インタビュー

藤田ニコルと香音の「自己肯定感を上げる方法」は? 自分らしくハッピーに過ごす秘訣【にこのん姉妹トークvol.3】

2025.07.15

香音を抱きしめる藤田ニコル

『nicola(ニコラ)』、『Popteen(ポップティーン)』と同じ雑誌の専属モデルとして活躍してきた、藤田ニコルさんとノンノ専属モデルの香音。スペシャル対談企画vol.3はマインド編。現在に至るまでさまざまな経験をしてきた二人だからこその、自己肯定感の上げ方や人間関係で大切にしていることとは?

藤田ニコル&香音
マインドを元気に保つ方法

手をつなぎ寄り添う藤田ニコルと香音

「自己解決する“強さ”も大事だけど、
周りに耳を傾ける“柔らかさ”も身につけたい」(香音)

――ハッピーオーラを身にまとっている二人ですが、落ち込んだり悩んだりすることはありますか? そんな時はどのように心を立て直していますか?

ニコル もちろんありますけど、基本的に自己解決型ですね。

香音 私も同じく、完全に自己解決派です。

――どのように自分で解決しているのでしょうか。

香音 私はニコルさんをはじめ、自分の周りにいるお姉ちゃんたちに言います。

ニコル ……あれ? 自己解決じゃなくない(笑)?

香音 違うの、基本は自己解決なんです! 自分で答えを出したうえで、第三者からはどう見えるのか気になることもあるじゃないですか。今まではどんなことも一人で解決してきて、悲しくなることも、落ち込むことも、あまりなかったんですけど。もしかしたら、自分本位な答えを出しているんじゃないか?って。そんな不安がある時は周りに相談します。

ニコル 強いねぇ。

香音 でも、最近は他の人の意見も自分の中に入れたほうがいいのかもって思うようになってきて。そのほうが、周りの人の気持ちも分かってあげられるようになるし、自分以外の考えを吸収することは、きっとお芝居にも生かされると思う。

ニコル 私たちの意見、お芝居にも生きてるのか。

香音 もちろん、お仕事のためだけじゃなくて! 私って固いところがあるじゃないですか。だからこそ、いろんな考えに触れて自分を柔らかくしたいというか……。

ニコル 香音は今、人間としての厚みを増そうと頑張っている最中なんだね。

香音 そうかもしれません。ニコルさんは落ち込んだ時どうしているんですか?

ニコル 私は落ち込みが闇に変わってしまいがちなタイプ。以前はそれを周りの人に共有してしまっていた時期もあったし、“病んでいる自分”が好きだったというか(笑)。励ましてほしいっていう気持ちもあったんだろうけど、マイナスな空気を周りにいる人たちに押し付けてしまうのはハッピーじゃないなって気がついてやめました。今は、信頼している人からの応援の声に耳を傾けるようにしています。たとえば、SNSで傷つくような言葉を目にしてしまった時は、家族の声やファンのみんなの声に耳を傾ける。あったかい声を聞いて濁った心を浄化する。“味方の声”をすごく大事にしています。

藤田ニコルを膝枕する香音

「周りに評価されたり、誰かと比べられて傷ついても
叶えたい夢や目標があるから腐らなかった」(ニコル)

――幼少期からモデルとして活躍してきた二人。周りから評価されたり、誰かと比べられたりして傷つくこともあったのではと思います。どんなマインドで乗り越えてきましたか?

ニコル まず、私たちは雑誌の中でランキングをつけられていましたからね。

香音 そこで悔しい思いをすることもありましたけど。私は「この人に負けた」とか「あの人に勝った」とか考えたことがあまりなくて。

ニコル 強い!

香音 私はいつも自分で考えて、答えを出して、編集長に聞きにいっていました。「自分にはこういうものが足りないと思うのですが、合っていますか?」って。

ニコル すごい!

香音 私にとってモデル仲間はライバルだけど戦友でもあるから。そこでバチバチ火花を散らすよりも、自分が成長できる方向に目を向けていたいなって。特に『Popteen』はランキングで1位になったら表紙を飾ることができるっていうルールがあったので。誰かに勝つことよりも、そっちのほうが私には大事だったんですよね。

ニコル 私の時代はそのルールが存在しなかったから、モヤモヤすることが多かったかも。「ランキングでは1位なのに、なんで表紙を飾れないの?」って。

香音 そのモヤモヤとはどう向き合っていたんですか?

ニコル 自分はどうしたらいいんだろうって、ひたすら悩んでもがいていましたね。でも、そこで「諦める」という選択肢をとったことは一度もないし、「私なんて」というマインドに陥ったこともないの。それはきっと「やりたい」「叶えたい」という気持ちのほうが強かったからなんだと思う。だからこそ、そこに向かってガムシャラに走り続けることができたんじゃないかな。

――お二人にとって、夢や目標って、やっぱり大事なものですか?

