インタビュー

【馬場ふみかノンノ卒業ラストインタビュー】「ノンノの仕事は全部やるって決めてた、今後も求められたことに全力で向き合いたい」

2023.05.24

自分だけの魅力を磨いて輝きを増してきた、8年3か月。

馬場ふみか
non-noモデルを卒業します

目の前のことにまっすぐ向き合うことで、自分だけの道を切り開いてきた唯一無二のnon-noモデル、馬場ふみか。たくさんの輝きに感謝を込めて。

LAST INTERVIEW

馬場ふみかノンノ卒業モデルカット6-1

ジャケット¥233200・パンツ¥147400・ピアス¥59400/ザ・ウォール ショールーム(HARUNOBUMURATA)

頑張ったら、その分必ず結果はついてくる

 ノンノモデルとしての最後の撮影も、いつもどおり楽しかった! 珍しく昼過ぎっていう遅い時間にスタートだったんだけど、スタッフさんたちと「逆に眠いね~」なんて話しながら(笑)。だからなのか、卒業したんだっていう実感は、正直まだ全然わかなくて……。来月になって、今まで毎月必ずあった撮影とか編集部から送られてくるアンケートがなくなったら、一気にさみしく感じるのかな。おととし卒業したゆんぴょ(新木優子)からは「アンケートがなくなると、生活がかなり変わるよ!」って言われたから、それはちょっと楽しみにしてるんだけど(笑)。

 最初に「私はいつノンノモデルを卒業するのかな?」ってぼんやり考えたのは、たぶん3~4年前。ただ、絶対にこのタイミングで卒業したいとか、その後他の雑誌に出たいっていう気持ちがあったわけじゃなかったんだよね。だから、ノンノと自分にとっていい時期に卒業できたらいいかな、と思ってたし、編集部にもマネージャーさんを通してそう伝えてあったんだ。

 中学生の頃からファッション誌が大好きで、あらゆる雑誌を端から端まで読むタイプだった。そんな自分が誌面に載る側になれるって決まった時は、本当にうれしかった。ノンノのモデルさんたちは俳優やタレントとしても活躍してるイメージがあって、事務所の先輩の岸本セシルちゃんと同じ雑誌の専属モデルになれた喜びも大きかったな。とはいえ、私が入った時点で先輩モデルの皆さんはティーン誌で経験を積んできた方が半分以上で「こんなそうそうたるメンバーの中にいていいのかな?」って戸惑ったのも事実。当時は家で表情やポージングの練習をしてたし、撮影で一緒になることが多かった鈴木友菜ちゃんのポージングを見て勉強もした。私はよく太ったりやせたりして一定の体形をキープできなかったから、最初の頃は編集長から「それじゃ服を着せられないよ」って怒られたこともある。もちろん落ち込んだけど、努力しないと結局その分自分のページが少なくなるだけ。だったらやるしかないと思って、体形管理も頑張るようになったんだ。

ノンノモデルのお仕事は全部やるって決めてた

 私は、ノンノモデルになっていきなり名前立てのテーマをもらえたわけでも、ましてや表紙を飾れたわけでもない。それでもここまで来ることができたのは、謙遜でもなんでもなく、運とタイミングのおかげだと思ってる。俳優のお仕事を頑張った結果、知名度が上がる機会に恵まれて、それがノンノでの評価につながったのもあると思う。私自身、ノンノのテイストに寄せようみたいな気持ちはあまりないほうで、誌面では求められる姿を見せるために全力を尽くしたいと思っていたけど、自分の「好き」を変える必要はないっていう考え方だったから、もしもそういう「自分は自分」みたいなところが逆に読者の方に受け入れてもらえたんだとしたら……やっぱり運がよかったんじゃないかな。

 自分自身を変えることはなかったけど、ノンノモデルとしている以上、そこでいただいたオファーはすべて引き受けるっていうことは決めてた。水着とかランジェリーの企画は、常にそういう姿勢で臨んできたからこそ見つけられた自分の武器だったのかなって思うんだ。挑戦してみないと、何も始まらない。そんなふうに考えるようになったのは、グラビアを始めたことがきっかけだった気がする。今の事務所に入って半年間くらいはグラビアのお仕事に対して前向きな気持ちになれない自分がいたんだけど、このままじゃ状況は何も変わらないと思って、ある時マネージャーさんに「やります」って言ったの。そしたら、ちょうど同じタイミングでノンノモデルと『仮面ライダードライブ』への出演が決まったんだよね。それ以来、とりあえず一歩前に踏み出してみたら変わることってあるんだって思うようになったんだ。

不安が自信に変わったカバーモデルの経験

 ノンノモデルとしての転機はいくつもあったけど、その一つをあげるとしたら、初めて私服を取り上げてもらった「ふみカジュアル」の企画。自分が普段着てる服がノンノとかけ離れてることは分かってたから、そこにフォーカスを当ててもらえるのはうれしかった半面、「大丈夫そう……?」っていう不安もあった。でも、今あらためてそのページを見てみても、我ながら可愛いなって思うんだよね。白T×ロングスカートとか透けトップス×デニムのコーデはいまだにするし、コンバースのスニーカーも重めのブーツもはいてるから、自分の好みの変わってなさにはビックリするけど(笑)。

