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No.210 くらげ

『GHOST KILLER』髙石あかりが主演を務めるアクション映画レビュー・感想

2025.04.30

GHOST KILLER、最高だった。アクションはやっぱり映画館。

『GHOST KILLER』予告

『GHOST KILLER』の予告映像

『GHOST KILLER』あらすじ

ある日薬莢を拾った髙石あかり演じる松岡文香らどういうわけか死んだ殺し屋の幽霊、工藤に取り憑かれてしまう。パニックになる文香だが、さらに手に触れると工藤は文香に取り憑くことができることが発覚。

塩、リセッシュ、お祓いという名の神社参拝……あらゆる方法を試してみるが、どれもうまくいかない。成仏するには俺を殺した奴に復讐する必要があると言う。

『GHOST KILLER』の魅力

 『GHOST KILLER』の魅力はアクションだろう。そして、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズにも通ずるような“バディもの的魅力”は『GHOST KILLER』でも、もちろん顕在だ。しかしそれに加えて復讐劇に身を投じる上での葛藤と、主人公なりの折り合いの付け方がとても魅力的だと思った。

 工藤を成仏させるためには、彼の無念を晴らす必要があることを知った主人公は復讐劇に身を投じることになる。だがこの作品の主人公は非番の刑事や引退した殺し屋ではない。就活に翻弄され、大学に通い、彼氏に殴られた友達を心配するよう普通の大学生だ。当然、暴力は非日常である。

 殺し屋の工藤が乗り移れば、体の主導権は工藤に渡る。工藤はしかし、勝手に乗り移ることは決してしない。工藤に体の主導権を明け渡すのは、文香が自身の意思で彼の手を取ったときのみだ。これが本作の面白さであると考える。

 映画序盤、文香は友達がDV被害に遭う場面に遭遇する。本来ならば、非力で普通の大学生で暴力とは無縁のはずの文香だが、幽霊の工藤の手を取れば、DV彼氏を殴ることができる。工藤の手を取る——言い換えれば、毒は毒を以て制すとも言える行為だ。その行為に対して、そして復讐、あるいはアクション映画に欠かせない暴力に対して文香はどのように折り合いをつけるのか。

『GHOST KILLER』をぜひ劇場で!

 復讐劇は何のための復讐なのか。彼女が出した回答が私はこの映画の中で一番好きだ。激しいアクションの裏側で描かれる葛藤が彼女の人となりをより魅力的なものにしている。

 軽快なアクションに包まれたひと匙の毒に登場人物、そして『GHOST KILLER』という作品そのものの奥行きを感じた。

  • 出身地

    東京都

  • 身長

    159cm

  • 学年

    大学3年生

  • 推し

    コスメ集め(主にネイル!)、文章を書くこと、小説(ミステリ!)、ピアノ、ゲーム、FAKE TYPE.

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