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インタビュー
2025.11.06
12月5日(金)に横浜アリーナで開催される「モーニング娘。’25 コンサートツアー秋 ~Movin’ Forward with Hope~ 羽賀朱音・横山玲奈 卒業スペシャル」をもって、モーニング娘。及びハロー!プロジェクトを卒業する羽賀朱音さんの卒業短期連載。第一回目は、モーニング娘。の楽曲と過ごしてきた幼少期の思い出、憧れの気持ちから実際にモーニング娘。になるための挑戦、ハロプロ研修生を経て念願のモーニング娘。になった直後のお話を中心に語ってもらいました。
モーニング娘。が大好きな少女がオーディションに挑戦するまで

――まずはモーニング娘。に加入する以前のお話から聞かせてください。幼少期はどんなタイプの子どもでしたか?
昔から外で元気に遊ぶタイプではなかったです。体を動かすことがあまり好きではなかったので、体育の授業を楽しみにしている人たちのことを「不思議だなあ」と思っていました(笑)。学校の休み時間も、教室に残って読書していることが多かったです。お友達と遊ぶのも好きだったのですが、公園とかではなく、お互いの家で遊ぶことが多かったですね。徹底してインドア派でした。
――ハロー!プロジェクトを好きになったきっかけは親戚の影響ということですが、そのことについても改めて教えてください。
叔母がハロー!プロジェクトの大ファンで。なので、それこそ0歳ぐらいからハロプロ英才教育を受けて育ちました(笑)。最初に聴いていたのは、『ザ・童謡ポップス』というモーニング娘。などハロプロメンバーが歌っている童謡だったと思います。産まれてからずっとハロー!プロジェクトの存在が近くにあったので、好きになった具体的なエピソードを挙げるのは難しいんですけど、4歳の時のお誕生日の色紙に「(将来は)モーニング娘。になりたい」と書いてあったので、3歳の時点で確実にモーニング娘。が好きだったという証拠は残っています(笑)!
――筋金入りですね!その後、自分でモーニング娘。のファンと自覚してからのエピソードもお聞きしたいです。
自分が小学校3年生の時に9期さんが加入されたんですけど、そのタイミングでリリースされたシングル『まじですかスカ!』との出合いが大きかったです。それまではプラチナ期さんだったり、かっこいいモーニング娘。の姿を見る機会が圧倒的に多かったんですけど、“まじスカ”は可愛さもある楽曲だったので、叔母に「絶対好きな感じだと思うよ」と勧められて。実際に聴いたらその通りで、そこからさらにハマっていきました。当時の私の推しは田中れいなさんだったんですけど、その後10期さんが加入されてから憧れの先輩が田中さんという工藤遥さんの存在を知って。最初は「私も一緒!」と思って見ていただけのはずなのに、気づいたら工藤さんも推しになっていて(笑)。やっぱり“推し”という存在の力は本当に大きくて、そこからさらにのめり込んでいきました。より自主的に情報を追いかけるようになったし、モーニング娘。愛も急加速しましたね。
――モーニング娘。を好きという気持ちがオーディションを受けるきっかけに繋がったということでしょうか?
そうです!10歳の時にちょうど11期メンバー「スッピン歌姫」オーディションが開催されたんですけど、叔母さんから「やっと挑戦できる年齢になったんだし、受けてみなよ」と教えてもらって、受けることにしました。特に悩んだりすることはなく、即決でした。ずっとモーニング娘。という存在が隣にいる人生を送ってきていて、オーディションがあって受けるチャンスがあるなら受けるしかない、みたいな感覚だったと思います。
――オーディションを受けるにあたり歌やダンスの特訓など準備はしていたのでしょうか?
オーディションのために練習する、という発想が当時の自分にはまったくなかったんですよ。親戚の前でモーニング娘。の曲を口ずさんでみたり、兄弟とかと一緒に踊ったりすると、「上手上手!」ってすごく褒めてくれるんですよね。なので、すっかりそれを真に受けて、オーディションの申し込み用紙に「特技は歌とダンス」って書きました(笑)。なので実力はさておき、歌って踊ることに対して一切抵抗はなかったので、オーディションの最初の審査で歌うことになった時「歌の審査だけどきっと踊りもしたほうがいいんだろうな」という感覚があって、踊りながら歌った記憶があります。
――オーディション会場にはさまざまな人たちがいたと思いますが、その他に印象に残っていることはありますか?
