インタビュー

【モーニング娘。’25】羽賀朱音卒業記念WEB連載第三回:モーニング娘。への変わらぬ愛と大きな決断、“この瞬間”を刻む曲に込めたメンバーへの思い

2025.12.04

12月5日(金)に横浜アリーナで開催される「モーニング娘。’25 コンサートツアー秋 ~Movin’ Forward with Hope~ 羽賀朱音・横山玲奈 卒業スペシャル」をもって、モーニング娘。及びハロー!プロジェクトを卒業する羽賀朱音さんの卒業短期連載。最終回となる第三回目は、自ら制作に関わったラストツアーの話やラストシングルの楽しい思い出、卒業を意識したきっかけを語ってもらいました。卒業インタビュー恒例・メンバーに贈る曲では、特技のカメラにかけて、「この瞬間を切り取りたい」と思う楽曲とコメントをお届けします。

ラストツアーに燃やした情熱、卒業を意識してからの心の動き

カメラを構えるモーニング娘。’25の羽賀朱音さん

今回のツアーは、一緒に卒業する横山玲奈ちゃんと私のこだわりを全面的に詰め込んで構成しました。なので「ここのこだわりは?」と聞かれたら、どんなことでも答えられるぐらいの情報量があるんです。ここで全部をお伝えできないのは残念なのですが、それぐらいの熱量でやっているということを感じてもらえたらうれしいです。もはやツアー自体がもう自分たちの子どもみたいな存在というか(笑)。なので、見てもらえただけでもうれしいのですが、プラス意見や感想、お褒めの言葉なんかをいただけたりすると、隠しきれず得意顔になっていると思います(笑)。それぐらい自信を持ってのぞんだツアーだったので、見に来てくださる方も是非ハードルを上げてきてくださいね(笑)、くらいの気持ちで駆け抜けることができました!

よこ(横山)と私は感性が似ていて。たとえば私は洋館が似合うようなアンティークな世界観が好きで、よこも重なる部分はあるのですが、もう少しお姫様っぽさもある感じが好みというか。まさに今回のノンノさんの撮影でもそれを表現していただいたのですが、自然と世界観がリンクするような形で仕上がってうれしかったです。二人ともベースにエレガントな感じが好きというのがあるので、秋ツアーの衣装にもそれが反映されていると思います。衣装やセットに関してはお互いのアイディアを尊重しつつ、すごくスムーズに決まりました。

最初は、自分たちが歌いたい楽曲をどんどんあげていくところから始めました。でもその段階ではまだ、メンバーに卒業発表をしていなかったので楽屋では話せず。仕事前に二人でカフェに行って、打ち合わせしたりしていました。私はオープニングの楽曲にはすごくこだわりがあって、なんとしても叶えたかったんですけど、それをよこに相談したら「私もその曲は入れたかったのでやりましょう!」と言ってくれて、その案で行けたのが本当にうれしかったです。モーニング娘。のライブの見どころであるメドレーの曲も自分たちで決めて、結果いつもより多めの楽曲でやることになったのですがそれも採用されてよかったです。自画自賛ですけど、飽きることなく新鮮な気持ちで聴けるメドレーを作ることができて大満足です!

そうですね、そのエッセンスはすごく入っていると思います!見てきたモーニング娘。も一緒だし、見ていたエンタメもほぼ一緒なので、それが阿吽の呼吸につながっていた理由かもしれません。卒業公演でプラスする楽曲もすぐに意見が一致して、自分たちとしてはこれしかないと思っているので楽しみにしていただけたらうれしいです。

モーニング娘。は卒業と加入があるグループなので、いつかは自分も卒業するんだな、ということは2020年くらいから意識するようになりました。でもその時点は全然具体的には考えていなくて。次の道へと進む自分の姿が全然想像できなかったというのもあります。そこから少し時間がたって実際に卒業を決めたのは、2022年の秋ツアー「25th ANNIVERSARY CONCERT TOUR ~SINGIN’ TO THE BEAT~」のときです。

