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インタビュー
2026.02.13
駆け抜けた日々が、
今の自分の背中を押してくれてる!
私が20歳の時に考えていたこと
第一線で活躍している4人の先輩たちは、non-no読者と同世代だった頃に何を考えて、どう前へ進んできたのか。がむしゃらに、それでも自分らしく突き進んだ人生の中に自分らしく生きるためのヒントがたくさん!
マンガ家
幸田もも子さん(41歳)
Profile
●こうだ ももこ 1984年9月24日生まれ、東京都出身。2002年に『別冊マーガレット』でマンガ家デビュー。『センセイ君主』『君がトクベツ』など、実写化もした作品を数多く手がける。現在、新連載準備中。

すべて/本人私物
自分の中でお釣りがくるくらいのゆるい人生プランが糧に!
高校3年生の時に『別冊マーガレット』でマンガ家デビューして、22歳で初コミックス『そんでむらさきどーなった?』を出したので、20歳はマンガ家として坂道を上っている途中。別マでは、読み切りの作品が掲載される際に編集部から直接依頼される形式と、ネームを提出して決まるコンペ形式の2パターンがあって。新人のうちはコンペを経て徐々にステップアップしていくんです。でも、私と同じ時期にデビューした子がすでに依頼を受けていて……それは期待が大きい証拠でもあるので、当時は悔しい気持ちにもなりました。
モヤモヤするだけでは成長できないので、同期の作品を読んでは"売れているポイント"をとことん分析。絵柄の可愛さなのか、ヒーローの描写なのか、とにかく周りを見て徹底的に研究を重ねました。それらを生かして描いたのが、初コミックスに収録されている『純潔ヴァイオレット』。"男の子をカッコよく描くこと"を意識して描いた作品で、担当編集さんに「幸田さんはラブコメが合うよ」と受けたアドバイスも生かしました。当時の私はムダにおしゃれでエモーショナルな作品を描きたがる傾向にあって(笑)。私自身の性格は真逆なのにサブカル要素の強いものに憧れていたんですが、自分には合わないことに気づいてすぐに方向転換しました。やりたいことを貫きたかったとしても、周りの人の言葉や自分の見え方を一度素直に受け止めてみるのは大事なことだと思います。『純潔ヴァイオレット』は、読者からのアンケートの評判もとてもよくて、マンガ家人生の中において最初のターニングポイントになった作品です。
デビューをした後すぐ、私生活では大学に進学しましたが、結局ずっとマンガを描いている日々で少しずつ学校にも行かなくなって。そんな私を見かねた母から「あなたは後ろ盾がないほうが集中できるはずだから、学費もムダだし大学は辞めたほうがいい」と言われたんです。父親は反対していたけど、母の意見は的を射ているなと思ったし、何よりも私自身がこのまま大学に通い続けるビジョンが想像できなかったので、中退を決意したのも20歳の頃でした。当時は、大学生活を謳歌する周りの友達との間に温度差を感じたり、マンガ家として軌道に乗っていなかったりで寂しい気持ちになる瞬間も少なからずありました。モヤモヤにとらわれてどうしようもない時は、お風呂の中で"私は天才! おもしろいものが絶対に描ける!"と大声で唱え続けていました(笑)。実際に言葉にして発言することで自分の脳を錯覚させられるみたいなので、自信が小さくなった時はぜひ試してみてください。
マンガは自分の頑張りしだいでどうにでもなると思えていたけれど、いわゆる会社員はどんなに努力しても周りの環境によって自分のモチベーションも変わってくる気がして、就職を選ぶことは私にとって何よりもいばらの道でした。フリーランスの仕事は自分の意思がすべてだから人生設計を立てる上で大変だと思う人もいるかもしれませんが、私の場合は3〜5年くらいの近い未来の"叶えられそうな目標"だけを少しずつ決めるようにしていました。これは、実際にやっていてよかったと思えることの一つ。20歳の頃には〝25歳までに単行本を出版する”ことを目指していて、それが叶ったら〝25歳までに初連載をする”と、自分の中で実現できそうな目標を決めて、自宅のなるべく目に入る場所に張り出していました。大切なのは"自分の中でお釣りがくる程度のゆるめのプランニング"であること。手の届きやすい目標にすることでやる気にもつながったし、貼り出して形にすることで"必ず叶う未来の姿"のように思えて安心感もありました。そんなふうにマンガというコンテンツに全力で向き合った20代の自分に、今では心から"ありがとう"の気持ちでいっぱい。ついでに、"最高の40代を用意しておくから楽しみにしていてね"と伝えたい!

アニメのコスプレをしたプリクラ(笑)。この頃は少年マンガも少女マンガもジャンル関係なくたくさんの作品を読みあさっていました。

祖父母と高尾山に行った時の一枚。当時は爪がめちゃくちゃ長くて、「その爪でよくマンガが描けるね」と言われていました。
【 20歳のノンノ読者に贈る言葉 】
人生は思い描いたイメージどおりになると思います。なりたい自分をイメージして、思いどおりの人生をつかんでください♡
私自身、仕事に関しては思い描いたことがきちんと実現して今があります。現実的な目標を想像することはマストですが、マイナスではなくプラスのビジョンをなるべくイメージすることで、モチベーションも高まります。
2026年3月号掲載
Staff Credit
撮影/野田若葉(TRON) 取材・原文/上村祐子 web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス