──“親友の遺骨と旅に出る”という衝撃的な物語が話題を呼んだ同名コミックが、永野芽郁さん主演で映画化。奈緒さんは、永野さん演じるシイノ(シイちゃん)の親友で、マンションから転落死するマリコを演じた。
「タナダユキ監督は、原作を読んだ時に“どうしても映画化したい”とすぐに動いたらしくて。出演が決まる前に熱いメッセージをいただきました。私自身、オファーを受けてから原作を読みましたが、最後の1ページで涙が止まらなくなってしまったほど。映画化にかける監督の思いに、すごく共感しました」
──NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で共演した永野さんと奈緒さんは、プライベートでも親友同士。
「撮影前、家に芽郁ちゃんが遊びに来た時に、劇中でシイちゃんがはくドクターマーチンをはいてきてくれたんです。あの時から、二人の中では『マイ・ブロークン・マリコ』という作品が始まっていた気がします。 映画への思いがお互いすごく強かったので、作品の話をするだけで、なんだか胸がいっぱいになってしまって。二人でお互いの存在に感謝して“ありがとう”とめちゃくちゃ泣きました。まだクランクインもしていなかったのに(笑)」
──それだけ密な関係を築いてきた二人だからこそ、「にじみ出せるものがある」という自信もあった。
「撮影は必ずしも楽しいシーンばかりではなくて。そんななかでも、カットがかかると芽郁ちゃんが“震えてる”と言って、自然と私の手を握ってくれたり、抱きしめてくれたりしました。芽郁ちゃんの優しくて強い部分はシイちゃんに通じるものがあったし、とても心強かったです」
──届いてほしいのは、マリコのように悲しみで満たされている人。
「“自分なんて”と一度でも思ったことがある方に、ぜひこの作品が届いてほしいと願います。だって、誰だって、生きているだけで、存在しているだけで絶対に誰かに影響を与えているはずだから。そのことを、この映画でシイノとマリコが身をもって伝えてくれると思います」