2020年から意識しだした卒業というキーワードに対して、やっと自分なりの答えが出たのがそのタイミングだったんです。モーニング娘。が大好きだからこそ、卒業する時は自分で区切りを決めたいなと思いました。先延ばしにするとずっといたくなっちゃうのは分かっていたので、ならば少しでも早いほうがいいと思って、それが自分の答えだと思いました。でも会社の人に伝える前にもう一回自分の中で気持ちを整理したかったので、数か月ぐらい考える期間を作ることにして。ちょうどそのタイミングで譜久村(聖)さんの卒業発表があったんです。譜久村さんの卒業まで約一年の期間があったので、自分も焦らずに考える時間が持てるなと思いました。それで改めて卒業についても考えた結果、やっぱり今こそ伝えるタイミングだなと確信することができたので、2023年の春に会社の人たちに報告しました。もし譜久村さんの卒業発表が半年前だったら、意識が全部そっちにいっていたと思うので、自分のことを考える時間が持てたのはすごく大きかったし、ありがたかったです。

そうですね。周りの友人が受験や就職活動をしている姿を見ていたので、そこから受ける影響もあったと思います。自分は経験したことがないので想像するしかない世界だけど、新しいことに挑戦するのってすごく難しいことじゃないですか。それを成し遂げている人たちに対しては尊敬の気持ちしかないです。周りの人たちは優しいので逆に「朱音のほうが大変だよ!」と言ってくれるんですけど……。私は10年ぐらい積み上げてきたものがあるからこそ、ある意味安定を感じる部分もあって、今のお仕事をしているんですよね。でも、ずっとこのままの状態でいられるわけではないということは分かるので、そのことを再確認できたのも卒業という選択に繋がっていると思います。

はい、そこはずっと一緒で考えていました。大好きなモーニング娘。になりたくてなったので、モーニング娘。の自分のままで皆の記憶に残りたいなと思って。卒業した後はファンに戻ります(笑)。

卒業を決めるまでは誰にも相談せず自分で決めました。でも卒業に向けて会社の人たちとの相談が進んでいくなか、同期にだけは相談ではなく報告として話はしていましたね。

揺るぎない同期の絆、両極端なラストシングルがくれた思い出

日傘を手に額縁の奥で座る絵画の中の女性のようなモーニング娘。’25羽賀朱音さん

そんなに変わってないと思います。12期は去年で10周年を迎えて、私以外の二人は役職を持つようになりました。同期として支えていきたいという気持ちはもちろんあるんですけど、まずのなちゃん(野中美希)のリーダーとしての素質が素晴らしすぎて。毎日率先してモーニング娘。のために動いてくれるし、(牧野)真莉愛もサブリーダーとしてすごく頑張ってくれているので、二人に対して尊敬の気持ちが増す一方です。

自分たちで思っている以上にファンの方が来てくださってびっくりしました。そして、とにかく楽しかったです!会社の人から「最後にやりたいイベントはある?」と聞かれた時にソロイベントという選択肢もあったとは思うんですけど、私は12期でイベントがやりたくて。でも去年も12期でイベントはやっていたので違うものがいいなと思っていたら、バスツアーという提案があったので「やりたいです!」と即答しました。イベント中には3人だけで過ごす時間もあったりして、それもすごく特別でしたね。普通はこのタイミングでさらに絆が深まったというエピソードがあったりもすると思うんですけど、特にそんなこともなく(笑)。というのも、それ以前からずっとマックスの状態でいい関係性が構築できているんですよ。お互い一番安心できる距離感で、ベタベタしたりはしないけど信頼感がある感じ。それが12期って感じだなと思います。