周りを見るとあきらかにダンスの経験があるようなレベルの高い子もいたし、都会の子たちはとにかくみんなキラキラして見えました。自分が10歳だったこともあり、周りはほとんどお姉さんばかりで、「自分がここにいて大丈夫かな」という不安な気持ちもすごくあって。でも審査会場が過去のオーディション映像で何度も見たことがある、昔の事務所だったこともあり、「みんなここを通ってきているんだから、私も頑張ろう!」という強い思いも同時にありました。その時は結局2次審査で落ちてしまうことになりましたけれども。
――約1年後の2013年に実施された「モーニング娘。12期メンバー『未来少女』オーディション」で再び挑戦することになりましたが、どんな気持ちで挑んだのでしょうか?
次こそは負けたくない!という気持ちで臨みました。その時も受ける一択でしたね。前回のオーディションで小田(さくら)さんが11期メンバーとして加入されたのですが、その後にリリースされたシングル『Help me!!』は私が初めて自分でお金を出して買ったCDなんです。そしてその次にリリースされた『わがまま 気のまま 愛のジョーク』の時に開催されたZDA(全国同時握手会)では鈴木香音さんが私の地元である長野県に来てくださったので、会いに行ったりもしました。そうやって追いかけているうちにファン目線ではあるんですけど、もっとモーニング娘。に近づけた気がして、好きという気持ちにさらなる拍車がかかっていたことも大きかったと思います。
――2回目のオーディションはどうでしたか?
オーディションのタイトルにある“未来少女”というキーワードが未知じゃないですか。前回は“歌姫”とついていたので、正直自分は歌がすごく得意な訳ではないし、だから該当しなかったんだろうなという気持ちもあって。でも、今回はもしかしたら自分も行けるかも知れない……!という期待がちょっとありましたね。一度経験しているので少しは度胸もついていたと思います。ただ、この時は前回とオーディション形式が違ったんですよね。1次審査と2次審査が同じ日に行われて、1次と2次の間に2時間ぐらい空きがあったんですけど、私は普通に東京の道の混み具合が分からず2次審査に遅刻してしまうという……。すでに番号が呼ばれた後だったのでかなり焦りました。そういうちょっとしたエピソードはちゃんと覚えているのに、緊張していたのか、当時の心境までは記憶になくて思い出せないんです。でも、前回落ちてしまった2次の歌唱審査で合格して次に進める、となった時は本当にうれしかったです!
――オーディションは残念ながら該当者なしという形で終わり、羽賀さんはハロプロ研修生に加入することになりましたが、その時はどんな気持ちだったのでしょうか?
結果発表はつんく♂さん自らしてくださったんですけど、“該当者なし”という言葉の意味がすぐには理解できなくて、周りで泣いている子たちを見て、やっと理解が追いつきました(笑)。オーディションを受ける前に家族とは一度話し合いをしていて、ハロプロ研修生になるつもりはなかったんですけど、つんく♂さんがその場にいるみんなに対して、「(今回は落ちたけど)あなたたちは準合格者だからね。もしよかったら研修生としてレッスンを積んで頑張ってほしい」という言葉をかけてくださって。家に帰った後にそのことを伝えた上で、「やってみたい!」と親にお願いしたら、勉強をちゃんと頑張ることと引き換えにOKをもらえました。
研修生を経て、憧れのモーニング娘。加入当初の記憶

――ハロプロ研修生になってからはどんな日々を過ごしていましたか?
ほぼ毎週末、一人で新幹線に乗って長野から東京に通っていました。新幹線に乗っている間は不安や寂しさから、よく泣いていましたね。持たせてもらったお弁当を無理やり口に押し込んだり、お母さんにメールをしたりして、なんとか気持ちを紛らわせるみたいな感じでやり過ごしていました。ハロプロ研修生になってからは常にオーディションみたいな状況で、たとえレッスンでも常にいろんなところから見られているので気が抜けないんです。自分ではちゃんと練習してきたつもりだけどそれでも何を言われるか分からないし、ダンスも毎回違うものを覚えなくてはいけなかったので不安が尽きなくて。
――つらい気持ちになることがあっても研修生生活を続けられたのは、やっぱりモーニング娘。への思いがあったからなんでしょうか?
