【20歳のための名作シネマ入門】Vol.3「おしゃれ気分を盛り上げたい!」おすすめ映画3選

2022.12.24更新日:2024.05.17

ライター・松山梢が選ぶ、ファッションにキュンとくる映画の名作たち

松山梢

松山梢

映画専門誌「ロードショー」の編集を経てフリーライターに。「non-no」「MORE」「MAQUIA」「BAILA」など、女性誌を中心にエンタメに関する記事やインタビューを執筆している。「non-no」本誌のシネマコラムでは、新作レビューを連載中。

映画はその時代のカルチャーを映す鏡。ヘアもメイクもファッションもインテリアも、どこを切りとっても「かわいい」しか出てこない、色褪せない名作をご紹介。

『シェルブールの雨傘』(1963)上映時間:1時間31分/フランス

映画『シェルブールの雨傘』メインビジュアル

AFLO

Story

フランス北西部の港町シェルブール。17歳の傘屋の娘・ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、20歳の自動車整備工・ギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)と結婚を誓い合った恋人同士。ところがある日、ギイの元にアルジェリア戦争の召集令状が届き、愛する2人は引き裂かれてしまう。

Recommend Point

今も現役で活躍するフランスの至宝、カトリーヌ・ドヌーヴが世界的に注目を集めるきっかけとなった60年前のミュージカル映画。2013年にLVMHがデジタル修復に協賛するなど、おしゃれ映画のアイコニックな存在として愛され続けている。ハーフアップにリボンをあしらったガーリーなヘアスタイルや、ワンピースにカーディガンを合わせるコーデ、バーバリーのトレンチコートなど、ドヌーヴ演じるジュヌヴィエーヴが体現する洗練されたフレンチシックは、どれも美ビジュアル。登場する部屋の壁という壁、なんなら家の外壁までとにかくカラフルなので、インテリア熱も刺激されるはず。

『クルーレス』(1995)上映時間:1時間38分/アメリカ

映画『クルーレス』メインビジュアル

Album/アフロ

Story

ビバリーヒルズに暮らす16歳の高校生シェール(アリシア・シルヴァーストーン)の趣味は、学校内のダサい人をおしゃれに変身させること。人気者の彼女はある日、セクシーな転校生のクリスチャンに夢中になるものの、彼がゲイであることを知りショックを受ける。さらに、自分が変身させた同級生のタイが、いつの間にか自分よりも人気者になっていた……。

Recommend Point

90年代にアイドル的な人気を博したアリシア・シルヴァーストーン主演のガールズムービー。ファッション好きのお嬢様らしく、毎日のコーデをコンピューターに任せるという驚きの描写も登場。クロップド丈のニットや美脚が目を引く超ミニスカ、シースルートップス、映画を象徴する黄色いチェックのセットアップなど、まさに“今”マネしたいコーデがてんこ盛り。ヒロインがノー天気なギャルに見せかけて、実は繊細で真面目でいい子という設定も好感度大。おしゃれをしたくなるだけじゃなく、元気ももらえる1本。

『パリの恋人』(1957)上映時間:1時間43分/アメリカ

映画『パリの恋人』メインビジュアル

Collection Christophel/アフロ

Story

カメラマンのディック(フレッド・アステア)は、ファッション雑誌「クオリティ」の編集長マギーに古本屋で働くジョー(オードリー・ヘプバーン)を推薦。ジョーはファッションにまったく興味がなかったものの、尊敬する哲学者が暮らすパリへ行けると聞き、モデルを引き受けることに。

Recommend Point

ファッションアイコンとしても人気だったオードリー・ヘプバーンの出演作は、どれも洗練されていておしゃれ。特にこの映画はモード誌を舞台にした物語のため、50年代ファッションの魅力が次々と映し出されるオープニングタイトルから、一瞬で心をつかまれる(ちなみにこのページで紹介している写真は、1950年代の雑誌「ハーパースバザー」で実際に使用された写真の別カット!)。地味な書店員役のオードリーがモデルとしてスカウトされ、パリの名所をバックに着せ替え人形のように次々とファッションシュートを行う展開に、ときめかずにはいられない。アカデミー衣装デザイン賞にも選ばれたエレガントな衣装は、『麗しのサブリナ』(1954)、『ティファニーで朝食を』(1961)でもオードリーとタッグを組んだジバンシィのもの。

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