そもそも私、12期のファンって本当にいるのかな……と思っていたくらいなんですよ。個々のファンはいるけど、まとめて好きっていう方はあまりいないんじゃないかと決めつけていたので。でも実際バスツアーをしたら12期ファンと言ってくださる方が想像以上にいたので、今まで勝手に疑っていて申し訳なかったです(笑)。私のファンをしてくれている人は同性の方だと場の空気を盛り上げてくれるようなイメージ。仲間を大事にするような熱血肌な感じで、優しくてあったかい方が多いです。個別会などでも「ねぇ、あかねちん聞いてよ!」みたいな感じで、友達みたいに接してくれるので、いつも元気をもらっています。今の段階でまだラストの個別会は先なんですけど、卒業発表をしてから泣いてくださる方も出てきて「まだ早いよ〜!」というやりとりをしてます(笑)。

個人的にやりたいことはすべて叶えられたのでありません。モーニング娘。としてはもっと上を目指して叶えたい夢もあるけれど、それはまだまだ続いていくこれからのモーニング娘。に託していきたいなという気持ちです。メンバーが頼もしいので、私は安心して卒業していきたいと思います。

まとまった長いお休みが取れるようになるので、海外旅行に行きたいです。絶対行きたいのはパリ!ずっと憧れていた場所なので。あと車の免許も取りたいですね。もっと身近な夢だと地元のお祭りにも行きたいです。まずはやりたいことをやってから、次の未来に向けて準備もしていけたらと思っています。

『てか HAPPYのHAPPY!』は、一言で表すならとにかく“陽キャ”。つんく♂さんの楽曲は伝えたいことを繰り返すイメージがありますが、この曲でもサビで“HAPPY”という言葉が繰り返し使われていてすごく印象的です。MVではつんく♂さんから、全員リーゼントヘアでスーツを着こなしてショーみたいなイメージ、というコンセプトをいただいていたので、それを実践しています。最初にリーゼントと聞いた時はそれっぽいヘアをするだけかと思っていたので、本気のリーゼントと言われた時はメンバー全員大困惑でしたが(笑)、本番の日には皆覚悟が決まっていて、誰も抵抗していなかったです。むしろコンセプトが明確だからこそ楽しむべきだよね、というムードで全員終始ノリノリでした(笑)。パフォーマンスの部分ではメンバーでアルファベットを作るフォーメーションが見どころ。ダンスは結構細かくて、ジャンプするタイミングだったり手の向きなどがワンコーラスめ、ツーコーラスめ、サビでまったく違うので、かなり頭を使います。ちょっとの違いがフォーメーションや見栄えを作るうえで大事なのは分かっているんですけど、体と頭を同時に使うので見た目以上に大変です。秋ツアーではサビの部分をファンの皆さんが一緒に踊ってくださるのを見るのが楽しみでした。

本当にそうです。ちょっとズレてたりしたらメンバーがすぐ指摘するし、「ここは裏取りだから」とMCとかで指示したり、日々お互いに高めあっている感じですよね(笑)。私はファンでもあるので、皆さんの気持ちもめちゃくちゃ分かるんです。メンバー含め全員自分がハロメンだと思ってライブを楽しんでいるような空気感がめちゃくちゃ幸せだし好きです。

最近は、一曲はモーニング娘。っぽい曲、もう一曲が卒業するメンバーに重なる楽曲という構成でくることが多いので、“てか HAPPY”は(自分の卒業曲)ではないな、と直感で思いました。でも実際こっちだったらどうしよう……とも思いましたけど(笑)。

印象はそこまで変わってないんですけど、とにかく曲の転換が多いのでどこがAメロでどこがBメロみたいな感じじゃないんですよ。展開がすごいので最初聴いた時はちょっと混乱しましたね。でも結果その刺激みたいなものが、何度聴いても飽きない感じにつながっているのかなと思います。気付いたら終わってる、みたいな楽曲なのでもう一回聴きたい!と思っていただけるはずです。昔から変わらず、ずっとおもしろい楽曲を書き続けているつんく♂さんのすごさも感じました。