そうです。モーニング娘。を含めハロー!プロジェクトは私にとって夢の場所だったので、コンサートに行ったり、先輩方に会える機会があると、「自分もその場所に辿り着きたい!」という気持ちが強くなって、それが大きなモチベーションになっていました。そして研修生時代の先輩たちがすごく優しかったんです。レッスン終わりにごはんに誘ってくださって、ピザとかうどんを一緒に食べに行ったり。普段は頑張っているからこそ、力を抜いて楽しめる時間を持てることで気持ちのバランスが取れていたのかなと思います。
――研修生時代の同期メンバーとはずっと仲がいいイメージがありますが、そのことについてもお話を聞かせてください。
同期とはずっと仲がいいです!研修生時代は常に自発的に行動ができる人になれるように、特定の人とばかり一緒にいることはよしとされていなかったので気をつけてはいたんですけど、私たちは気づくと一緒にいることが多くて。なので、よく注意されていました(笑)。同期は年齢もバラバラで私は下から2番目だったんですけど、家では長女だからこそ、たくさんのお姉ちゃんができたみたいですごくうれしかったです。可愛がってもらって面倒を見てもらって、楽しかったし、すごく恵まれていたなと思います。帰り道が私だけみんなと違う方向だったので、研修生時代に遊んだりする機会はほとんどなかったんですけど、それでも同期として接してくれてうれしかったですね。デビューしてからも関係性は変わらず、むしろ私はそこからより深まっていったような感覚があります。お互いに助け合ったり刺激をもらったり、与えたりするようないい関係性です。
――デビューというお話が出ましたが、2014年に突然ビデオメッセージでモーニング娘。に加入することが発表された件についても振り返って教えてください。
その時の様子は映像で残っているんですけど後から見返すと、私がとにかく真顔で、全然喜んでない感じに見えるんですよね(笑)。実際はうれしい気持ちでいっぱいだったんですけど。もしかしたら他のグループに加入する可能性もあったかもしれないですし、ハロー!プロジェクトが大好きな気持ちも揺るぎないものなんですけど、やっぱり自分がなりたいのはモーニング娘。という意思はずっと変わらなかったので、報われたような気持ちでした。でも、もちろん不安な気持ちもありました。当時は毎回不安な気持ちでレッスンに通っている状態だったので、このままデビューしたらついていけないんじゃないかと想像すると怖くて。大好きなモーニング娘。の足を自分が引っ張ることになってしまったらどうしようって思って。
――同期メンバーに初めて会った時のエピソードもお聞きしたいです。
(牧野)真莉愛は研修生時代の先輩だったんですけど、研修生の中でもすごく印象が強いメンバーで。ダンスもバキバキに踊るし、研修生発表会の時のお辞儀の仕方も一人だけ特別な感じで。それはバレエを習っていたからというのもあると思うんですけど、とにかく常にキラキラしていて、既にプロな感じのオーラがある素敵な先輩というイメージでした。意外に抜けていたり、ふわふわしている一面があることも後から知っていくんですけど、そこもまた魅力的で、とにかく憧れの存在だったので、最初に同期として顔を合わせた時は少し不安になりました。オーディションの用紙に特技は歌とダンスって調子に乗って書いちゃったけど、ついていけないかもしれない……と思ってしまって。
―—オーディション用紙のエピソードがまたここで出てくるとは思いませんでした(笑)。
皆さんが思っている以上にめちゃくちゃ自分の中で引きずっているんですよ(笑)。研修生としてレッスンを重ねていくたびに、歌もダンスも得意じゃないという事実を突きつけられて心が折れかけている状態だったので、そこからずっと後悔の気持ちがありました。今となってはもう笑い話ですけど!そして初期の頃は真莉愛とよくくだらないことで喧嘩ばかりしていました(笑)。真莉愛から「ちゃんと靴をそろえて!」と言われて、私は「真莉愛だってゴミの片付けしてないじゃん!」みたいな感じで、揉めるみたいな。しかも口頭ではなくグループメールでそれをやっていたので、巻き込まれた他の二人は災難だったと思います(笑)。
――(笑)。他のお二人は一般加入でしたが、羽賀さんより年上だったこともあり、12期はなかなか変則的な編成でしたよね。
そうなんです。一般加入だった野中美希ちゃんと尾形春水ちゃんにとっては、私も年下ではあるけど経験がある=先輩みたいな感じだったので、とにかく最初の頃は私経由で、なんでも真莉愛に確認を取ってから物事を進めるみたいな感じでした。3人そろって「牧野さん!」みたいな感じだったんですけど、真莉愛本人も他の先輩メンバーもそのことに対してはちょっと違うと思っていたみたいで、小田さんが「まず同期として、お互いに敬語を使うのはやめよう!」と提案してくださって、そこからは徐々に普通に話せるようになっていきました。私としては逆に、のなちゃん(野中)とはーちん(尾形)に対しても自分にはない経験値だったり、大人っぽい部分に恐縮してしまう気持ちがあったので、慣れるまでにちょっと時間がかかりましたね。
