不安が自信に変わったカバーモデルの経験
ノンノモデルとしての転機はいくつもあったけど、その一つをあげるとしたら、初めて私服を取り上げてもらった「ふみカジュアル」の企画。自分が普段着てる服がノンノとかけ離れてることは分かってたから、そこにフォーカスを当ててもらえるのはうれしかった半面、「大丈夫そう……?」っていう不安もあった。でも、今あらためてそのページを見てみても、我ながら可愛いなって思うんだよね。白T×ロングスカートとか透けトップス×デニムのコーデはいまだにするし、コンバースのスニーカーも重めのブーツもはいてるから、自分の好みの変わってなさにはビックリするけど(笑)。
カバーモデルの仲間入りを果たせたことも、もちろんすごく大きかった。ノンノにいていいんだって認められた気がして、さっきの「大丈夫そう……?」が「あ、大丈夫そう!」に変わったんだ。一番最初の表紙撮影は緊張したけど、ゆんぴょと二人だったから安心感もあったよ。あの頃はドラマ(『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』)でもノンノの撮影でも、1年半くらいほぼ毎日一緒にいたんだよね。ノンノの撮影がどんどん楽しくなっていったのも、同じ頃。何度もお会いするスタッフさんが多くなるにつれて、どの現場でも誰かしら知ってる人がいて、「何かしゃべったほうがいいかな?」っていうよけいな心配をしなくてよくなっていった。関係のない雑談をしたり、誰もしゃべってない時間があったりすることも増えて、いい意味で、コミュニケーションってもっと適当でいいんだって思えるようになったというか……。私自身、友達と呼べる存在は決して多いほうではないんだけど、ノンノにいたこの8年3か月の間に、かなり社交的な性格にはなったと思う。
連載「ふみかける」を持つことができたのも、忘れられない出来事。全部で48回。ノンノモデルになってから半分の期間は連載をやってたって考えると、けっこう衝撃的! どの回も、本当に楽しかったな。毎月いろんなクリエイターの方とコラボレーションする形がいいねっていうのは、担当編集さんと話してるなかですぐに決まった。とはいえ最初はどこまでできるのかが全然分からなかったから、手探り状態で始まったんだよね。ノンノモデルを卒業する号が決まってからは、そこから逆算して特にコラボレーションしたい方を選ばせてもらったから、後半はかなり飛ばしぎみだったけど(笑)。でも、新しいクリエイターさんはこれからもどんどん出てくるし、連載に関してはまだまだやりたかったっていうのが正直な気持ち。一生続けられる自信がある!
振り返ってみると、ノンノモデルとしての経験が俳優業に生かされてきたこと、逆にお芝居で得た経験がノンノの現場で生かされたこと、どちらもたくさんあったと思う。俳優のお仕事をしていても、作品のビジュアル撮影とかプロモーションの一環で取材を受けるとか、写真を撮っていただくタイミングっていろいろあるんだよね。そういう場でもノンノでの経験があったから何の苦労もなく対応できたし、役のヘアメイクとか衣装の細かい部分からキャラクターのヒントを得ることが多いのは、モデルをやってきたことが大きく影響してるんじゃないかな。