こちらはちょっと歌謡曲っぽさもあって、最初に聴いた時「これが自分の卒業曲だ!」と即思いました。すごく好きな感じの楽曲だったので思わず万歳しましたね(笑)。振られちゃった女の子が主人公なんですけど、寂しくない!むしろ友達と旅行とか行けるし、一人のほうがいいと強がっている感じの曲です。イメージとして、Bメロに“木枯らし”っていう言葉で出てくるので、季節としては秋の終わりから冬にかけての時季で、そんな時季に「全然寒くもないし寂しくない」と強がっているその子を想像したらめっちゃ可愛い!と思って。なので初めて聴いた時から曲に対して愛おしさを感じていました。そして最初にみんなで聴いた時には「ラミンタッチオーネってなんぞ?」という話にもなりました。調べたら悲観的な、とか嘆き、とかそういうキーワードが出てきて、やっぱり寂しい感じなんだと答え合わせもできて。つんく♂さんからはサビのところは笑いながら歌ってほしいというオーダーがあったんですけど、それも強がりの演出なのかなと自分なりに解釈しています。卒業曲的な感じもあるけど、ストーリー性もすごくあって、本当にお気に入りです。

恩師つんく♂との対面で感じた原点、後輩メンバーに贈る曲

白いシャツと黒いティアードスカートを着て、大きな額縁にもたれるモーニング娘。’25羽賀朱音さんの全身カット

私たちが加入したタイミングでプロデューサーから離れるということになってしまったので、直接お会いする機会は少なかったのですが、活動中につんく♂さんの存在は常に近くに感じていました。歌詞の意味やオケのことなどで疑問が出てきた時に聞いて返信をいただく、みたいなやり取りも何回もしていて、やっぱりモーニング娘。のお父さんみたいなイメージです。モーニング娘。ファンでもある自分からすると、大好きな楽曲を作った方に直接答え合わせができるという経験はなかなかできることではないと思うので、本当に光栄でした。ずっと大好きで尊敬している方です。3年ぐらい前の話なのですが一回だけレコーディングの日にいらっしゃったことがあって、ガラス越しに姿が見えた時は本当にびっくりしました。そこで私の歌声を聴いた上でグッドサインを送ってくださって。リズムにすごく気をつけて歌っていたので、めちゃくちゃうれしかったです。自信にも繋がりましたし、忘れられない思い出です。

ありがたいお言葉をたくさんいただきました。25年以上歴史があるグループだから昔とは少し解釈が違う部分もあるけど、でもすごくよかったよともおっしゃっていただいて安心しました。今のモーニング娘。として見ていただけたことがすごくうれしくて。私がいられる時間はもう僅かですけど、こうやって連絡が取れる間柄であるうちに疑問に思ったことなどはもっと聞いておかないといけないな、とも改めて思いました。でもつんく♂さんが来ることは完全にサプライズで、ディレクターさんから「今日は11年ぶりにライブを見に来る関係者の人がいるよ」とは言われていたんですけど、まさかそれがつんく♂さんとは思わないじゃないですか!私たちも知らずにパフォーマンスしていたので、終演後につんく♂さんが登場した時はドッキリかと思いました(笑)。ライブに関しては常に全力でやっているのでいつ誰に見られても大丈夫なのですが、もし事前に知っていたら相当緊張したと思うので、知らないままいつもの状態をお見せすることができてよかったです。

多分皆、びっくりしすぎてリアクションをすることすらできないみたいな感じでしたね。同時にちゃんとしないといけない、みたいな気持ちもあったと思いますし。メンバーそれぞれつんく♂さんとはどこかで関わりがあるのですが、グループでそろって対面するのはあまりない機会だったので、いい思い出になりました。