同期との関係性、喜びに浸る余裕さえなかったデビュー直後の思い出

――羽賀さんは最年少メンバーでありながら落ち着いたイメージが強かったんですけど、実際はそんなことはなかったということですよね。
はい。未だにすごく緊張しやすいタイプです。お仕事がある時は今でも常に緊張しているんですよ。モーニング娘。に合格した時に真顔だったのもそうなんですけど、昔から感情を表に出すのがすごく苦手で、うれしいも楽しいも悲しいも全部分かりやすく顔に出せないので、それが周りの人からは落ち着いて見える原因なんだと思います。もちろん感情が素直に表情に出ていることもありますが、人よりは少ないのかなと。
――12期と9期がどこか似ているとファンの間では言われていますが、メンバーはそれぞれの個性を尊重している感じがそう思われている要因なのでしょうか。
そうですね!全員一匹狼じゃないですけど、一人で行動できるタイプなんですよね。いつも一緒にいるわけではないけど、仲はいいし、話さなくても伝わる、目を見るだけでお互い何を考えているか分かるみたいな関係性で。何か繋がっているものがあるからこそ、家族みたいな安心感があるというか。
――その関係性はどうやって構築されていったのでしょうか?
私たちが加入することが決まった2014年は、ワンフォー(モーニング娘。’14)という体制で、今でも一番好きって言ってくださる方が多くいる時期だったんですけど。絶対的なリーダーだった道重さゆみさんが卒業されて、残された先輩メンバーもまだ自分たちのことだけでも大変時期なのに、同時に先輩として後輩メンバーの面倒を見ないといけない感じになってしまったので、皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも自分たちが加入してからのモーニング娘。’15で、そこを乗り越えていかないといけないという使命感みたいなものも同時にすごくあって。いろんな感情があった時期だったので、そこを12期メンバーで一緒に乗り越えたことが、とてもいい経験になったんじゃないかと思います。
――9~11期メンバーは当時を振り返って、加入したばかりの12期メンバーのケアがちゃんとできていなかったと後悔するようなお話をしているイメージですが、そこについてはどう思っていましたか?
先輩たちはそうやって気にしてくれているんですけど、私からすると先輩たちは自分たちの不安だったり、そういったネガティブな部分を一切見せないようにして接してくれていたので、気づけていませんでした。むしろ先輩たちの方が大変だったと思うし、そうやって私たちへの負担を減らしてくれていたので、助けられていたと思います。逆に感謝の気持ちしかないです。
――12期のデビューシングルは『青春小僧が泣いている/夕暮れは雨上がり/イマココカラ』のトリプルA面でしたが、そのことについてもお話を聞かせてください。
「青春小僧が泣いている」は新体制になって心機一転じゃないですけど、今までにない感じで、私たちにとってすべてが最初の楽曲でした。初めて聴いた時はなんて難しい楽曲なんだ!と思いましたね(笑)。Aメロにリズムがないんですよ。ハロプロ研修生時代からリズム、16ビートの大切さを叩き込まれてきたので、今まで頼りにしていた楽器の音がどこにもない……とパニックになりました(笑)。そして12期でボイストレーニングをしている最中に楽曲をいただいて、2日後にレコーディングみたいな感じだったんですけど、そのスピード感も衝撃的で。すべてが初めての中、とにかくできる限りのことを頑張るしかない、という感じでした。MVは2種類作っていただいたんですけど、どちらもすごく素敵でお気に入りです。「夕暮れは雨上がり」はバレエっぽい振り付けだったこともあり、真莉愛がすごく輝いていました。「イマココカラ」はレコーディングの時に初めてプリキュアの作品の曲だと教えてもらって、びっくりしました。プリキュアが好きだったので、めちゃくちゃうれしかったです。衣装もアイドルっぽくて可愛い感じでうれしかったですね。
――MV撮影も初めてだったと思うのですが順調でしたか?
緊張から表情が固くなってしまって「青春小僧が泣いている」と「夕暮れは雨上がり」のリップシーンは、12期だけ撮り直しをすることになったんです。そこで、自分たちがちゃんとできていないと作品に関わっている多くの方々に迷惑をかけてしまうことになるんだ、ということを実感しました。迷惑をかけてしまったことは本当に申し訳ないのですが、自分たちにかかっている責任を意識するきっかけになったし、それで不安になったりもしましたが、入ってすぐのタイミングでそのことについて学べたのはよかったなと思っています。
――モーニング娘。に加入して本格的にパフォーマンスをすることになった最初のステージはハロー!プロジェクトのコンサートでしたが、その時の思い出はありますか?
