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20代女性におすすめの世界を旅したくなる本、映画/斉藤壮馬さん、ひとりっPさんら7人の著名人が推薦!

2025.11.09

読めば、見れば、あの国への扉が開く!

世界を近くに感じる本と映画

一作の本や映画を通じて、遠かった世界が身近に。読書や映画を愛する人たちのおすすめ作品から、あの場所の知らなかった一面をのぞいてみよう。

世界を旅したくなる

旅は人の心を豊かにしてくれる。再生ボタンを押すだけで、1ページめくるだけで、そこには新たな世界が広がっている。

大友花恋さん

俳優/モデル

大友花恋さん

●おおとも かれん 自身初の著書のフォト&ストーリー『ハナコイノベル。』(集英社オレンジ文庫)が発売中。

『針と糸』

小川糸/著 毎日新聞出版

『針と糸』小川糸/著 毎日新聞出版

身軽に、そしてフラットに切り取られた異国の日々

ドイツ・ベルリンで過ごしていた糸さんのエッセイ。糸さんのエッセイシリーズはどこかほのぼのしていて、でも世の中を冷静に切り取っていて、フラット。そして、おいしそうなごはんと可愛いペットの犬・ゆりねが登場し、癒やされます。もちろん、ベルリンのことも多く語られていて、ドイツの空気感を感じられると同時に、ラトビア、モンゴル、鎌倉について書かれた部分もあって、身軽な糸さんをまぶしく思います。今回、改めて読み返したところ、初めて手にした日から時がたち、考え方や感情の在りかが変わっている部分もあって、本をキッカケに時間の旅行をした気分にも。読むたびに多くのメッセージを受け取れるこの一冊を、ノンノ読者の皆さんにも長く愛してほしいです。

大友しゅうまさん

マンガ家

大友しゅうまさん

●おおとも しゅうま Instagram(@otomo_shuma)にて映画紹介マンガを更新。書籍『泣ける映画大全』(KADOKAWA)発売中。

『パディントン2』

Blu-ray + DVDセット:¥4950(税込み)
発売元:株式会社キノフィルムズ/木下グループ
販売元:ポニーキャニオン
©2017 STUDIOCANAL S.A.S All Rights Reserved.

『パディントン2』

カラフルなイギリスの街並みにワクワク

イギリス・ロンドンの名所をクマのパディントンと冒険できる「パディントン」シリーズ。特に2が超おすすめです! パディントンが居候するブラウン一家が暮らすノッティング・ヒル地区のカラフルな家が立ち並ぶ様子はとても可愛らしくて、実際に歩いてみたいと強く憧れを抱きました。パディントンが1分ごとくらいのペースで笑わせてくれるキュートなギャグに心を奪われます。誰に対しても優しく紳士的なパディントンの姿に、周りの人たちが心を開き、思いやりが広がっていく。家族や身近な人を大切にしようと思える作品です。パディントンに癒やされつつ、ロンドンの街並みも素敵で、見終わった時には旅への好奇心と元気がもらえているはず!

斉藤壮馬さん

声優

斉藤壮馬さん

●さいとう そうま 声優界きっての読書家。エッセイ『健康で文化的な最低限度の生活』(KADOKAWA)も発売。

『うちに食べにきませんか』

中村安希/著 双葉社

『うちに食べにきませんか』中村安希/著 双葉社

世界各地の料理をいつか食べに行きたい

僕は旅をすることがあまりない代わりに、旅にまつわる本を読むのが好きです。中村安希さんの『うちに食べにきませんか』は、著者が世界各地を巡っていき、そこで出会った人々と食卓を共にして感じたことをつづったエッセイ。単行本の時の『もてなしとごちそう』というタイトルを書店で見かけ、直感的に惹かれて手に取りました。特に好きなのは「3 マトケ」と「11 ゴヴェヤユハ」。その土地ごとに、気候も違えば文化も常識も違う——そんな当たり前のことに、食と人を通して改めて気づかせてくれる本でした。読めばとってもお腹がすくこと間違いなし。いつかこの本に載っている料理を、実際に現地へ行って食べてみたいものです。皆さんはどの料理が気になりましたか?

