
エンタメ部
No.305 ちゃちゃ
【イチオシ本】京都が舞台の和菓子ミステリー!『小鳥遊さんの京菓子暦』
2026.02.04
まだまだ冷たい風が身に沁みる日が続きますね。
そんな日に温かなお茶と一緒に読みたい集英社オレンジ文庫の作品、『小鳥遊さんの京菓子暦 かわいい和菓子と甘くない謎』を紹介します!

上生菓子に亥の子餅、うさぎ饅頭そしてぜんざい。季節と人の心を巡る、あたたかな和菓子ミステリーです。
あらすじ
この春京都に引っ越してきた高校1年生・小鳥遊鞠。突然の雨に慌てて入った軒先で、同じく雨宿り中だったクラスメイトの穂鷹翔に会った。
傘借りてくるわ。これでも食べて待っといて

翔
差し出した鞠の手に、小さな緑が転がる。
抹茶の飴?

鞠
有平糖。甘さ控えめやけど、すっきりした後味でうまいよ

翔
きょとんとした顔をしていると、そのまま翔はすらすらと淀みなく説明してみせる。
端麗な容姿で密かに女子から人気を集める翔だが、学校では寡黙な印象だった。しかし和菓子の説明をしてくれた姿は、学校でのそれとは異なり熱がこもっていた。
そして翌日。鞠は悩んでいたある謎について、翔に質問することに決めた。
和菓子のことでちょっと相談したいことがあって……

鞠
登場人物紹介
小鳥遊鞠
東京から京都に引っ越してきたばかりの、好奇心旺盛な高校一年生。
翔と話したことをきっかけに和菓子に興味を持つようになる。
穂鷹翔
鞠のクラスメイト。
和菓子店の三男で、兄の大地は和菓子喫茶「あじさい」を営んでいる。
和菓子のことが大好きで知識も豊富だが、学校ではあまり話さないようにしているようで──。
お菓子の紹介
上生菓子

紅葉を四等分に切ると、柔らかくて黒文字がすっすっと入っていく。
ふっと鼻に抜ける香りの余韻までおいしい。
水分量の多い生菓子の中でも季節感を取り入れた上等なものを上生菓子と呼び、練り切りなども含まれます。鞠はこなしという生地で作られた「紅葉」を抹茶と共に味わいます。
亥の子餅

求肥の柔らかさ、香ばしいごま、すっきりとしたこしあんの上品な甘さ。しょっぱさと甘みのバランスが絶妙だ。
猪の子どもをイメージした、平安時代の宮中行事で食べられたという歴史ある和菓子。親友の悩みを受けて鞠が口にしたものは粒あんとごまを求肥に混ぜ、こしあんを包んだものです。
うさぎ饅頭

絹のようにきめ細やかな白い皮は、見た目以上にしっとりした柔らかさ。
雪で作ったうさぎをイメージした和菓子で、つくね芋を加えた皮とこしあんの薯蕷饅頭です。鞠は「雪兎」と名づけられたこの和菓子を食べましたが、出会った人物が探していたのは……
ぜんざい

とろみのついた小豆をつまみ、ふうふうと息を吹きかけ、はふはふ食べる。
冬にお馴染みの小豆のお菓子。鞠と翔は大納言という粒の大きな小豆を使った、食べごたえのあるぜんざいに舌鼓を打ちます。地域や家庭によって味わいが異なり、作中ではそれがある問題に繋がりました。
こんな人におすすめ!!
☑︎甘いものが好きな人
なんといっても和菓子の描写がとっても丁寧!!試したくなること間違いなしです。
黒文字でそっとお饅頭に切り込みを入れる仕草、茶せんで抹茶を立てているとしだいに細かな泡が生まれてくる様子、ぜんざいを頬張った時のお餅の伸び具合などなど……目を瞑ればまぶたに映りそうなくらいです!
☑︎ミステリ要素が好きな人
和菓子にまつわる謎や悩みが各話散りばめられています。好奇心旺盛な鞠が行動して、クールな翔が助言する。和菓子を通してだんだんと関わってくる人の思いが読み解けてくるので、ページをめくる手が止まらなくなってしまいます。
☑︎普段本を読まない人にも…!
よく本を読む人にはもちろんですが、普段はあまり読まない人にもおすすめの一冊です。やわらかく丁寧な描写はするすると頭に入ってきます。また素直な鞠視点で描かれていることから、感情がありありと伝わってきます。
きっと和菓子が食べたくなる!

おいしそうな和菓子とそこに込められた思いを見ていると、和菓子がきっと味わいたくなります!
また鞠と翔のやわらかな距離感と、二人が少しずつ仲を深めていく様子も必見です。
ぜひ手に取ってみてください!