ハロー!プロジェクト全体のコンサートだったので、いきなり6、7曲覚えないといけない状況だったんですけど、全然ついていけなくて。12期では真莉愛しかちゃんとできていませんでした。できていない私たちは怒られても仕方ないと思うのですが、その時は同期の連帯責任みたいな感じで、逆に真莉愛が代表として怒られてしまって……。真莉愛はちゃんと私たちにも教えてくれていたのに、それでもできない私たちが絶対悪いじゃないですか。なので、真莉愛だけが怒られてしまうのは違う!と思ってマネージャーさんに抗議しました。私たちの世代ぐらいまではギリギリ昔のスパルタ教育みたいな空気が残っていたので、とにかく怒られていたし、それでよく泣いていました。活動のために上京することになったので、ホームシックも重なっていたかもしれません。
――加入当初のつらい時期をどんな風にして乗り越えていったのかもお聞きしたいです。
とにかく怒られては泣いての繰り返しでしたが、それで立ち止まれるような状況でもなかったので、進むしかない!という感じでした。次から次へとやるべきことが目の前に現れてくるし、責任感もどんどん強くなっていくので、とにかく必死で。深く考える暇がないぐらいの目まぐるしさだったので、そのお陰で乗り越えられたという感じでしょうか。ずっと憧れていたモーニング娘。になれたのですが、合格の余韻に浸ったり、喜びを噛み締める暇も同様になかったです(笑)。
――具体的に大変だと感じていたのはどんなことですか?
やっぱり限られた時間内で歌やダンスを仕上げていくことが一番大変でした。ダンスを覚えるという作業は半年ぐらいかけて慣れていったんですけど、それを仕上げて形にしていくまでにどうしても時間がかかってしまって。2015年の終わりぐらいまでは、そのつらい状態が続いていたと思います。でももちろんつらい中にもうれしいことはありました。ステージに出てファンの皆さんの顔を見ると安心することができましたし、大好きなメンバーと一緒に活動できることは常に幸せでしたね。大好きなモーニング娘。の曲をモーニング娘。として歌えることもうれしかったです。
長かった反抗期、ファン目線から自分の個性に気づくまで

――2015年にYouTubeでアップされた「#羽賀朱音の課題」では表情の作り方、先輩に遠慮せず大事なことははっきり言えるようになること、もう少しはっちゃけた部分も出していきたい、ということを課題として語っていましたが、当時の心境を振り返って思うことがあれば教えてください。
今年の9月に公式YouTubeで「#羽賀朱音のUpdate」というタイトルで動画をあげているのですが、その撮影にあたり私もちょうど2015年の動画を見返していました。表情の作り方といっても、歌に合わせた表情の作り方の話ではなくて、感情が出にくいタイプだから楽しい表情を出したいみたいな初歩的すぎることを話していて、自分は当時こんな感じだったんだと、なんとも言えない気持ちになりました(笑)。今でも本当の感情を出したり自分の意見を伝えることには苦手意識があるんですけど、不安に思う部分をなくしていく作業をすることで改善できる部分もあったし、少しは成長できたのかなと思います。先輩たちとの接し方については、当時反抗期だったので、本当にご迷惑をかけてしまったと思います。
――反抗期はどれぐらいの期間、どんな感じだったのでしょうか?
皆さんが思っているより長くて、加入してから2019年ぐらいまでは絶賛反抗期だったと思います(笑)。ピークは2016年ぐらいで、中学3年生の時でした。家族に対しても、メンバーに対してもツンツンしていましたね。反抗期が長引いたのは安心感からくる甘えの気持ちがあったからだと思います。反抗期の間もとにかく先輩たちが優しくて。加入してから結構長い間、最年少メンバーだったということもあると思うんですけど。だから、自分より年下の15期が入ってきた時に、今度は自分が反抗期のメンバーを寛大な心で受け止めるぞと決意したのに、全然そういう子が入って来ないんですよ!(笑)
――ここから少し別の切り口となりますが、羽賀さんはいち早くファン目線を汲み取ったプロデュース能力でも個性を発揮していたイメージがあります。2017年のコンサートで公開された羽賀朱音初監督作品『こんな気持ち…初めて』は、グループとして新しい試みだったと思うのですが、そのことについて是非教えてください。
工藤さんは加入前からの推しという話を冒頭でもしましたが、『こんな気持ち…初めて』は、ではケミ推ししているいしどぅー(石田亜佑美×工藤)さんに、のなちゃん(野中)を絡めた三角関係がテーマの映像作品となっています。モーニング娘。にはなったものの、引き続きモーニング娘。のファンでもあって、これは完全にファン目線のほうで制作しました。最初の頃はプロとして、ファンという部分を出しすぎるのはあまりよくないかもしれないという気持ちもあったんですけど、ちょっと視点を変えてみようと思って。
――その視点についてもう少し詳しく教えてください!
