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インタビュー
2025.11.20更新日:2025.11.28
12月5日(金)に横浜アリーナで開催される「モーニング娘。’25 コンサートツアー秋 ~Movin’ Forward with Hope~ 羽賀朱音・横山玲奈 卒業スペシャル」をもって、モーニング娘。及びハロー!プロジェクトを卒業する羽賀朱音さんの卒業短期連載。第二回目は、愛する地元・長野県のこと、“#ねちんふぃるむ”でおなじみのカメラの話など羽賀さんの内面的な部分を深掘り。加えて2019年から2025年夏までの思い出を駆け足で振り返っていただきました。
地元・長野県への愛が高じて、架け橋を担う存在に

――羽賀さんはモーニング娘。になってから地元・長野県に関係する活動も積極的にされていた印象ですが、そのことについてもお話を聞かせてくだい。
長野県が本当に大好きで!なので、地元を巻き込んだ活動ができたことも、私のモーニング娘。の歴史において、とても大きいことでした。自分が加入する前は長野県でのコンサートがあまり頻繁に行われていなかったので、加入した時から「私がモーニング娘。をもっと長野県に連れて行きたい!」と思っていたんです。そこから2年後の2016年にやっと叶えることができて、2年連続でコンサートができた時は本当にうれしかったですね。そのあたりから、だんだんと自分がモーニング娘。と地元の架け橋になれているという実感がわいてきて、そんなタイミングで『秘密のケンミンSHOW』に出演させていただき、すごくついていたなと思います。
――『秘密のケンミンSHOW』には2019年が初となりましたが、どんな経緯で出演が決まったのでしょうか。
会社の方にずっと出たい! と言い続けていた憧れの番組だったので、出演の話が来た時は大喜びでした。最初は“田舎スペシャル”というテーマで、グループ全体にお問い合わせが来たので、必ずしも私である必要はなかったんです。でもどうしても出たくて、いただいたアンケート用紙に自分がどれだけ田舎に住んでいて、地元はこんなにいい場所だということを語り尽くす勢いでびっしりと書きました(笑)。その思いが伝わったのか、(牧野)真莉愛と一緒に出演できることになって。私が山に囲まれている系の田舎代表、真莉愛が田んぼに囲まれている系の田舎代表みたいな感じで登場させていただきました(笑)。
――実際に出演しての反響はいかがでしたか?
幅広い年代の方が見る人気番組なので、想像以上に反響がありました。ただ見てくれるだけでうれしいのに、私が紹介した場所にわざわざ足を運んでくださったり、番組きっかけで会いにきてくださる方もいて、全部の反応がうれしかったです。そして、長野について発信するタイミングも気づいたらどんどん増えていきました。ありがたいことに『秘密のケンミンSHOW』にはその後も定期的に呼んでいただいているのですが、長野県以外のトークテーマで出演できた時は自分が番組に必要としていただいた気がして、とてもうれしかったのを覚えています。そして番組に出演する際、ベレー帽が自分のトレードマーク的な存在になっているんですけど、これは番組スタッフさんの提案がきっかけなんです。途中でそのスタッフさんはいなくなってしまったのですが、そこからは自分で直接衣装さんにお願いして、毎回ベレー帽を用意していただいていました。
――2019年にはモーニング娘。に15期メンバーが加入し、そのタイミングで羽賀さんはグループの最年少ではなくなりました。同時にグループでの立ち位置にも変化があったと思うのですが、いかがでしょうか。
私は12歳で加入したこともあり、最年少の時期が長かったんです。でも自分としては高校生になったタイミングくらいから、最年少と言われることに対して何かしっくりときていなくて。当時絶賛反抗期の最中というのも大きかったとは思うのですが(笑)。昔から先輩と一緒にいるのが好きだったので妹キャラみたいなイメージになりやすいのは分かるんですけど、実際は長女なので、妹扱いされることがずっと不思議な感じだったんですよ。なので、15期が入ってきてくれてありがたいなっていう気持ちが大きかったです。
――実際に15期が入ってきてからはどうでしたか?
13期が15期の教育係をすることになったので、私は13期が先輩メンバーに対してまだ遠慮してしまう部分を感じ取ってフォローしたいなと考えて行動していました。後輩が増えていく中で、自分の立ち回りや思考が中間管理職的な方向へと向いていったのかなと思います。
――羽賀さんはグループの垣根を越えてハロー!プロジェクトの先輩メンバーと幅広く交流があるイメージですが、なかでも特に仲がいい先輩は誰ですか?
