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イケメン
2023.03.16更新日:2023.03.24
やさしさだけじゃない、おちゃめで凛々しい23歳のすべて
鈴 鹿 央 士
すずかのすがお。
話題作に次々と出演。今一番気になる男の子、鈴鹿央士くんってどんな人? ふんわりと柔らかい雰囲気に包まれた、23歳の素顔に迫ってみた。
ニット¥29700(NKNIT)・パンツ¥37400(KIMMY)/Sakas PR メガネ¥58300/グローブスペックス(アーレム) トップス/スタイリスト私物
鈴鹿くんの製造元
僕は岡山県にあるのどかな町で育ちました。住宅地の裏は田んぼで、その間を線路が走っていてちょっと歩けば山や川があるようなその田舎町にある公園で、子どもの頃はよくポケモンゲームで遊んでいました。当時の僕はどんな子だったかというとにぎやかな友達に囲まれている、程よくにぎやかな男の子。地元の友達と話す時は今も岡山弁になります。ただ、たまに標準語が交ざることもあって。「標準語になっとるが」と突っ込まれた時には「東京に住んどるけえ」って返しています(笑)。僕を育ててくれた場所といえば、やっぱり鈴鹿家ですよね。我が家は父と母と兄と僕の4人家族。僕の顔は母にとてもよく似ていて、車関係の仕事をしている父の影響で僕も車好きに。3歳年上の兄はすごく優しい人でよく連絡をとるというわけではないんですけど絶妙な距離感でそばにいてくれる人。あ、でも、これは家族全員そうかもしれない。過保護でもないし、つき放すわけでもなく全員が程よい距離で見守りあっているんです。
優しさの源
兄と同じように僕も優しく育っているならそれはきっと、両親の優しさに触れて育ったからなんだと思う。たとえば、「いってらっしゃい」の後に「気をつけてね」という一言がついてきたり。それは日常生活の中にあるささいな優しさなんですけど。そんな小さな優しさの積み重ねで僕たち兄弟は作られたような気がします。
マイペース
昔から、テストも宿題もいつもギリギリ。ボーッとしているうちに時間が過ぎていくのは今も変わらなくて。周りからはよく「マイペースだね」「ゆっくりだね」と言われます。自分からすると、それがよく分からなくて。「みんなの時間の進み方が早いんじゃないの」と思ってしまうんですけどね(笑)。そんな僕ですが、台本を読むのだけは早め。セリフを覚えるだけでなく、作品や役柄について考えたいから。で、台本を読んでいる途中にフーッと休憩タイムに入り、そこで後回しにしてしまっていたアンケートを思い出し、「やばい、やらなきゃ」と焦って書いている途中に「あ、あのシーンどうだったっけ」と急に気になりまた台本を読み始め、フーッと休憩になったらまた「あ、やばい」とアンケートを思い出して、またすぐに「あのシーンが気になる」と台本に戻ってしまう……。そんなことを繰り返しているうちに何時間もたっていたりするから時間って、本当に不思議ですよねぇ。
鈴鹿くんは◯◯でできている
今、この○○に入る言葉は「海鮮」ですね。僕はお魚が好きでよく食べるんです。スーパーでも刺し身の盛り合わせなどを日々チェック。主に、店内のあの寒いゾーンによくいます。頑張ったご褒美に食べるのもまた海鮮系で、この間も、思いきって出前で高級な海鮮丼を注文。タイのお刺し身のオプションまでつけちゃって、ワクワクしながら待っていたんですけど。届いたら、ほんのちょっとしか海鮮がのっていなくて。「写真と違う、これは違う!」と……。怒りたい気持ちもありましたがこんな海鮮丼を作ってしまうほどの特別な事情がお店側にもあったかもしれないと、自分に言い聞かせ、海鮮風味のしょう油ごはんを最後までおいしくいただきました。
僕を幸せにしてくれるもの
僕を幸せにしてくれるもの、といえばおいしいコーヒーと、気分が上がる音楽。今日は朝から浜田雅功さんと槇原敬之さんの『チキンライス』を聴いてテンションが上がりました。この曲、なんか元気が出るので好きなんです。お気に入りの洋服も自分のテンションを上げてくれます。最近のイチ押しは「seya.」のパンツ。シルエットが本当に素敵で、はくたびに「おお~」っと幸せな気分になるんですよ。
鈴鹿くんの「赤ちゃん」度
童顔だからか「可愛い」という声をかけてもらうことが多いのですが、「可愛い」でも「かっこいい」でも、褒め言葉はなんでもうれしいです。ドラマ『silent』で共演した目黒蓮さんから“ベイビー”というあだ名をつけていただいたのですが、それもまたうれしくて。ただ、実際に「鈴鹿くんの赤ちゃん度は?」と聞かれたら「ゼロです(低い大人っぽい声で)」と答えますけどね(笑)。
隅っこ男子
