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トピック
2025.11.05
読めば、見れば、あの国への扉が開く!
世界を近くに感じる本と映画
一作の本や映画を通じて、遠かった世界が身近に。読書や映画を愛する人たちのおすすめ作品から、あの場所の知らなかった一面をのぞいてみよう。
世界の歴史情勢を知る
世界中で起こっているあらゆる問題や、積み重ねてきた歴史。"知らない"と"知ろうとする"では全然違う。その一歩をここから踏み出そう。

俳優/モデル
●おかもと なつみ ノンノモデル。俳優としても2024年連続テレビ小説『おむすび』など多数の話題作に出演。読書や映画、お笑いといったさまざまなカルチャーに親しむ。
Ryoko Paris Guide/著 KADOKAWA

フランス文化のなかにある大切な時間
フランス政府公認のパリガイド・Ryoko Paris Guideさんのエッセイで、人生を色鮮やかにしてくれる一冊。20歳くらいの頃、自分について悩んだ時期があり、好きなことを見つけようとフランスへひとり旅に出ました。 その後、この本と出会い、いつでもあの時の気持ちと向き合えるように、常に自分の近くに置いています。忙しない日々や正解を追い求める生活の中で、忘れがちな感覚を思い出させてくれる描写がたくさんあるんです。たとえば、フランス文化のなかで大切とされるのが休息時間。家族と食卓を囲んだり、カフェで一杯のコーヒーを丁寧に味わったり、そんな瞬間が人生をより豊かに、美しくすることをこの本から教わりました。頑張るノンノ読者の皆さんに読んでほしい、私にとって大切な本です。

©miyatachika
『ブックハウスカフェ』店長
●ちの ゆき 本の街、東京・神保町で1万冊以上の新刊絵本を取り扱う絵本専門店『ブックハウスカフェ』の店長。店内ではカフェや展示スペースも楽しむことができる。
エラ・フランシス・サンダース/著
前田まゆみ/訳 創元社

多文化理解の入り口となってくれる絵本
私自身、世界のいくつかの国に住み、複数の言語に向き合ってきました。母語である日本語に訳せない表現にもたくさん出会い、じれったくも爽快な経験だったのですが、それを一冊にまとめるセンスに脱帽! 特に日本語の"こもれび"についてのページでは、海の外では翻訳できない言葉への意識を愉快さとともに改めて感じさせられました。世界にはいろんな言語があり、人類史上姿を消した言語もあるでしょうし、これから新しく生まれるものもあるかもしれない。言語とは土地の自然や生活習慣、暮らしぶりなどの影響を多分に受けて、その時代により変化し続けるもの。つまり人たちの営みであり、文化そのもの。言葉に心を寄せることは、多文化理解の入り口かもしれないと思いました。

『Sister』代表
●ながお ゆみ 『Sister』は国内外から集めたヴィンテージや書籍、雑貨を取り扱うセレクトブティック。フェミニズムやジェンダー問題について自ら発信や企画も行う。
©2024 ANTIPODE FILMS. YABAYAY MEDIA
DVD発売中(発売:トランスフォーマー 販売:TCエンタテインメント)

パレスチナ・ガザへの侵攻の現状をまずは知ってほしい
2023年10月7日以降、状況が深刻化するイスラエルによるパレスチナ・ガザへの侵攻。本作はそんな最中に上映された、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区の状況を4年間にわたり追ったドキュメンタリー。パレスチナ人の青年バーセルのもとを訪ねてきたイスラエル人ジャーナリスト、ユヴァル。両者は対立関係にありながら、同い年であることと"この状況を変えたい"という思いから次第に絆を深めていきます。タイトルにあるように彼らの故郷はここにしかないにもかかわらず、強制的に住む家を奪われていくのが彼らの日常なのかと思うと言葉が出ません。この作品には、土地や宗教、政治を理由に人々が追い込まれる姿を目にしながら状況を変えられない悔しさと悲しさがある。でも、"知ること"で次なるアクションが生まれると信じて、まずは現状を受け止めてみてほしいです。

早稲田松竹
●すみもと なおこ ロードショーの終了した映画や過去の名作を厳選し二本立てで上映する、今では数少ない、東京・高田馬場にある名画座映画館・早稲田松竹のスタッフ。
各種プラットホームにて配信中
© PLACE TO BE, Yang Yonghi

食は互いのルーツや考えを共有できる大切な文化
K-POPや韓国映画が人気の今こそ学びたい、朝鮮半島の歴史を知るキッカケとなる作品。在日コリアン2世のヤンヨンヒ監督は自身の家族をテーマに映画を作っているのですが、本作ではオモニ(母)を通して韓国の済州島で起きた「済州4・3事件」や韓国と北朝鮮と日本の関わりについて知ることができます。また、個人と家族、親と子どもの関係についても考えさせられます。特に印象的なのは、鶏をまるごと煮込むオモニのスープを作るシーン。「思想や価値観が違っても一緒にごはんを食べよう、共に生きようという思いを込めた」という本作を見て、食事、また映画や音楽は、互いのルーツや考えを共有できる大切な文化なのだと改めて感じました。ぜひ皆さんにも見ていただきたい作品です!