譜久村聖さん、佐藤優樹さん、元Juice=Juiceの植村あかりさんとは、特に仲がいいと思います。植村さんと仲よくなったのは比較的最近で2021年からなんですけど、“花鳥風月” というハロプロメンバーを4チームに分けて行っていたツアーがきっかけでした。好きなものが結構似ていて、食べ物の趣味も合うんですよ。譜久村さんとはずっと仲よくさせていただいているんですけど、2019年ぐらいのタイミングでより距離感が縮まりました。仕事に関しての考え方などが似ているので、自分に先輩としての意識が芽生えてきた時期に、そういう話をする機会が増えたことが大きいのかなと思います。佐藤さんとの歴史は一番古いかもしれないです。2016年ぐらいから仲よしなんですよ。仲よしというか恩人的な存在だと私は思っています。
――恩人的な存在についてもう少し詳しくお話を聞きたいです。
私がメンタル的な部分がつらい時、最初に気づいてくれるのが佐藤さんで。ただ見守るのではなく、とにかく話しかけにきてくださって、さらに解決できる方向に導いてくれるんです。なので、懐かずにはいられないというか。大好き!というこちらの気持ちがすごく強い感じです。特に2018年、19年あたりはずっと一緒にいた気がします。でも2019年に一度だけ喧嘩したんですよね……。リハーサル中に移動のことでお互いに意思疎通ができなくて、そこから謎にエスカレートしてしまって大喧嘩になるという(笑)。でもその後、何もなかったかのように元通りになって、喧嘩したのはその時ぐらいです。佐藤さんは卒業した後も、私たちの楽屋とかにふらっと遊びに来てくれたりして、メンバーが不在の間に私のヘアアイロンとか使っているんですよ。場所が分かるのがシンプルにすごいですよね(笑)。でも、そこまで信頼されているんだと思うと逆にうれしかったりもします。
カメラとの出会いや向き合い方、「ねちんふぃるむ」が生まれるまで

――2020年には個人のInstagramアカウントが開設され、趣味のカメラなどの腕前がより世間に広まるきっかけにもなったと思うのですが、そのことについてもお話を聞きたいです。
SNSはそれぞれの特性があるので、せっかくやるなら差別化したいと思いました。たとえばInstagramは写真だけ抽出して見たりする方もいるので、整理しやすいようにハッシュタグを付けて投稿しよう、など。それでまずは、“#ねちんふぃるむ”というハッシュタグと共に過去に撮り溜めしていたものを載せていったんですけど、ブログとはまた違う感じで反応が感じられてうれしかったです。
――現在発売中の写真集『#ねちんふぃるむ』は、その集大成ともいえる一冊だと思うのですが、もともと構想はあったのでしょうか?
構想はありました!撮影した写真はいつも全部出しているわけではなく、時期を見て別の機会に出そうかなとストックしているものも結構あって。なので、いつかそれらをまとめて一冊の本にしたいと思っていました。道重さゆみさんの『ミチシゲカメラ』や、工藤遥さんの『ハルカメラ』など過去にも先輩たちが自分で撮った写真を本にしているケースがあったので、いつか自分にもチャンスが巡ってきたらうれしいな、とは思っていて。ファンの皆さんからもずっとご要望いただいていて、最後に叶えることができてよかったです。
――自身のポートレート写真をまじえた2部構成になっていますが、どんな経緯で決まったのでしょうか?
実際に本を作ることになって、その構成を考えていく段階で、最後の本になるからこそ、私自身が被写体の写真も入っていたほうがいいんじゃないか、という話を会社の方からいただいて。私は自分が撮った写真だけでいいかなと思ったりもしたんですけど(笑)、ファンの皆さんを思い浮かべた時、やっぱりそれは違うのかなと考えを改めました。それで前半は自分がカメラマンを、後半は被写体を務めさせていただき、2部構成の本となっています。
――前半の羽賀さん撮影パートは、それぞれのメンバーをソロで撮影していますが、どんなテーマで撮ったのでしょうか?