ニコル 私にとってはすごく大切。やりたいことや叶えたいことは全部言葉にするようにしていて、内に秘めたままにしたことがないんです。その思いはマネージャーさんとも共有するし、ファンのみんなに見える場所に書いたりもする。基本、周りに“全部言い”。

――実際に“全部言い”は自分にとってプラスになっていますか?

ニコル なっています。やっぱり、自分一人の力では頑張れないこともたくさんあるので。自分の夢や目標を知ってくれている人がいると、手助けをしてくれる人が現れたり、話を聞いてくれる人や協力してくれる人が現れることも。また「自分はこれをやりたいんだ」と周りに宣言することで、自分自身の中にも「有言実行しなければ」という気持ちが生まれる。また一歩、夢や目標に近づくことができる気がするんです。

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香音のモデルとしての葛藤・叶えたい夢

藤田ニコルの手を引く香音

「良いことも、悪いことも、忘れたくないから。
思ったこと、感じたことは日記に書くんです」(香音)

――香音さんはどのように自分の心と向き合っているのでしょうか?

香音 自分の中にある思いを言葉にして表に出すことができるニコルさんはきっと、内に秘めがちな私のことをもどかしく感じることもあるんだろうな。でも、私にも一応、思いをさらけ出す場所があって。それが日記なんですよ。

ニコル 自分の思いがちゃんと外に出ているのなら、日記でも全然いいと思う!

香音 書いている内容は誰にも言えないけど……。

ニコル 今度、見せてよ(笑)。

香音 見せないよ! 家族に見られないように家でも隠しているんだから(笑)!

ニコル どんな時に、どんなことを書いているの?

香音 日常で何か感じた時、直したいなと思うようなことが仕事現場で見つかった時に書いて残します。私は忘れっぽいというか、良いことも悪いことも、切り替えが早すぎてすぐに抜け落ちてしまうところがあって。これをやらなきゃ、あれもやらなきゃって、追われているうちに忘れてしまうこともあるんです。だからこそ、書く。日記が手元にない時はスマホにメモしたりもします。

ニコル スマホにメモは私もやるかも。

香音 私の場合、スマホにメモした後、それをまた日記に書き直すんですよ。その作業の中で自分の考えが整理されることもありますし。一冊のノートに自分の軌跡を残すことで、読み返した時に「ああ、あの頃はこんな小さなことで悩んでいたんだな」って、自分の成長に気づくこともできたりして。ちなみに、思い出も日記にちゃんと刻んでいて。ニコルさんとディズニーに行ったこともちゃんと書きました♡

ニコル 写真だけだと忘れてしまうこともあるもんね。今日のことも日記に書いてくれるのかな?「ニコルさんと初めて一緒に撮影しました」って。

香音 書かないかもしれない。今日の写真とインタビューは記事としてノンノウェブに残るから、そっちのほうが詳しいかなって(笑)。

藤田ニコル&香音
人間関係で大切にしていること

香音の頬にハートを作る藤田ニコルとピースサインをしている香音

「二十代前半は“自分らしく”が大事だったけど
後半は“周りのため”が大切になってきた」(ニコル)

――お二人の仕事は、さまざまな人と接する機会が多いはず。人間関係で大切にしていることがあったら教えてください。

香音 私は“このまま”でいるようにしています。最初にカッコつけたり背伸びをしたせいで、時間がたってから「変わったね」って言われるのもイヤだし。自分らしく、好きなことを話して、それで嫌われたとしたらもう仕方ないなって。でも別に私はその相手のことを嫌いじゃないから、会ったら「やっほー」って言えちゃう(笑)。本当の自分は変わらないんだから。正直に、ありのままの香音でいたいと思っています。

ニコル 私も二十代前半はそんなマインドだったな。でも、二十代後半になると「もっと丁寧に」っていう気持ちも芽生えてきて。自分らしく、ラクでいることも大事なんだけど、「どうしたらみんなが気持ちよく仕事できるのか」ということをより考えるようになってきた。いろんな人と接してきたことで、もっと柔軟で優しくありたいと考えるようになって、ベクトルが内側でなく外側に向かうようになったの。一言で言うと「大人になった」のかもしれないね。

藤田ニコル&香音
自己肯定感の育て方

藤田ニコルの背中に覆いかぶさる香音

「大切な人がいるから強くなれる。
強くなることで自分をもっと好きになる」(香音)

――お二人は自分のことをちゃんと大切にできているイメージがあります。どうしたら、自分を愛することができるのか。自己肯定感の育て方を教えてもらいたいです。

ニコル 確かに、自己肯定感がある程度高くなきゃ、きっとこの仕事はできないよね(笑)。

香音 私は小さなことでも喜ぶのを大切にしています。何を食べたら気分が上がるのか、何をしたら気持ちが前を向くのか、たくさんの“好き”やお気に入りを見つけることで、私は自分のご機嫌を取る力を鍛えているのかもしれません。あと、自分のことを大切にしてくれる人を「絶対に守らなきゃ」という気持ちも強くて。それも私の背中を押してくれているんだと思う。「凹んでいる場合じゃないぞ!」「みんなのために元気でいなきゃ!」って。

ニコル すごいじゃん、かっこいいじゃん、ヒーローじゃん!

