SixTONES 松村北斗『秒速5センチメートル』公開で30歳の節目に語る原点「心はいつでも中学時代に戻ることができる」

non-no11月号掲載特集の一部を特別公開！続きは本誌で

問いかけに対し、自分の考えにもっともふさわしい言葉をじっくり選ぶ。そうして導き出された回答はどれも、こちらの想像をはるかに超えて＂松村北斗＂だった。愛すべき＂過剰＂な面をいくつも併せ持ち、唯一無二の感性で見る者の心を惹きつける男の世界へ、ようこそ。

ジャケット￥96800／エム（ウジョー）　スウェット￥28600・パーカ￥42900・アームウォーマー￥6600・バッグにつけたキーホルダー￥8580／ジエダ　パンツ￥74800／エンケル（ダブレット）　イヤカフ（上）￥16500・イヤカフ（下）￥17600／KNOWHOW jewelry（ノウハウ）　リング￥81400／トムウッド 青山店（トムウッド）　バッグ￥13200／1LDK（ユニバーサル プロダクツ）　靴￥41800／ティースクエア プレスルーム（デイト）

芸達者すぎる

心はいつでも、仕事を始めた中学時代に戻ることができる

アニメーション映画『秒速5センチメートル』と出会ったのは、大学時代に映画をたくさん見ていた時期だったと思います。当時の僕はもの寂しさがある作品が好きで、とにかく好みに刺さったんですよね。かつ、そういう静かに心を揺さぶる作品が約1時間という比較的短い尺に凝縮されていることも、ものすごい芸術だなって。実写映画への出演が決まったのを機に改めて見返した時は、ロマンティックさと寂しさ、ある種のわびしさみたいなものがよりリアルに感じ取れて、どういうムードのなかで自分が役を作っていくべきかが少しつかめたような気がしました。

原作者の新海（誠）さんが『秒速5センチメートル』を世に送り出したのは、33歳の時。作品について「当時の自分じゃないと、いい意味でも悪い意味でも作れなかった」とよくおっしゃっていて、今の僕や監督の奥山（由之）さんがその年齢に近いということが、実写化をするにあたってすごく重要だったのかなと思います。同じ時代に同じ場所に立っている奥山さんには、お芝居の面で鮮やかにリードしていただいたなと感じるところがたくさんありました。

実写版では、僕が演じた主人公・遠野貴樹の幼少期から30歳までの18年間が描かれます。僕自身は今年6月に30歳という節目を迎えたのですが、ひとりひとり人生のスピードは違って、一生同じ速度で進むわけでもないということが分かってきました。貴樹でいうと、そのスピードは遅いか、はたまた止まったまま。僕自身もどこかで止まっている感覚は強くて、それは中学生の時からこの仕事を続けているからだと思います。たとえば過去に自分が出演した作品を何度繰り返し見ても、冒頭15秒でもう取り返すことができないような失敗について考え始めてしまい、内容がまったく頭に入ってこない……なんてこともよくあったりして。どれだけ大人になろうとも、ふとした時に僕のキャリアのスタート地点である中学生時代に心が戻されてしまうんですよね。

Profile

●まつむら　ほくと　1995年6月18日生まれ、静岡県出身。6人組グループ・SixTONESのメンバーとして2020年にデビュー。俳優としても活躍の場を広げ、映画『夜明けのすべて』や『ファーストキス 1ST KISS』をはじめ、多くの話題作に出演。SixTONESの16thシングル『Stargaze』が発売中。

かるたのように楽しめる厚紙ピンナップ付き！
＼ ノンノ11月号をCheck／

2025年11月号掲載