これまでの写真はお仕事の合間に撮影しているものが多くて、それはそれでお気に入りなんですけど、せっかく新たに撮影するなら、もっとプライベートに近い姿や表情を収めたいなと思いました。なので、モーニング娘。のメンバーとそれぞれ個別でお出かけしながら撮影をすることに。まずは行きたいところがあるか聞いて、ある子はそこに行ったり、逆に自ら場所やシチュエーションを提案してきてくれるケースもあって、その時点で各メンバーの個性が出ていたなと思います。撮影期間は2か月ぐらい。それぞれオフのタイミングを合わせてという感じだったので、結構タイトではあったんですけど、それほど大きなトラブルなどもなく、割とスムーズに進行できました。でも、はるしゃん(井上春華)の時だけ撮影日が大雨予報だったので、それはさすがにリスケしましたね。あと、よこ(横山玲奈)はトップバッターだったんですけど、後からもっと撮りたくなって追撮させてもらったんですよ。最初はメンバー一人につきフィルムは一本と決めて撮影しようと思っていたんですけど、実際に撮り出すとやっぱりそうもいかなくて(笑)。よこの時は最初だったこともあり、一本しか撮影していなかったので、お互いに最後ですし、私のお願いを聞いてもらいました。
――これまで撮り溜めてきたもの含め、かなり大量の写真があったと思うのですが、使用するカットのセレクトはどうやって決めていったのでしょうか?
構成に関してはプロにお任せしたほうがいいと思ったので、あまり自分から意見はしませんでした。とにかく大量のデータを提出したんですけど、新たにメンバーを撮り下ろした写真が一番よかったみたいで、結局それがメインで使用されました。自分では最初アルバムっぽい感じをイメージしていたので、それとは少し違ったのですが、実際レイアウトしてもらったら、写真集らしさも感じられるきれいな感じになったのでよかったです。本当に自信作です!そして写真集で使われなかったデータは、ラストツアーの映像で使っていただいています。それがファンの皆さんからすごく好評なんですよ。自分としてもお気に入りの写真たちをそのままお蔵入りさせるのはもったいないなという気持ちがあったので、最後に余すことなくしっかりお見せすることができてよかったです。
――フィルムカメラは始めたきっかけは、羽賀さんが推しと公言しているノンノモデル・岡本夏美さんの影響とのことですがそのことについても教えてください。
岡本夏美さんはずっと私の推しで、大好きなんです! カメラで撮影するのはもともと好きだったのですが、最初は父親の一眼レフのデジカメを使っていて。自分用のカメラが欲しいなと思っていたタイミングでいろいろ調べていたら、岡本さんがフィルムカメラを使っているという情報を見つけたので、私もやるしかないと即決でした(笑)。最初に買ったのはNikon FE10で、次がOLYMPUS PEN。そこからさらに集めて今はいろいろ使っているんですけど、『#ねちんふぃるむ』は岡本さんがいなかったら生まれていなかったと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
――譜久村聖さんのノンノWEB卒業連載でもカメラマンとして撮影するなど、仕事としてメンバーを撮影する機会も多々ある羽賀さんですが印象に残っていることはありますか?
カメラマンとしてご依頼をいただく時は、とにかくいつも緊張します。最初に声をかけていただいたのが高橋愛さんのカレンダー撮影だったんですけど、光栄な気持ちと同時に絶対失敗できないというプレッシャーがすごくて。コロナ禍だったので、とにかく自宅で撮影の練習をしました。大量のアメリカンチェリーを買ってきて、お皿に盛り付けてから一回撮影するごとにF値(絞り値)と露出をメモしていく、という。フィルムカメラなのでその場ですぐ確認することはできないんですけど、とにかくそうやってコツコツ検証していく中で自分の中でだんだん理解ができてきて、この露出の時はこれぐらいにしたほうが自分の好みになるとか、少しずつ自分の撮り方が明確になっていきました。でもどれだけ練習したり、確認しても、フィルムカメラの特性上それが反映されないこともあったりするので、出来上がりを見るまでは毎回ドキドキしますね。
――プレッシャーを感じつつも撮影を続ける原動力はやはりハロー!プロジェクト愛だったりするのでしょうか。
そうですね。自分の中にハロプロファンという人格があるので、メンバーを撮影する時は基本的にファン目線なんです(笑)。なので、この可愛い表情をちゃんと残しておきたい!みたいな純粋な気持ちで撮影をしていて、撮っている時はとにかく楽しくて仕方ないです。最初は自分のために撮影している部分が大きかったと思うんですけど、結果それがファンの方に喜んでいただけることに繋がって、すごくいい循環が生まれているというか(笑)。可愛いという気持ちを共有できるのってすごく幸せですよね。あとはカメラを始めるまでは趣味と言えるものが全然なかったのですが、やっとそういうものが自分の中にできたこともすごくうれしいです。そして、その存在を自分だけではなく、大好きなメンバーやファンの皆さんを通じて見つけられた、ということもすごく大切で。カメラで撮影すること自体が大好きなので、人物だけではなくて景色を撮ったりすることもありますし、今後もずっと続いていく趣味だと思います。
――羽賀さんは写真だけではなく、文章での表現も得意なイメージがありますが、そのことについてもお話が聞ければうれしいです。
そんな風に思っていただけていることがうれしいです……! 文章をつづるということは、自分比で得意な方ではあると思います。逆に喋るのはあまり得意ではないんです。自分の感情をその場の流れに任せて言うよりは、順序立てて文章で説明するほうが合っているんです。でもそういう考え方になったのは、ブログを始めたことがすごく大きいですね。ブログを始めるにあたり、自分の感情込みで文章を書いて伝えたいなと思って。でもそうなると自分の感情を一回整理しないといけないので、書いては消して書いては消しての繰り返しをして書いています。文章の配置を変えるだけで全然印象が違う気がするので、気になる部分を入れ替えてみたりもしますね。改行とか行間にも結構こだわっているので、そこにも注目してもらえていたらうれしいです。更新がマメではないので、そこは申し訳ないのですが……。
コロナ禍での気づきをもとに自分の殻を破って成長した話

――先ほどから少しずつお話が出ていますが、コロナ禍でのお話も改めてお聞きしたいです。加入からずっと激動の日々を過ごしてきて、一度足を止めたことで気づいたことや感じた心境の変化はありましたか?