はるさん(井上春華)は、このテーマをもらった時に最初に思い浮かんだメンバーでした。切り取りたいのは『「恋人」』の「ねぇ懐かしいね」のパートなんですけど、私はここが本当に大好きで。この曲は、昔からずっと仲がいい人がいて、いい関係性ではあるんだけど、向こうが自分のことを好きかどうかは分からなくて一歩踏み出せない……みたいな感じの内容なんですね。それでこのパートはまさにその不安な状況を示している部分でもあるんですけど、はるさんは歌った後に微笑むんですよ……!その表情がはかなすぎて本当に頭を抱えます。友達として二人が過ごした楽しい思い出にふけっている感じを、たった8音のパートに乗せて伝えてくるなんて、すごくないですか⁉︎ 今年の春ツアーのセットリストに組み込まれていたんですけど、ツアー中に自分の気持ちを伝えると、はるさんが意識しちゃうかなと思って感情を自分の中で押し殺していたので、今ここで爆発しました(笑)。あの微笑み……一生守りたいです。同時に誰があんな表情を教えたの?あなたは物語の主人公なの?とも思いますね。とにかく、ここのはるさんは必見です!加入当初は歌もダンスも経験がなくて常に必死みたいな感じでしたが、最近のはるさんからはそんな時代があったとは思えないほどのオーラを感じます。パフォーマンスに魂があるというか。17期の二人は本当に違う個性の持ち主で、げったーが突き進む感じの強さ、はるさんは炎の中に佇んでいるような強さを持っているイメージです。はるさん自身はまだ自分に自信がなかったり、不安を感じることも多いみたいだけど、思うままに自分を信じでこのまま突き進んでほしいです。

長年共に歩んできた仲間や先輩メンバーに捧ぐ曲と思い

一輪の花を手に持ち、伏し目がちな表情のモーニング娘。’25羽賀朱音さんのアップショット
※山﨑さんが加入する前のMVとなります

ほま(岡村ほまれ)は、『明るくいい子』の一番の「いい感じならば我慢かな」のところ。いきなりで申し訳ないのですが、ここはちょっと軽く自分語りもさせてください(笑)。私は2番で同じ部分のパートを担当しているんですけど、地声でレコーディングをして。ほまれは最初裏声を使って歌っていたんですけど、後から私に合わせたいと言ってくれて、地声で再レコーディングしてくれたみたいなんですよ。それは本人ではなくディレクターさんから聞いて知ったことなんですけど。それで地声の方を聴いたらよすぎて。私よりも全然上手で、そこで「やばいぞ」という気持ちにもなりましたし、そう思わせてくれたほまれには、すごく感謝しています。ほまは人の変化にすぐ気付いて寄り添える優しい子なんですけど、その一方で我慢していることも多いんじゃないかな、と心配になる部分もあって。だからここのパートに感情が乗せやすかったりもするのかな、と思ったりしました。そしてここのパートの時のほまは、目に芯がある感じで訴えかけるような目力がすごくあって、その表情込みでこの曲の主人公になりきっている感じがすごくかっこいいです。ライブの時はビジョンにも注目してください!

よこ(横山玲奈)は、『泣いちゃうかも』の「最後の夜が来たら〜」のパート。よこの声は声量もしっかりあって芯を感じさせる部分もあるけど、同時に可愛らしさやちょっとした弱さみたいな部分が見え隠れするところが他の人にはない魅力だと思っていて。このパートでも強気なフリをしている感じ、切ない部分もある感じで表現しているのがすごく好きです。普段はどんな楽曲でもこなせる万能なメンバーだし、弾けるような笑顔のイメージが強いと思うんですけど、この曲では今にも泣きそうな顔をして歌い上げていて、そこも本当に魅力的。改めてどんな曲でも表現ができるよこのすごさを感じました。

