ピアスが埋没！ どうする？ #26

昨年1月に開けた耳たぶのピアス穴。1年以上経った今も、穴が塞がらないように常にファーストピアスをつけていました。特にトラブルなく過ごしていましたが、先日、思いがけない事件が発生…… ピアスが耳たぶに埋没したのです。事の一部始終をお話しします。

ピアスのヘッドが消えた？

先日、ふと耳を触ると、ピアスのヘッド（表側のアクセサリー部分）がなくなっていることに気がつきました。しかし、キャッチ（後ろ側の留め具）はしっかりと残っています。違和感を覚えて耳たぶを触ってみると、中に何か硬いものがあるような感触が…。そう、ピアスのヘッドが耳たぶの中に埋まってしまっていたのです。

自分では取り出せそうにありません。ピアスの埋没について調べると、無理に取り出そうとすると傷口が広がり、大量出血や感染のリスクがあるとのこと。とはいえ、私は現在フランスに留学中で、病院へ行くこと自体が不安でした。

フランスでの受診体験

まず、加入している海外保険の相談窓口に連絡し、病院を紹介してもらいました。翌朝、指定された街のクリニックへ。事前に電話通訳を依頼していましたが、医師から断られてしまったので、片言のフランス語でやり取りしました。

診察の結果、「クリニックでは対応できない」とのことで、より設備の整った総合病院の救急科へ行くように言われました。2時間ほど待った後、ようやく診察に呼ばれました。

ピアスの摘出処置

大病院では若い医師が多く、英語も通じたため、比較的スムーズにやり取りができました。診察の結果、局所麻酔をした上で、耳たぶの裏側からピアスを引っ張り出す処置が行われることに。メスは使わず、切開なしで取り出すことができました。傷口が小さかったため、縫合の必要もなく、そのまま消毒とガーゼの処方のみで終了。「化膿や発熱がなければ、再診の必要はない」と言われ、無事に帰宅することができました。

フランスの医療制度について

今回、フランスで初めて医療機関を受診し、勉強になったことがいくつかありました。

医療水準の高さ
フランスの医療技術は高く、日本と同等の水準の治療を受けることができます。衛生状態も日本と変わらず、都市部だけでなく田舎でも適切な医療を受けることが可能です。

かかりつけ医制度
フランスでは救急を除き、まずはかかりつけ医（médecin traitant）を受診することが一般的です。かかりつけ医を通さずに受診すると、健康保険からの払い戻し率が低くなるため、高くつくこともあります。一般医（médecin généraliste）が診察し、必要な場合に専門医を紹介するシステムになっています。

医療費と健康保険の仕組み
フランスでは健康保険（Sécurité sociale）により、診察費の約7割がキャッシュバックされる仕組みになっています。いったん全額を自己負担で支払い、後から還付を受ける形です。3か月以上の滞在者は加入が義務付けられています。今回私が支払った医療費は以下の通りです。

1件目のクリニック：9€

2件目の大病院：19.61€

処方薬：4.93€

合計で約5000円ほどでした。

ピアスの埋没を防ぐために

今回の経験から、ピアスをつける際に気をつけるべきポイントを学びました。

• キャッチは締めすぎない
  ピアスのキャッチは、最初に「カチッ」と止まる位置で留めるのが正しい装着方法。締めすぎると、ヘッドが圧迫されて皮膚に埋もれる可能性があります。

• 小さなピアスは特に注意
  装飾部分が小さいピアスは、皮膚の内側に入り込みやすいため、特に注意が必要です。上の写真が実際に埋没したピアスです。
• 異変を感じたら早めに医療機関へ
  無理に自分で取り出そうとせず、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。自己処理を試みると、傷が広がり、感染症を引き起こすリスクがあります。

まとめ

ピアスを開けたばかりの方や、長くつけっぱなしにしている方は、私のような失敗を避けるために注意してください。特にキャッチを締めすぎないようにしましょう。もしピアスが埋没してしまった場合は、無理に取り出そうとせず、できるだけ早めに医療機関を受診することをおすすめします。

今回の出来事を通じて、フランスの医療制度についても学ぶことができました。最初は異国での治療に不安を感じていましたが、フランスにはしっかりとした医療システムがあり、安全に治療を受けることができました。これからフランスに旅行する方も、万が一怪我をして病院を受診することになった場合でも、安心して治療を受けてくださいね。