい場合はまとめて『燃えないゴミ』として処分してOKです」
化粧品を無駄にしない“捨てる”以外の選択肢
ヘア&メイクのイガリシノブさんが提案する「コスメロス」プロジェクト
コスメブランド「WHOMEE」をプロデュースするイガリシノブさんは、2023年に「コスメロス協会」を設立。破棄されたコスメのパレットを使ってオリジナルコンパクトを作るワークショップを開いたり、全国で回収した不要コスメを再利用してキッズ向けのアートイベントを行うことも。
お気に入りのコスメが文具として生まれ変わる「SminkArt」
オンラインで注文すると届くキットで、使いきれなかったアイシャドウやチークなどの粉状コスメが絵の具に変身。ラメやパールなどコスメがもつ質感も生かした、オリジナルの発色に。
ロフトや無印良品に続々登場!「化粧品容器回収BOX」
SDGsの観点から、スキンケアやコスメの空容器を回収するメーカー・ショップも急増中。中身を使い切ったら店頭の回収BOXに入れるだけだから、手間がかからないのも魅力。イオンやコスメキッチンの対象店舗など、身近なお店での取り組みも増えているから、お買い物ついでにチェックしてみて。
※店舗によって回収できる容器やブランドに制限があります。
Staff Credit
取材・原文/野崎千衣子 web構成/本誌編集部