※横山さんが加入する前のMVとなります

真莉愛は、『最KIYOU』の「苦しい時だけ任されGirl」のところ。直前まではリズムとかオケが落ち着いた感じなんですけど、このパートで急にリズムが戻ってくる感じがすごくかっこよくて。私は真莉愛の低音がすごく素敵だと思うんですけど、説得力がすごくあるんですよ。低音だけどちゃんと聴こえてくる感じもあって。真莉愛は高音もいいんですが、私の好みが低音パートで、特に印象的なのがこの曲なのであげてみました。そして切り取りたいのは抜群のスタイル。このパートの時にはちょっと後ろから登場して踊ってサイドに捌ける感じなんですけど、毎回「え、今なんかすごくスタイルいい子が通ったよね⁉︎」と純粋に感動します。そしてここでの手元の振り付けは1番も2番も共通なんですけど、表情などの魅せ方含め、自分のパートのためだけの振り付けのように魅せている感じもすごくかっこいいです。

のなちゃんは、『勇敢なダンス』の「涙は涙ごと色が違う」のパート。毎回「(これは)のなちゃんのステージだ」って思うぐらい魅力的なんですよ。表情はセクシーな感じなんですけど、そこにスタイリッシュさもあって、歌詞の内容も伝わってくるし、のなちゃんにしか出せない洗練された色気だなと思います。聴くたびに「私もここ歌いたかった」と羨ましくなるぐらい魅力的なんです。のなちゃんがリーダーに就任した後の現体制では、まだこの曲をパフォーマンスできていないのですが、もし今やったらのなちゃんの独壇場感がさらに増すんじゃないかと思いますし、純粋に見たい……という気持ちです。

小田(さくら)さんは、『悲しくなるようなRainy day』の落ちサビ「気の利いたBGM」のところです。私は小田さんの前の部分の歌割りをもらったのですが、最初この楽曲を聴いた時に感情で歌うべきか悩んでいたら「感情を乗せることも大事だけど、自分が歌うことでファンの方が感情を乗せられるような歌い方をするといいんじゃないかな」というアドバイスをくださって。それも含めてすごく印象に残っています。小田さんは普段からリズムだったり歌い方のテクニックなど、技術的な部分をよく教えてくださるんですけど、感情面でアドバイスをいただく機会はめったにないので、すごくうれしかったんです。そして教えていただいた感情を乗せた歌い方ってまさに小田さんそのものなんですよ。なので、これはなんとしても自分のものにしたい……!と思いました。あと小田さんといえばちょっとしたジェスチャーもお上手で。たとえばこのパートだと“BGM”のところで深呼吸をしているような感じで肩を動かしているんですけど、それをすることでより感情も伝わってくる感じがして、たまらないです。歌はもちろんですが、表情、感情、ちょっとした仕草など、すべてにおいてこだわりが感じられる小田さんのパフォーマンスはやっぱり特別ですし、その器用さにも本当に憧れます。歌で伝えるというのはただ歌うだけじゃないということを改めて教えていただいたような気がしますし、そうやって小田さんがいろんな人を魅了して巻き込んでいくかっこいい姿をこれからも見ていたいです。

羽賀朱音のプロフィール

羽賀朱音さん

羽賀朱音

モーニング娘。’25

●はがあかね 2002年3月7日生まれ、長野県出身。2013年にハロプロ研修生に加入し、2014年9月に12期メンバーとしてモーニング娘。に加入。愛称はあかねちん、メンバーカラーはオレンジ。趣味で始めたカメラはプロ級の腕前で、ノンノWEBでカメラマンとして先輩、譜久村聖さんを撮影してもらったことも。自身がフィルムカメラでメンバーを撮影したページを含む写真集『#ねちんふぃるむ』が好評発売中。

シャツ¥8140・スカート¥13680/アンティローザ(Carmelo) その他/スタイリスト私物

Staff Credit

撮影/岡崎果歩 ヘア&メイク/佐々木れな(Three PEACE) スタイリスト/佐藤朱香  取材・原文/武内亜紗 撮影協力/EASE

モーニング娘。

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