それまでは平日休日関係なく駆け抜けている感じだったので、急に自宅待機となって不思議な感覚でした。世の中の状況に不安を感じていましたが、家族で過ごす時間が増えたことは純粋にうれしかったです。家族全員でそろってごはんを食べることも、お正月以外でずっとなかったので、すごくレアで。そして今の状況だからこそできることをやりたい、という気持ちがとてもあったので、一回自分を見つめ直すことにも注力しました。たとえばパフォーマンス面で自分を客観視して分析してみると、何かに追われている状況ではないからこそ見えてくる改善点みたいなものがあって。肩に力が入りすぎる時があるとか、ここは手先の見え方がもっときれいにできるな……など。生活面も一回規則正しく、見直すタイミングだと思い、毎日寝る時間と起きる時間を決めて生活をし続けていたら、それがちゃんと習慣になって。今でも朝ちゃんと起きられているのはそのお陰だと思います。
――ハロー!プロジェクトのメンバーは常に歌とダンスに向き合って活動をしていると思うのですが、長い活動期間の中で他にターニングポイントとなった出来事などはありましたか?
一番変化を実感したのはコロナ禍で開催された「~The Ballad~」です。ハロプロ以外の楽曲を歌うということが、すごく画期的で。これまで16ビートを刻んで歌うことや、いわゆるハロプロ歌唱と言われるような部分を意識してパフォーマンスしていたので、知らないうちに自分の頭が固くなっていることに気づきました。私は最初、西田敏行さんの『もしもピアノが弾けたなら』をカバーさせていただいたんですけど、原曲を聴くといい意味で感情を出しすぎず淡々と語りかけるように歌っていらして。誰もが聴きやすい歌声で、それがすごく素敵だったんです。なので、少しでもそのイメージに近づけるように、一回リズムを忘れて、自分をまっさらにして歌ってみようと思いました。その状態で練習をして披露したら、すごく評判がよくて。なので、このまっさらな自分のままで、もう一回リズムを自分の中に入れてみたらどうなるんだろうということを考えながら「花鳥風月」には挑戦していました。
――「花鳥風月」の時は具体的にどんなことを意識していたのでしょうか?