芸人/作家
●にしき ふぁびあん ゆうかん お笑いコンビ・あわよくばのボケ担当。本と旅が好き。ピースの又吉直樹さんが本好き芸人を集めて作った"第一芸人文芸部"のメンバー。
モーシン・ハミッド/著 藤井光/訳 新潮社

戦火から逃れるなかで生まれていく絆
舞台は戦火に巻き込まれた中東を思わせる街。恋に落ちたサイードとナディアは"別の都市へとつながる不思議な扉"を使って故郷から脱出します。脱出先で困難が押し寄せるも二人で生き延びるという共通目的を持って乗り越えていくシーンが特にぐっときて、応援したくなりました。しかし「死」を常に意識していた状況から逃れたことで、二人の恋愛にも変化が訪れます。故郷を離れたからこそ故郷を求めて祈るサイードと、抑圧からの解放を喜ぶナディア。"世界のどこかの移民に、本当にこんなことが起きているんだろうな"と思わされるリアリティがありました。身近にいる人の境遇や考え方だけでなく、顔つきやファッションにもその人ならではの物語が凝縮されているはず。"想像すること"が相手を思いやることにつながるのだと気づける一冊です。

カメラマン
●はなもり ゆり さまざまな女性誌や広告などで活躍。本好きとしても知られる。女性の"ありのままの姿"を写したシリーズ「脱いでみた。」の第3弾となる写真集が発売中。
谷口たかひさ/著 サンマーク出版

間違いも正しさも、新たな視点を発見!
日本と海外の常識の違いが描かれていて、自分が当たり前だと思っていたことの間違い・正しさに気づける内容が多く、とても学びになりました。特に"混ぜるな危険 事実と価値観"という言葉が印象的。この言葉に出会ってから生活の中で"事実"ではなく、"価値観"を押しつけてしまっているなと気づく瞬間が増えています。本当はただ事実を伝えたいだけなのに、気づけば自分の価値観を上乗せして話してしまう。そんな時にこの言葉が私のストッパーとなり、立ち止まって考えるキッカケを与えてくれます。もしかしたら皆さんが今感じている"生きづらさ"は自分のせいじゃなくて、社会が作った価値観や文化に左右されているのかもしれない。そんな新しい視点をくれる一冊です。同時にそんな社会で生きているからこそ、自分が気づかないうちに誰かを傷つけてしまっていることにも目を向けさせてくれます。"世界はもっと広い!"ということを、シンプルに感じてみてください。

『かもめブックス』書店員
●みやざき まき じっくりと新しい本に出会える東京・神楽坂の書店『かもめブックス』の書店員。店内にはゆっくり本を読めるカフェと、ギャラリーも併設されている。
ハン・ガン/著 井手俊作/訳 クオン

いつか必ず読むべきだと思っていた一冊
韓国の光州で起きた民主化抗争の際に、戒厳軍による武力鎮圧の犠牲となった人々を描いている作品です。著者のハン・ガンは邦訳が出版されるたびに読んでいる作家の一人ですが、この作品は重い内容であるためなかなか手が出せていませんでした。ただ"いつか必ず読むべき一冊である"とは思っていたので、ノーベル文学賞の受賞を機に読みました。軍を構成するのも人なので、人が人に対して振るう暴力の果てしなさや、想像を絶する横暴を可能にする大義名分とは何なのかを考えずにはいられません。ノンノ読者世代は、物心ついた頃から韓国のポップカルチャーが身近にあると思います。キラキラした世界だけでなく、目を背けたくなるような、日韓の互いの歴史の暗部についてもぜひ知ろうとしてほしいです。そういった姿勢が、隣の国の人々とのこれからの友好な関係につながるのではないかと期待しています。

国立映画アーカイブ
●はまだ ひさたか 『国立映画アーカイブ』の特定研究員。館内では映画の上映・展示などが行われ、図書館も併設。ウェブサイトでは所蔵作品の一部を公開中。
画像提供:国立映画アーカイブ