僕、とにかく“隅っこ”が好きで。お風呂もよく膝を抱えて入るんですよ。長方形の湯船の頭側のほうに、横向きになって。家には二人掛けのソファがあるんですけど、そこでもやっぱり端っこに座ってしまうし、基本的に部屋の全体が見渡せるような隅っこの“角”が好き。そこにスポッと体がはまると、不思議と心が落ち着くんです(笑)。
シャツ(パープル)¥26400・シャツ(ピンク)¥26400/HEMT PR(キクス ドキュメント.) パンツ¥39600/アントレース
恋愛偏差値は45点
基本的に恋愛は奥手です。奥手というか、時間をかけて、相手を知って、自分の気持ちを確認して……そうしている間に時間がどんどん過ぎてしまうんです。恋愛もまたマイペースなのか「急ぐ」という感覚がなくて。特に仕事が楽しい今は「一人で静かに暮らすのもいいな」って。ただ、俳優の先輩たちからは「恋愛はしたほうがいいぞ」とよく言われる。先輩いわく、一人に慣れてしまうのはあまりよくないとか。恋をしても、していなくても悩まされるから、恋愛って難しいですよね。
恋に落ちる瞬間
これはもう、感覚なのですが、僕にとって”音楽”はとても大切なものなので音楽の趣味が合うと「おお~」っと気になるかもしれない。オアシス、ハナレグミ、プリンス、工藤祐次郎、ジョン・メイヤー、サム・クック、レイ・チャールズ……隣にいる女の子のイヤホンから、僕の好きなアーティストの音楽が流れてきたらその時点で、心が少し動いてしまう気がします。
役者のオシゴト
僕、子どもの頃はなりたいものが特になかったんです。スカウトされた時に「やってみよう」と思えたのもきっと夢や目標がなかったから。「お、将来の夢ができた」「やることができた」そんな感覚で、岡山から東京へと出てきたんですよ。最初の頃は、何もかもすべてが分からないことだらけで。初めてオーディションを受けた時は部屋の入り方も分からず、一緒に受ける仲間を見ては「イケメンやなぁ」と、ただただ「東京ってすごいな」と思うばかりでしたからね。「自分に何ができるか」なんてちっとも分からなかった。そんな僕の芝居に対する”本気スイッチ”が入ったのは、初めての映画『蜜蜂と遠雷』に出演した時でした。現場にはたくさんの大人たちが働いていたのですが、全員が作品に対する愛をちゃんと持ち「いい作品にしよう」という思いで動いている。その光景が本当に素敵で。「僕もあの一員になりたい」と心から思った……。今、僕が芝居を続けているのも、その思いの延長線上にいるからなんです。作品が終われば離れ離れになり、また新しい作品で新しい仲間と出会う。この世界は短い期間で出会いと別れを繰り返す。だからこそ、再会がものすごくうれしくて。『君に届け』で共演した南沙良さんも、ドラマ『ドラゴン桜』以来の再会でした。「あの人と」「あの現場の空気を」「もう一度」僕はそんな気持ちで今もここに立ち続けているんだと思います。
等身大で自然体
実は僕、すごく”緊張しい”なんです。以前は人前に立つだけですごく緊張してしまって。そんな僕に役者の先輩が言ってくれたのが「そのまんまでいいんだよ」という言葉でした。たとえば、授賞式のあいさつもカッコつけなくていい。緊張しているなら、緊張していると言えばいいし感謝の気持ちが思い浮かんだら、それを言葉にすればいい。そこで思ったことをそのまんま言えばいいんだよと。先輩が届けてくれた「そのまんまでいい」という言葉に僕はとても救われた気がします。二十歳になったばかりの頃、レコードバーみたいなお店に行ってカウンターで一人、お酒を飲んだことがあるんです。「これが大人の世界かぁ」と浸りながらね。僕にもカッコつけたい時や背伸びしたい時はあるけど、結果、それはやっぱり自分らしくないと思う。自分は自分でしかないし、誰かになることもできなければ段飛ばしで成長することだってできない。だからこそ、僕はいつも「そのまんま」でいようと思うんです。
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Information
Netflixドラマ『君に届け』
©テレビ東京
『別冊マーガレット』で連載されていた大人気少女漫画を新たに実写ドラマ化。鈴鹿さんはクラスの人気者・風早翔太役を演じる。「思いを寄せ合う二人の青春の日々を丁寧に映した、とてもよい作品になっていると思います。見て、自分の高校時代を思い出したり、今過ごしている方はこれからを楽しんでもらえれば、うれしいです」(鈴鹿さん)。●3月よりNetflixにて配信開始。
Profile
●すずか おうじ 2000年1月11日生まれ、岡山県出身。2019年映画『蜜蜂と遠雷』で俳優デビュー。『MEN’S NON-NO』専属モデルとしても活躍している。2022年にはドラマ『silent』で戸川湊斗役を好演。優しく、切ない演技が大きな話題に。
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