当時、今のモーニング娘。のよさってなんだろうと考えることがあったのですが、考えた結果、歴史あるモーニング娘。を好きで入ってきているところがいいのかなと思って。そう思ったら、これまでのモーニング娘。が好きな自分の気持ちも隠す必要はないのかも……と思えたんです。むしろモーニング娘。が大好きな人たちの集まりです、ということをもっとアピールした方がいいかもしれないと思って、そういう心境の変化がありました。そこからいしどぅーさんが好き、と発信してみたり、工藤さんへの思いにもさらに拍車がかかっていたので、それをアピールしていたら、企画として動画をやってみませんか? という話をいただいて、『こんな気持ち……初めて』が誕生しました。
――羽賀さんといえば先輩メンバーとも自然体ですごく仲がいいイメージがあります。
ありがとうございます。もともと年上の方と関わるのが好きだったので、先輩たちとも自然に仲よくなっていました。これはちょっとした自分の特技だと思うんですけど、先輩にちょっとしたお願いをしたい時には申し訳ない気持ちを全面に押し出すのではなく、「これは私のわがままなんですけど……」みたいな感じで切り込めるんです。もちろんそれを受け入れてくれる先輩に恵まれたことも大きいんですけど。
――YouTubeコンテンツのクイズ企画で優勝して、そのご褒美企画としていしどぅーさんと一緒にMCをされていたのも印象に残っています。
普通は優勝したら自分の好きな曲をパフォーマンスしたりすると思うんですけど、私は大好きないしどぅーさんとMCをさせていただき、お二人の好きなところを語り尽くすみたいなことをしました(笑)。でもそれぐらいから、自分の中でトークという新しいジャンルが増えた気がします。なので、2017年は新しい自分を見つけたじゃないですけど、一つのターニングポイントを迎えた時期だと思います。
――最後に羽賀さんのハロプロ史を語る上で欠かせない、くじ運の強さについてもお話を聞けたらと思います。ひなフェスのシャッフルユニット抽選では、ソロからユニットまであらゆるバリエーションで当選するという強運の持ち主としても話題になりましたよね。
その件に関しては私も自分で自分が怖いです(笑)。最近だと、今年の10月に開催された上海公演の時にメンバー全員で今話題の“ラブブ”をゲットしたんですけど、私だけシークレットが当たったり、なんかそういうことが多いです。コンサートの話に戻りますが、最初の頃は抽選に当たるのが純粋にうれしかったんですけど、年月を重ねて後輩メンバーが増えていくたびに、ずっと自分が当たり続けていて貴重な枠を奪ってしまっているんじゃないかという気持ちが、変なプレッシャーになっていて。当たりたくないと思っていた時期もあったんですけど、今年の夏に開催されたハロー!プロジェクトのコンサートの抽選は最後の機会だったので、ここだけは絶対に当てたいなと思ったら見事に当たって“わがままリクエスト”の権利を獲得できました。同期の真莉愛も引きが強い子なんですけど、同じく当たっていてうれしかったです。
羽賀朱音のプロフィール

モーニング娘。’25
●はがあかね 2002年3月7日生まれ、長野県出身。2013年にハロプロ研修生に加入し、2014年9月に12期メンバーとしてモーニング娘。に加入。愛称はあかねちん、メンバーカラーはオレンジ。趣味で始めたカメラはプロ級の腕前で、ノンノWEBでカメラマンとして先輩、譜久村聖さんを撮影してもらったことも。自身がフィルムカメラでメンバーを撮影したページを含む写真集『#ねちんふぃるむ』が好評発売中。
シャツ¥8140・スカート¥13680/アンティローザ(Carmelo) その他/スタイリスト私物
Staff Credit
撮影/岡崎果歩 ヘア&メイク/佐々木れな(Three PEACE) スタイリスト/佐藤朱香 取材・原文/武内亜紗 撮影協力/EASE

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