1930年、黒部ダムが造られる前の光景
国内唯一の国立映画専門機関・国立映画アーカイブが所蔵する文化・記録映画を配信するウェブサイト『フィルムは記録する–国立映画アーカイブ歴史映像ポータル–』より『鹿島槍ヶ岳と下廊下』(1930年)をご紹介します。戦前に文部省(現在の文部科学省)で製作された教育映画の一本で、北アルプス(飛騨山脈)の北部、富山県と長野県にまたがる鹿島槍ヶ岳の東尾根のクライミングと、黒部川の下廊下(下ノ廊下)の探訪を記録したものです。日本アルプスの渓谷探検や山岳紀行文で知られた登山家とともに、黒部ダムが造られる前の黒部峡谷の自然の中に分け入ってゆく探検隊一行の活動を見ることができます。白黒かつサイレント映画としての詩的な美しさや、探検を共にするワンちゃんにも注目です。

芸人
●もりもと しんたろう お笑いトリオ・トンツカタンでツッコミを担当。テレビやラジオで活躍中。初の著書『ツッコミのお作法』(KADOKAWA)も大好評発売中。
DVD¥1257(税込み) 発売/販売元:ギャガ
© 2019 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER
DISTRIBUTION CO., LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

これからのために"今"見るべき映画
人の表面を見て差別することの愚かさ、そして内面と向き合うことの大切さが身に染みた作品です。黒人のピアニストであるシャーリーは、教養人と思われたい白人たちの前でピアノを演奏して喝采を浴びるも、それ以外の時は当たり前のように黒人差別を受けています。さらに同性愛者であることから、すべてのはざまにいるような感覚で孤独にさいなまれるシャーリー。彼は運転手を務めるトニーに「黒人でもなく白人でもなく男でもない私は何なんだ?」と問いかけます。普段は気高く振る舞っているシャーリーが言うからこそ、差別がこうも人の心を苦しめるんだということが学べました。ちっぽけな先入観で"大切な誰かになるはずだったかもしれない人"を失っているかもと思えるはず。だからこそ、これからの人生においてもっとも若い瞬間である"今"見てほしいです。

タレント
●ぺこ ’80〜’90年代のアメリカンカルチャーを取り入れたアパレルブランド「Tostalgic Clothing」のプロデューサーも務める。初のエッセイ『My Life』(祥伝社)が発売中。
デジタル配信中 発売元/販売元:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社
©2007 NEW LINE PRODUCTIONS,INC ALL
RIGHTS RESERVED.

キラキラの世界観にある見た目への差別
すごく可愛い世界観のミュージカルですが、メインで描かれているのは黒人差別について。若者たちが歌い踊る番組が白人と黒人で分けられていたり、学校にも黒人だけの部屋があったりと、考えさせられるシーンがたくさん。私は、令和の今も少なからず"見た目で判断する"ことが日常的に起きており、きっとこれから先の未来でもそれがすべてなくなることはないと考えていて。そんななかで、この作品は"体が大きい""ブロンドヘアである""黒人である"など、"見た目で判断する"ことの浅はかさを、いつ何度見ても思い出させてくれるんです。そして、自分のことが大好きで自信あふれる姿はこんなにも人をキラキラさせてくれるのかということも! いつの時代も、きっと異なる価値観や考え方の人はいるけれど、自分の魅力をきちんと理解して、進んでいく道を自らが信じることで、自分自身や愛する人たちを守れるんだと思います。

早稲田大学講師
●やまざき せりあ 早稲田大学文学学術院講師。研究分野は考古学、エジプト学。五十嵐大介教授との共著『一冊でわかるエジプト史』(河出書房新社)が発売中。
高宮いづみ/著 岩波新書

古代エジプトと現代のつながりに気づく
現代の発掘と古代エジプトの関係を知りたくて手に取った本です。そして、読み終えた時、発掘現場と歴史のつながりを知って感動し、エジプトをぐっと身近に感じられるように。著者が女性研究者として活躍する姿も、性別にかかわらず道を切り開けるのだと、進路で悩む高校生だった私に勇気を与えてくれたんです。"考古学における真の発見は、土の中から財宝が顔を出す瞬間ではなく、出土品を根気よく研究して初めて生まれる"という解説にはハッとさせられ、小さな土器片も古代エジプト人と私たちを結ぶ大切な手がかりになるのだと気づきました。エジプト好きな人は多いけれど、歴史がどうやって復元されているのかは意外と知られていません。この本では、研究者の目を通してエジプトでの発掘や暮らしに触れ、古代とのつながりも感じられます。歴史と現代の文化を楽しめる贅沢な一冊です。
2025年12月号掲載
※商品情報は本誌発売時点のものです。最新の内容をご確認ください。
Staff Credit
取材・原文/上村祐子 web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス

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