【岡本夏美】舞台『点滅する女』で森田想とW主演! “霊に取り憑かれた女”役に挑む

2023.06.13

岡本夏美がW主演の一人をつとめる舞台『点滅する女』が、6月14日(水)より東京芸術劇場 シアターイーストにて上演開始! 本番に向け絶賛稽古中だった夏美に、共演者とのエピソードや演じる役柄について聞きました。舞台好きな人はもちろん、観劇未経験の人も、夏美の話を聞けば聞くほど、「見たい!」気持ちが湧いてくる♪
岡本夏美出演舞台「点滅する女」インタビュー撮り下ろしカット1

出演を熱望していた“ピンク・リバティ”の作品。3年以上の時を経て叶えた夢

岡本夏美出演舞台「点滅する女」インタビュー撮り下ろしカット2

――舞台『点滅する女』に出演が決まった時はどんな気持ちだった?

 

「この舞台は、山西竜矢さんが脚本・演出をつとめる“ピンク・リバティ”という演劇ユニットによる作品。私はこのピンク・リバティの作品にずっと出演したかったので、お話をいただいた時はすごくうれしかったです」

――出演したいと思ったきっかけはあるの?

 

「もう3年以上前の話になりますが、一度ワークショップに参加したんです。山西さんの脚本でお芝居をして、演出も軽くつけていただいたんですが、その時の温度感だったりがすごく合うなという印象を持ちました。ピンク・リバティが手がけた作品もいろいろ見させていただいて、好きなお芝居のテイストだなとも思っていたので、本当に念願の出演!」

――今作の脚本を読んだ時はどう思った?

 

「セリフのやり取りひとつにしても、人間の滑稽さが多く描かれているなと思いました。ある家族のもとに、亡くなった姉の霊に取り憑かれた女性が現れる…という、SFチックな話だけれど、家族がより家族になるためのベクトルが動いていくさまがリアルでもあって、台本を読みながらすごく不思議な感覚でした。なんていうか、笑いどころなのか泣きどころなのかが分からないみたいなやり取りも多くて」

――確かに、それは不思議な感覚。

 

「そうなんです。でも、その笑いどころか泣きどころなのか分からないという感覚は、稽古をしながらも日々感じています。山西さんともその話をしていて。ある出来事に対して、人間の不思議さや滑稽さを描いているけれど、それを見て、おもしろいと感じる人は笑えばいいし、その様子が刺さってしまった人は泣けばいいしっていうふうに、委ねている部分もある作品です」

――HPの作品概要には“ブラック・ユーモア”とも書いてあるよね。

 

「はい。でも、“ここで笑ってください!”というようなシーンは実は1つもなかったりします。がっつりコメディだと“ここは笑いどころだよ!”みたいなシーンがあるけれど、この作品はそれがないので、観てくれる方によって本当にリアクションが真逆になることもあるな、と思っています。回によっては大爆笑の回もあれば、まったく笑わない人たちの回もあるだろうから、実際に幕があがるのがすごく楽しみです」

稽古のテーマは“ヘラヘラ”!? 本番直前でも笑い止まらず

岡本夏美出演舞台「点滅する女」インタビュー撮り下ろしカット3

――夏美が演じるのは、亡くなった姉・千鶴の霊に取り憑かれている女性役。

 

「私、ポスターだとしっとりとした真剣な表情をしているんだけれど……実は劇中であの表情をする瞬間、1回もないんですよ(笑)」

――え、そうなの!?

 

「そう(笑)。ポスターだとすごく含みがある感じだけれど、実際に見たらいい意味で全然ちがう印象を受けると思います。私が演じる千鶴(に取り憑つかれている女性)は、かなり飄々としていて、イメージでいうと“台風の目”のような存在! 自分の周りでいろんな人が巻き込まれていくさまを“おもしろ”と思いながら見ているようなスタンスです」

――稽古現場はどんな感じ?

