――おなじく当時の新体制のモーニング娘。を代表するアルバム『⑬カラフルキャラクター』が発売されたのも2012年ですよね。
譜久村 『⑬カラフルキャラクター』は特に大好きなアルバムなんです。先輩二人にはそれぞれソロ曲があって、9期と10期は『笑って! YOU』という楽曲をいただきました。ライブで人気の『ドッカ~ン カプリッチオ』とかもこの時のアルバムに収録されていたのかと思うとちょっと歴史を感じますね。あと個人的にはこの時の衣装もすごく可愛くてそれも印象に残っています。そしてこのタイミングだともう小田(さくら)が加入してますね。 秋のツアーで発表になったので、それもすごく記憶に残っています。
――11期の加入するタイミングも10期に続いて早かったですよね。当時の心境は覚えていますか?
譜久村 新メンバーオーディションがあると聞いた時は「また……!? 」とは思いました(笑)。もちろん焦りは感じましたけど、10期の時に一度経験したこともあってメンタルはそこまで落ちなかったです。逆に10期は相当ショックを受けていたと思います。私たちと同じように「自分たちがダメだったのかな」とかそういうことを考えてしまっていたのかな。
――実際に11期として小田さんが入ってきた時はどうでしたか?
譜久村 小田は昔から本当にまったく人見知りをしない子で。物おじせず先輩メンバーにも接してくるタイプだったので、急に抱きつかれて焦る10期を見て「いいぞ、もっとやれやれ〜」とか思っていました(笑)。そこで10期が「私たちのほうが先輩なのに」みたいなことを言い出して、「あなたたちも9期に同じようなことしてきたでしょ〜!」とか突っ込んでみたり(笑)。小田は一人加入だったんですけど、普通だったら直近の先輩が4人いて、さらにその上にも4人いるみたいな環境に放り込まれたら萎縮しちゃうじゃないですか。でもそこはさすが小田、という感じで。他の誰ともかぶらない強い個性がある子だったので、そういう子が入ってきてくれて本当によかったなと思いました。10期を一人で焦らせる貴重な存在だったと思います。
――11期加入の影響で9期と10期の関係性に変化は生まれましたか?
譜久村 11期オーディションがあると聞いたタイミングぐらいから結束力は高まったと思います。引き続き喧嘩もしていましたけど(笑)。でも9期が先輩として10期に注意するような機会が少しずつ出てきて、「このままじゃ本当にやばい」みたいな話し合いをしたことは覚えています。「今のグループで本当にモーニング娘。と言える存在は道重さんと田中さんの二人しかいないんだから。私たちまだモーニング娘。にはなれてないよね」といったことも話していました。自分たち新メンバーが頑張らないと、本当にモーニング娘。が終わってしまうという危機感がすごくあったので、それを10期とも共有したくていろいろ話しました。その時は10期もすごく真剣に話を聞いてくれて、みんなで「そうだね」って団結したのを覚えています。
――2012年を総括するとどんな年だったと思いますか?
譜久村 そうですね、この年以上に暴れることはもうこれからないと思います。一生分って言えるぐらいはしゃぎましたね(笑)。あとは10期のおかげで自分の殻を破ることができました。それまでの自分は性格的に、たとえば「(10期に)ズルいよー!」とか絶対直接言えないタイプだったんですよ。でも10期というメラメラさせてくれる存在がいて、みんな一緒に騒ぎまくったことで、自分の気持ちを自然と外に出せるようになったのはすごく大きな変化でした。
――最後に譜久村さんにとっての2012年を一言で表すと?
譜久村 「人生で一番暴れた年、自分を変えるきっかけをつかんだ年」です。歌の面でも成長はできたのではないかなと思うんですけど、田中さんが卒業した後に田中さんのパートがほとんど小田にいってしまって。そこでまた悔しい! まだまだだな、という感情が生まれて、引き続き頑張ろうっていう気持ちになりました。なので歌に関しての葛藤の話はまだ続くという感じですね。