詩織さん

YouTuber

詩織さん

●しおり YouTube『しおりのなんとなく日常』では、海外ひとり旅の様子なども投稿。初のエッセイ『それなら、それで』(KADOKAWA)が発売中。

『場所はいつも旅先だった』

©Mercury Inspired Films LLP

『場所はいつも旅先だった』

自分たちの日常すらもいとおしくなる旅映画

ひとり旅のドキュメンタリー映画。自分が旅をしている目線で、さまざまな国の人の日々がツギハギとなって映像化されています。異国の地の日常というのは、現地の人たちにとっては当たり前であるものの、こちら側からすると常に光るものが潜んで見えることになんだか安堵しました。きっと自分たちの日常も、いつもの光景も、唯一無二で尊いということを思い出させてくれる感覚。"普段なら見落とす景色も、旅だからこそ気がつける"という旅の素晴らしさも再確認できます。どちらかといえば詩的要素が強く淡々と続くので、ながら見をしつつ、ふとした時の映像や言葉をなんとなく浴びるのもよし、いつの間にか寝てしまってもいい気がします。なんでか心が温まって日々を肯定してもらえる不思議な映画です。

チヤキさん

イラストレーター

チヤキさん

●ちやき 2025年4月号までノンノでシネマコラム連載を担当するなど映画好き。ぬり絵の本『チヤキのファッションぬり絵』(マール社)が発売中。

『アメリ』

©︎ 2001-UGC IMAGES-TAPIOCA FILMS-FRANCE 3 CINEMA-
MMC INDEPENDENT

『アメリ』

主人公の行動力とセンスに惹かれる

パリが舞台で、街並みが本当にキレイに撮られている作品。休日の昼間になんとなくテレビをつけていたら偶然流れていて、途中からだったにもかかわらず引き込まれてしまい、最後まで夢中で見ました。主人公のアメリは人との関わりが苦手なのに、他人が幸せになることを望み、行動に移していきます。自分が完全に満たされている状態でもないのに人のために動けるなんて、とすごく感激したのを覚えています。そこからいかなる状況でも卑屈にならず人の幸せも喜べる人間になりたいと思いました。内容もさることながら、ファッションもノンノ読者の方には絶対に刺さる! 洗練されたロールモデルがいると生きることに彩りが生まれるので、私と同じように、アメリが誰かの憧れになるといいなと思います。

ひとりっPさん

女子ひとり旅指南本
「ひとりっぷ®」シリーズ著者

ひとりっPさん

●ひとりっぴー 女子ひとり旅=ひとりっぷ®と名づけて応援中! 海外ひとり旅回数は400回以上。「ひとりっぷ®」シリーズ(集英社)最新7巻まで発売中!

『リメンバー・ミー』

ディズニープラスで配信中
©2025 Disney/Pixar

『リメンバー・ミー』

メキシコのカルチャーが凝縮!

亡くなった大切な人を思い出すメキシコの"死者の日"をテーマに作られたアニメーション作品。これまで2度、"死者の日"にメキシコを訪れたことがありますが、この作品を見た時に、描かれているメキシコの光景にうそがないことに感激しました。死者たちが暮らす"死者の国"の描写は創作ですが、作中に出てくるたくさんのマリーゴールドで飾ったカラフルなお墓、"オフレンダ"といわれるクリエイティビティあふれる祭壇、ファミリーを大切に思う人々の気持ちは、リアルなメキシコそのもの! カルチャーが凝縮されていて、"死者の日"前後にはTVで放送されたりするほど現地でも愛されている作品なんです。『リメンバー・ミー』を見て、ぜひ"死者の日"に、メキシコへ遊びに行ってみてください。映像のままの可愛い世界が広がっていて、とっても楽しめるはずです!

前田康匡さん

『旅と暮らしの本屋 アンダンテ』店長

前田康匡さん

●まえだ やすまさ 店長を務める東京・千石にある書店では、旅や暮らしについての書籍をメインで取り扱う。

『ヨルダンの本屋に住んでみた』

フウ/著 産業編集センター

『ヨルダンの本屋に住んでみた』フウ/著 産業編集センター

言葉も場所も知らないけれど、まず行動!

著者のフウさんは、ネットで見てひと目惚れしたヨルダンにある本屋に「働かせてください!」と長文のメールを送ります。アラビア語はおろか、ヨルダンの場所すら知らなかったのに! これがすべての始まりになります。フウさんのパワフルさと勢いに圧倒されました。とにかく"まずは一歩踏み出す"ことが大事だということを実感。文章も、勢いとユーモアにあふれていてグイグイ引き込まれます。本屋の店長がスタッフに日々、「ハビービー」と話しかける描写があるのですが、これはアラビア語で"大好きな人"という意味らしいです。こんな素敵な言葉を日常的に使うヨルダンにいつか行ってみたいと思いました。読み終わった後は、自分の中に眠っている何かしらのスイッチが入ること間違いなしの一冊です。

2025年12月号掲載

※商品情報は本誌発売時点のものです。最新の内容をご確認ください。

Staff Credit

取材・原文/上村祐子 web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス

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