 

「もうみんな、ヘラヘラしています(笑)。実はそれは稽古をする上でのテーマなんです。稽古が始まってすぐに山西さんが、“できるだけヘラヘラやりたいです”というふうにおっしゃっていて。それは、自分たちの楽しいと思うこと、やりたいことをやりに来ているわけだから、厳しい状況下には置きたくない。だから、最初のうちはまず明るく楽しくやれたらいいなという意味だったと思うんですけれど、今現在もヘラヘラしちゃってますね(笑)。もう本番まで2週間を切って通し稽古をやっている段階(取材時)なのに、みんな笑っちゃったりして」

――どんなところで笑うの?

 

「お父さん役の金子(清文)さんキッカケが多いかも。金子さんにしかできないお芝居をされるんです。アドリブで仕掛けてくるわけでもないし、めちゃくちゃ真剣にお芝居をされているんですけれど、そのセリフの言い回しが本当に面白くて。それはセリフ自体に人間の滑稽さが出ているからこそ。みんな、耐えきれなくて笑っちゃいがち。私は役どころ的に笑って見ていても大丈夫なので、みんなに“本番もヘラヘラできてずるい”って言われています(笑)」

妹役の森田想(こころ)さんとは、まるで本物の姉妹のよう

岡本夏美出演舞台「点滅する女」インタビュー撮り下ろしカット4

――W主演で妹役の森田想さんとはどんな関係を築けている?

 

「私に妹がいたらこんな感じなんだろうなって思うくらい、リアル姉妹! 実際に私は弟がいる姉で、想は兄がいる妹。しかもお互いに仲間意識を持ちがちなB型っていうこともあって、かなりの相性のよさを感じています」

――どういうところに妹っぽさを感じる?

 

「想は本能のままに生きているんです。この舞台の中で最年少ではあるけれど、思ったことをはっきりと言葉にしてくれて、それがまたおもしろい空気になったりして。年下がすごく気を遣っていて、その姿にまた年上も気を遣っちゃうみたいなことはよくあるけれど、想のおかげでこの舞台ではそれがありません。想が“疲れた”って言うと、みんなが“一番年下が言うなよ(笑)”みたいにツッコんだりしてワーワーしつつ、休みましょうって流れになったり。しかも想本人が“こういうのは年下が突破していかなきゃいけないから!”と言っていたりして、その心意気が私はすごく大好き。言い方や態度に嫌味がなくて、本当にみんなに愛される愛嬌のある“THE妹タイプ”だなと思います」

――夏美もお姉ちゃんしがいがあるね(笑)。

 

「そう(笑)。あと何よりも想のお芝居が本当に素晴らしい。稽古しながらも毎回グッとくるシーンがたくさんあって、一緒にお芝居をしていて楽しいです」

――どんなお芝居に特にグッとくる?

 

「たくさんあるけれど、彼女のお芝居の自由さを感じた瞬間かな。毎回、ちょっとずつ違って、決め打ちのお芝居をしてこないんです。それでも成立するくらいの技量がもちろんあるし、その時思った感覚で演じているから、ずっと鮮度がいい。そういうお芝居をする人って、演劇の世界では珍しいんです。なんとなく型を決めてやる人も多いし、これという正解がない世界。だからこそ、想くらい自由にやってくれる人がいると、周りもその自由さにのって毎公演違う雰囲気になるだろうし、自分の演技もいろんな形になるから、勉強になることがたくさんあります」

追求するほど変化していく舞台。没入感がたまらない!

岡本夏美出演舞台「点滅する女」インタビュー撮り下ろしカット5

――舞台、ドラマ、映画といろんなお芝居の作品に出演しているけれど、夏美が思う舞台の楽しさは?