「花鳥風月」は、他のグループのいろんなタイプの楽曲に挑戦できる機会がたくさんあったので、コロナ禍に得た気づきだったり、思ったことを試すチャンスでした。実際にやってみて、その思いが確信に変わったりした部分もありましたし、ちょっと新しい自分になれたような気がしました。
――お話を聞いているとコロナ禍の前には少しスランプ的な状態だったのでしょうか。
当時を振り返ってみるとそうですね。言われていることはちゃんとやっているはずで、そこに対して周りから何か言われることもないんですけど、自分的にはなぜか納得できないというか……。自分に対して“足りてない”と感じるけど、その原因が分からない状態だったんです。加入当初はずっと怒られていたけど、経験を重ねていく中で自然とその回数が減っていって、怒られなくなっていくじゃないですか。でも、自分ができているという自信や確証はずっとなかったんです。歌もリズムを刻んで歌っているけど、先輩たちと違う気がして、それはどこの部分なんだろう……みたいな感じで悩むことがその時期は多かったです。でもその気持ちをちゃんと自分の力で乗り越えることができてよかったです。
教育係を通じて再認識した同期との信頼関係、最後のハロコン

――新しい気持ちで活動している中、17期メンバーが加入し、羽賀さんは教育係を担当することになりましたが、このタイミングで任命というのはちょっと意外だったのではないでしょうか。
これまで新メンバーの教育係は、教える側も成長するために一つ上の先輩がやることが多かったのですが、12期はその機会がないままだったんです。それを事務所の方々が思い出したのか(笑)、16期のらいりー(櫻井梨央)ではのなちゃん(野中美希)が任命され、その流れで私にも来たのかなと思います。教育係をすることに対して特に不安はなかったのですが、加入してから結構時がたっているので、正直自分が後輩だった時のことは覚えてなくて。なので、「らいりーの背中を見て行動するといいよ!」とは常に言っていましたね(笑)。でもそれは本当で、やっぱり一番近い先輩が後輩としてすべきことを一番やっていてお手本になる存在なんですよ。そして教育係をして、自分に対する気づきもありました。やっぱり私は、その場で思ったことを言葉にするのがすごく苦手で。なので困った時は、言語化能力の高いのなちゃん、そして真莉愛という頼れる同期に相談に乗ってもらって、アドバイスをもらったりしていました。のなちゃんが教育係をしている時は逆に相談を受けたりもしていたので、お互いに助け合って補っている感覚がありますね。
――同期との信頼関係が伝わってくる素敵なエピソードですね。それぞれの役割を簡単に説明するならどんな感じですか?
ありがとうございます。そうですね、本当に同期は無条件に頼れる大きな存在だなと思います。役割は、私が一番感情寄りで、のなちゃんは真逆の理論派、真莉愛はその中間。だから3人で話し合うと、全体的にバランスが取れたいい解決策に辿り着けるんです。私がよく相談しているのは、たとえば自分たちが後輩の時代にダメと言われてきたことがあって、自分たちはそれをそのまま守っているけど、今の後輩にも同じようにしてもらうべきか、みたいな内容が多いです。改めてなんでダメだったか考えると、理由が不明なものとかも結構あって。それはもうルールにしなくてもいいよね、みたいな感じで、一緒に解決してもらっています。……なんかすごくいい話をしている風ですけど、踵のない靴はどこまでOKなのかとか、本当にそんなことで悩んでばっかりいるんですよね(笑)。
――教育という切り口ではマナー的な部分は一番大事ですよね。
私の場合はパフォーマンス面ですごく自信があるタイプではないので、そこは先輩後輩関係なく得意なメンバーにお任せしたいと思っていて。それこそ小田(さくら)さんはつきっきりで教えたりしていて、本当に素晴らしいんですよ。代わりに自分はマナーだったり、モーニング娘。として必要な部分を伝えていくことを常に考えています。仕事をしていく上で大事なことや、社会での一般常識みたいなものは先輩から後輩にちゃんと教えていかないといけないので。
――かなり駆け足となってしまいましたが、最後に2025年の夏開催のハロコンにてわがままリクエストに当選してパフォーマンスをした「永久の歌」についての話をお聞きしたいです。
ラストのハロコンで、しかも最終日のわがままリクエストが当たったので、ちょっと卒業っぽい感じをイメージして全員で歌う「永久の歌」(Berryz工房)を選ばせてもらいました。まだ実際の卒業までは数か月あるし大丈夫かなと思っていたんですけど、当日はしっかり泣いてしまって、自分の中にある寂しい気持ちにそこで気づきました。これまで10年ぐらい当たり前の存在だったハロコンが、この生活が、もうラストなんだと思ったらやっぱり悲しくて。今後の人生でこんな経験をすることはもうないと思いますし、そういう風に考え出したらすごくセンチメンタルな気持ちになってしまって。でも、今のところラストと付くものに関しては自分がやりたいことをしっかりできているので、後悔はないです。
羽賀朱音のプロフィール

モーニング娘。’25
●はがあかね 2002年3月7日生まれ、長野県出身。2013年にハロプロ研修生に加入し、2014年9月に12期メンバーとしてモーニング娘。に加入。愛称はあかねちん、メンバーカラーはオレンジ。趣味で始めたカメラはプロ級の腕前で、ノンノWEBでカメラマンとして先輩、譜久村聖さんを撮影してもらったことも。自身がフィルムカメラでメンバーを撮影したページを含む写真集『#ねちんふぃるむ』が好評発売中。
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Staff Credit
撮影/岡崎果歩 ヘア&メイク/佐々木れな(Three PEACE) スタイリスト/佐藤朱香 取材・原文/武内亜紗 撮影協力/EASE

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