“夢”を取るか“安定した就職”を取るべきか、悩んでいます。
(ぽぽぽさん·大学生)
大学在学中に相方の光浦(靖子)さんと「オアシズ」を結成。卒業するかしないかの頃に人力舎に所属して、芸人としての活動をスタートさせているんですよね。なので私、就職活動というものを一度も体験したことがないんですよ。
周りから「絶対に売れる保証なんてないのに。千葉大卒のキャリアを捨てて芸能界に飛び込むのは怖くないのか?」と聞かれたりもしたけれど、不思議なことに不安は一切なかった。それどころか「せっかくのチャンスだしつかんでおこう」みたいな気持ちで。「2年でもいいし、3年でもいい。やってみてダメだったら就職活動をやり直せばいいや」くらいにしか考えていなかったからね(笑)。
よくも悪くも無責任に「なんとかなるだろう」で突き進んだ私の20代。今の時代、私のやり方が通用するかどうかは謎ではありますが……。20代の数年間なんて、後からいくらでも回収できると思うんだよね。実際、芸能界での活動は最初の頃はまったくうまくいかずに迷走。相方の光浦さんがテレビで活躍するなか、私はバイトをしたり、OLになってみたり、急に俳優として劇団の舞台に立ち始めたり。でも、振り返ると「あの“冬の時代”があったからこそ、今の自分がいる」と思うんだよね。あそこで、なんの力も持たないまま売れていたら、自分も苦しくなっていただろうし、あっという間に消えていただろうなって。
男に狂ったり、酒でバイトをクビになったり、親からの仕送りを劇団のために使ってしまったことも……。“若さゆえ”の特典でハチャメチャな経験も大目に見てもらえる20代、ちょっとくらい自分の思うように生きてもいいと思う。ただ、それは「後でちゃんと回収しろよ」の条件つきね。たとえば、この話だって、あのハチャメチャな経験が血となり肉となり、芸人として人として私を成長させてくれたから笑えるもの。あのまま酒と男に溺れ、仕事もろくにせず、今も親を悲しませていたらきっと後悔しかないだろうしね。やりたい夢を選びたいなら選べばいい。大事なのは、そこから“笑える幸せな未来”を作るために努力すること。その選択を正解にできるかどうか、過去を笑い話にできるかどうか、それは自分次第ですから。
東京の専門学校でファッションを学びたいのですが、親からは「大学じゃないと上京させない」と言われています……。
(はこさん・高校生)
生まれ育った愛知県の渥美半島の外へ出たくて。東京の大学を受験することに決めた私に両親が言ったのが「学費の安い国公立の大学以外は許さない」でした。結果、猛勉強して千葉大学に進学。私は目的もなく漠然と「この4年間で好きなことや夢を見つけよう」と新生活をスタートさせたんですよ。そこで“お笑い”に出会い、目覚め、いつのまにか将来の仕事に。そんな自分の経験を踏まえてアドバイスするなら「いったん、大学に進学すればいいんじゃない?」。ある意味、大学は未来を決断するまでの猶予期間。専門学校じゃなくても、バイトでアパレルの仕事を体験できるかもしれないし、SNSを通じてファッション業界の人とつながる可能性だってある。今の時代、入り口は一つじゃないんだから。「専門学校じゃなきゃダメ」と決めつけずに、“猶予期間”という自由の切符を握りしめ、とりあえず東京に出てみる。それも一つの手だと私は思うんだけどな。
やりたいことも自分に向いていることも見つからない。入りたい会社がありません。
(ぽんさん·大学生)
思うんだけど、まずは経験してみないと何が合うかなんて分からないよね。だからこそ、なんでもいいからやってみる。少しでも興味のある業界に飛び込んでみる。一発目の仕事で「自分、これで生きていきます!」「定年まで頑張ります!」と終身雇用を目指さなくてもいい。合わないと感じたら、また違う仕事を探してもいいんだから。頭の中でウダウダ考える前に、とりあえず働いてみようか♡