 

「やっぱり一番は生であること。スクリーンを隔てていないからこその作品への没入感は舞台じゃないと味わえない感覚だと思います。前に舞台をやった時に、私の弟が見にきてくれたことがあって。その時に“舞台はスクリーンの内側に入り込んで物語を見ているようでおもしろい”と言っていたんです。それには私も“確かに!”と思いました。でも、舞台をやっていてよく言われるのは“同じ内容を毎公演やっていて飽きないのか”ということ。毎公演何かしら追求できる部分があるから、私は一度も飽きたことないんです。むしろ追求すればするほど変化していくから、舞台が一番飽きがこないと思っているくらいです」

――公演期間中は緊張感がずっと続きそうだけれど……。

 

「緊張……は実はほぼしないかも。お芝居をしている状態のほうが、役に入っているからなのかな。“岡本夏美”としてステージに立つショーや舞台あいさつのほうが毎回緊張します!」

――単純に“セリフが飛んだらどうしよう”と不安になることもない?

 

「稽古期間が長い分、そういう失敗をすることは絶対にないと思っているかもしれません。セリフが飛んじゃっても、口が勝手にしゃべるんです。実際に今まで何度か飛んじゃったことはありますけど、気づいたら口がしゃべってる。脳は追いついてないのに(笑)。それぐらい、やっぱり稽古や練習って大事なんだなと思います」

――舞台期間中のリフレッシュ方法はある?

 

「例えば1日2公演ある時の合間の時間は、ギリギリまで寝ます。周りの人からビビられるぐらいギリギリまで寝ているかも(笑)。例えば2時間の空きがあるとしたら、15〜30分ぐらいでお昼を食べて1時間以上は爆睡。体力的に疲れちゃうのが私は一番ダメなタイプなので、しっかり睡眠をとってリフレッシュ! ただ、舞台ではヘアメイクを自分でするので、その準備をするのに30分ぐらいはとってあります」

――舞台中のメイクのこだわりや、必ず使うアイテムはある?

 

「クッションファンデ! ブランドにこだわりはないけれど、できればそんなに重ねなくてもカバー力があるもの。上演中は待機時間も長いし、厚塗りをすると汗をかいた時に気になってしまうから。クッションファンデは短い準備時間でもババっと塗ることができて便利ですしね。あとはスモークがたかれると乾燥もしがちだから、メイク前はしっかり保湿することも欠かせないかな!」

――最後にnon-no web読者に向けて舞台の見どころを!

 

「この『点滅する女』は聞いていて心地のいい会話も多い中で、ちょっと起きた事件をキッカケに物語がおもしろおかしく展開していく瞬間もあるから、とにかく飽きがこない舞台! 今まで舞台を観劇したことがない人にも、すごく見やすい作品になっていると思います。そして個人的に今回すごいなと思うのが、チケット代がお安いこと。舞台って1万円前後しちゃうことも多い中で、前売りチケットは4800円、当日なら5000円、さらに高校生以下は1000円! すごく意味深なポスターに感じちゃうかもですが、とりあえずカラオケ行くぐらいの感じで見にきてほしいです(笑)。そしてこの作品をキッカケに演劇を好きになってくれたらうれしいです!」

Information


舞台『点滅する女』

山あいの田舎町で父、母、兄と共に実家の工務店で暮らす田村鈴子(森田想)は、5年前に長女・千鶴が亡くなって以来、家族の関係に悩んでいた。そんなある日、千鶴の霊に取り憑かれているという見知らぬ女(岡本夏美)が現れて……。喪失を抱き苦しむ家族に訪れた、幻想的なひと夏の物語。

●6月14日(水)~6月25日(日)に東京芸術劇場 シアターイーストにて上演。

ブラウス¥12100/ココ ディール スカート¥17600/SR イヤリング¥3960/マチルダローズ リング(左人差し指)¥12980・リング(右人差し指)¥16940(ともにポレット フェルン)・リング(右中指)¥15400(スキャット)・バングル¥13200(アジンコ)/ロードス 靴¥18700/ダイアナ 銀座本店(ダイアナ)

Profile

岡本夏美 プロフィール | non-no Web|ファッション&美容&モデル情報を毎日お届け!

岡本夏美インスタグラム

 

1998年7月1日生まれ、神奈川県出身。ノンノ専属モデル。『ハニーレモンソーダ』 や『賭ケグルイ』など、映画やドラマから舞台まで、数多くの話題作に出演。

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