香音 ニコルさんが、落ち込んでいたり、つらい思いをしていたら、すぐに飛んでいきますからね!

ニコル 香音ってもしかして、アンパンマン(笑)?

「誰も褒めてくれないのなら、自分で褒めればいい。
えらいぞ、私! よくやった!って」(ニコル)

――大切な人たちのために強くなる。守りたい人が増えるほど、“誰かを大切に思える自分”が好きになる。それが香音さんの自己肯定感の上げ方なんですね。ニコルさんはどうですか?

ニコル 私の場合は褒められて育ったのが大きいんだと思います。著書『私が垢抜けた82の方法』にも書いたんですけど、お母さんをはじめ、私の周りには「可愛い」と褒めてくれたり、努力をすれば「頑張ったね」と言ってくれる人がいたから。あたたかい言葉をかけてもらえる環境があったからこそ、私の自己肯定感は自然と上がったんだと思います。だから、私自身も人を褒めることを大切にしたいなと思っていて。「いいな」と思うことは、ちゃんと声に出して、伝えるように心がけているんです。

香音 分かります! 褒めたり褒められたりってすごく大事なことですよね。私も、たまに自分の頭をヨシヨシって撫でてあげるんですよ。「頑張ったね」「えらいね」って。

ニコル 実際に撫でているところを想像すると、ちょっと怖いね(笑)。でも、それ、案外いいかもしれない! 誰かが褒めてくれないなら、自分で自分のことを褒めればいい。私も本当に頑張った日は自分のことを褒めてあげているもん。「えらいぞ、私! よくやった!」って。

――香音さんの天真爛漫な言動をニコルさんが聖母の微笑みで見守り、時にツッコミを入れて笑いにかえる……。今回の軽快なガールズトークから、二人が本当の姉妹のように仲がいいことが伝わってきました。

ニコル 香音は私のことを「お姉ちゃん」と呼んでくれるんですけど。私は彼女のことを「赤ちゃん」って呼んでいるんですよ。本当にベイビーだと思っているから(笑)。今日の撮影中も「目をつむってみて」という指示がカメラマンさんから飛んできた時、目を閉じればいいだけなのに「寝ちゃうってことですか?」とか言い出して。本当、赤ちゃんみたいでおもしろいんです(笑)。

香音 赤ちゃんじゃないですよっ! もう24歳ですよっ! 私としましては、プライベートで仲よくしてもらっているニコルさんと「いつか、一緒に撮影をしたい」という夢が叶ってすごくうれしいです♡

ニコル 撮影はすごく楽しかったけど、インタビューでは香音が何を言っているのかよく分からない瞬間が多々ありましたね(笑)。でも、そこが彼女の愛くるしいところだから、これからも変わらないでほしいです。いつまでも「赤ちゃん」の香音のままでいてほしいなって思います♡

– Profile –

藤田ニコル

●ふじた にこる
1998年2月20日生まれ、ニュージーランド出身。2009年に『第13回二コラモデルオーディション』でグランプリを受賞しモデルデビュー。2014年から『Popteen』、2017年からは『ViVi』の専属モデルを務め、2025年5月号をもって卒業。現在はTV出演をはじめ、ブランドプロデュースやジム経営など、多方面に活躍の場を広げている。愛称は「にこるん」。

香音

●かのん
2001年4月20日生まれ、東京都出身。2013年に『第1回ニコ☆プチモデルオーディション』でグランプリを受賞しモデルデビュー。その後は『nicola』、『Popteen』とキャリアを重ね、現在は『non-no』専属モデル。NHK Eテレ『ギョギョッとサカナ★スター』、日本テレビ『嗚呼!!みんなの動物園』のレギュラー出演に加え、俳優としても話題作に多数出演。愛称は「のんのん」。

Staff Credit

モデル/藤田ニコル 香音(ノンノ専属モデル) 撮影/須江隆治(See) ヘア&メイク/福岡玲衣(W・ニコルさん) 辻村友貴恵(ende・香音) スタイリスト/中野ゆりか(ende) 取材・原文/石井美輪 web編成/ノンノ編集部

藤田ニコル×香音の姉妹トーク

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