――映画『リング』をはじめ数多くの作品を世に送り出してきた中田秀夫監督の最新作『禁じられた遊び』で、ホラー映画に初挑戦した重岡さん。
「ホラー作品をあまり見てこなかった僕でも中田監督のことは知っていたし、子どもの頃に見た『リング』の印象は今も強烈に残ってます。当時は二段ベッドの上で姉ちゃん、下で僕が寝ていて、映画を見た日は夢の中に貞子が出てきたんですよ。恐怖で起きた瞬間、上のベッドから垂れ下がっている掛け布団の端が貞子に見えて、心臓が一瞬止まりました(笑)」
――初めてのホラー映画の撮影では、学ぶことがたくさんあったそう。
「監督からは”ホラー映画は後から音の演出を入れるから、芝居は大げさなくらいがいい“って言われたんです。だから、驚く時も怖がる時も、目の前で起きる出来事に対して疑うことなく感情を素直に出すことを心がけるように。ノーツッコミ力が大事なんやなって思いました」
――そんななかで特に苦労したのが、何度も登場する絶叫シーン。
「撮影期間にちょうどドームライブをやっていたんですけど、ライブの時よりも叫んでいたかもしれない(笑)。でも、大声で何かを言うことってそんなにしょっちゅうないから、楽しかったです。おかげで喉もメンタルも鍛えられました!」
――映画で演じているのは、一人息子を持つ父親。撮影現場でできた思い出の中には、息子・春翔を演じる正垣湊都くんとのほほえましいエピソードも。
「ヒマそうにしているとかわいそうやから、空き時間にいろんなしりとりをしましたよ。果物しばりとか乗り物しばりとか、ルールを作って。でも、何回やっても、そりゃこっちが勝つじゃないですか。僕はその時29歳で、春翔は10歳やもん。……っていう話を現場でしていたら、春翔に“だてに僕の3倍生きてないわ~、すごいわ~“ってイジられて、“うるさいわ!“ってなりました(笑)」