 カバーモデルの仲間入りを果たせたことも、もちろんすごく大きかった。ノンノにいていいんだって認められた気がして、さっきの「大丈夫そう……?」が「あ、大丈夫そう!」に変わったんだ。一番最初の表紙撮影は緊張したけど、ゆんぴょと二人だったから安心感もあったよ。あの頃はドラマ(『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』)でもノンノの撮影でも、1年半くらいほぼ毎日一緒にいたんだよね。ノンノの撮影がどんどん楽しくなっていったのも、同じ頃。何度もお会いするスタッフさんが多くなるにつれて、どの現場でも誰かしら知ってる人がいて、「何かしゃべったほうがいいかな?」っていうよけいな心配をしなくてよくなっていった。関係のない雑談をしたり、誰もしゃべってない時間があったりすることも増えて、いい意味で、コミュニケーションってもっと適当でいいんだって思えるようになったというか……。私自身、友達と呼べる存在は決して多いほうではないんだけど、ノンノにいたこの8年3か月の間に、かなり社交的な性格にはなったと思う。

 連載「ふみかける」を持つことができたのも、忘れられない出来事。全部で48回。ノンノモデルになってから半分の期間は連載をやってたって考えると、けっこう衝撃的! どの回も、本当に楽しかったな。毎月いろんなクリエイターの方とコラボレーションする形がいいねっていうのは、担当編集さんと話してるなかですぐに決まった。とはいえ最初はどこまでできるのかが全然分からなかったから、手探り状態で始まったんだよね。ノンノモデルを卒業する号が決まってからは、そこから逆算して特にコラボレーションしたい方を選ばせてもらったから、後半はかなり飛ばしぎみだったけど(笑)。でも、新しいクリエイターさんはこれからもどんどん出てくるし、連載に関してはまだまだやりたかったっていうのが正直な気持ち。一生続けられる自信がある!

 振り返ってみると、ノンノモデルとしての経験が俳優業に生かされてきたこと、逆にお芝居で得た経験がノンノの現場で生かされたこと、どちらもたくさんあったと思う。俳優のお仕事をしていても、作品のビジュアル撮影とかプロモーションの一環で取材を受けるとか、写真を撮っていただくタイミングっていろいろあるんだよね。そういう場でもノンノでの経験があったから何の苦労もなく対応できたし、役のヘアメイクとか衣装の細かい部分からキャラクターのヒントを得ることが多いのは、モデルをやってきたことが大きく影響してるんじゃないかな。

変わらず好きな服を着て私らしく進んでいきたい

 そして、卒業後のことも少しお話しさせてもらうと……専属モデルとしてお仕事をするのは、ノンノが最後。これはずっと決めてた。でも、私はファッションも雑誌の撮影も大好きだから、もし素敵な企画のお声がかかった際にはもちろん誌面に出させていただかないわけがないっていう気持ち(笑)。だからこれから応援してくれてるみんなにはお芝居をしてる姿を見てもらう機会が多くなるのかな。でも、俳優のお仕事において、たとえば「ゴールデンタイムのドラマで主演をやりたい!」とか「大河ドラマに出たい!」みたいな目標はなくて。そのうちこういう役がやりたいって思う時が来るのかもしれないけど、今のところは求められたことに一つ一つ全力で向き合いたい。それは、ノンノモデルとしていた時のスタンスと同じ。ここ1年くらいでいただける役が変わってきたことは感じていて、これまでは大学生が多かったけど、今年は結婚してる主婦にも挑戦した。年齢を重ねることで演じる役のライフステージも変わっていくおもしろさを実感してるところだから、これからどんな役に出会えるのか楽しみなんだ。

 最後に、8年と3か月、本当にありがとうございました! ノンノで私のことを知ってくれた方がインスタに「ふみちゃんが誌面で着てたのと同じ服を買いました!」ってメッセージをくれたり、同じネイルサロンや美容院に通ってくれたりすることがすごくうれしかった。しかも、美容師さんから「ふみちゃんと同じ髪形にしてほしい」って店に来る子はみんなおしゃれだって聞いたことがあって、それもうれしい♡ 今は「私は骨格ウェーブだから似合わないかも」「パーソナルカラー的にこういうメイクは無理」って自分で選択肢を狭めがちな時代。でも、私はそういうことは関係なく、人の目も気にせず、自分が可愛いとかときめくとか、着心地がいいって感じる気持ちを楽しんでほしいなと思ってるんだ。私自身も、ノンノの撮影で私服では持ってないような衣装を着て、こういうのもアリかもって発見できる瞬間が楽しかったから。これからも可愛い後輩モデルたちが活躍してるノンノを読んでもらって、好きな服を着て好きなメイクして、一緒に楽しく大人になっていこうね!

馬場ふみかノンノ卒業手書きメッセージ6-2

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