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2023.10.20更新日:2024.08.08
――2019年も前年に引き続き、ハロー!プロジェクト20周年記念ならではの特別な出来事が続きましたね。恒例の春コンサート「ひなフェス」には、同期メンバーの鞘師里保さんをはじめモーニング娘。の各時代を彩ったOGたちが登場しました。
譜久村 前年もそうでしたけど、この年のひなフェスもすごく豪華でしたよね。この時すごく覚えているのが、里保ちゃんが自分はひなフェスに出るべきか否か、というのを事前に相談してくれたことです。里保ちゃんが卒業した時、私は個人的に「もっとこうしておけばよかったのかも」と考えたりすることがありました。でも、そこで立ち止まっているわけにはいかないから、里保ちゃんが卒業してからの数年間はとにかく振り返らず前に進もうって自分を奮い立たせて頑張っていたんです。でも、やっぱり心のどこかではその時の未練みたいな気持ちもあって。だから本当にすごくいい機会をいただいたなと思います。里保ちゃんは「(ファンの人たちに)受け入れてもらえるのかな?」ということも心配していたみたいですけど、「受け入れてもらえないはずがないじゃん!」「とにかく私は里保ちゃんと一緒にパフォーマンスしたい!」という気持ちを伝えました。それで最終的には「出る」って言ってくれました。
それで一緒にパフォーマンスすることになって久しぶりに会えたこともうれしかったし、里保ちゃんからの気持ちみたいなものもすごく感じましたね。あとは里保ちゃんって例えば歌だったら小田(さくら)だったり、ダンスだったらあゆみん(石田亜佑美)だったり。私とかえりぽん(生田衣梨奈)だったら同期、みたいな感じでメンバーそれぞれとの深い関係性がたくさんあって。だからメンバーもそれぞれ一回のパフォーマンスだけでもしっくりくるような感覚があったと思うし、同時に刺激も受けたし、いろんな相乗効果で全員がキラキラと輝くようなパフォーマンスができたんじゃないかと思いますね。
――他にもその時の9期エピソードがあれば教えてください。
譜久村 その時に参加できなかった(鈴木)香音ちゃんのメンバーカラーを3人ともネイルに取り入れて、9期メンバーとして気持ちを一つにしました。それを写真に撮ってグループLINEでやり取りとかしましたね。香音ちゃんも「うれしい〜!」って返事をくれました。
――そして春に開催されていた「モーニング娘。’19コンサートツアー春 ~BEST WISHES!」は久しぶりに卒業、初参加のメンバーがいないツアーとなりました。何か印象に残っていることはありますか?
譜久村 ゲストにこぶしファクトリーとかが来てくれたりしたツアーですよね、懐かしい。卒業するメンバーがいなかったこともあって、安心感みたいなものはありましたね。だから落ち着いた気持ちでツアーに向き合うことができたし、頭の中もスッキリじゃないですけど、ちゃんと整理できていた気がします。それぞれが個性をぶつけられるようなツアーだったと思います。
――そのほか、2019年の前半で印象に残っている出来事はありましたか?
譜久村 ダンスの先生が変わったんです。それで2019年の春コンサートから構成がどんどんハードになっていきました。かなり鍛えられたので全員の体力がすごくアップしたと思います。えりぽん(生田)なんか、4カウントで端っこから端っこまでみたいな超人的な移動をしていましたからね(笑)。
そしてこの時期はとにかくみんなが新メンバーの加入を楽しみにしていたことも印象に残っています。新しいメンバーが次々に入ってくるサイクルにすっかり慣れていたので、「早く来てほしい!」という感じでしたね。
――そして6月に待望の15期メンバーが加入となります。久しぶりに一般応募からの加入メンバーもいましたが、当時の心境など覚えていますか?
譜久村 15期に対しては私だけでなく、全員が「可愛い!」という感情しかありませんでした。グループとしていい意味での余裕が生まれ始めてきているタイミングでもあったので、受け入れ態勢はバッチリという感じでしたし、みんなで新メンバーを支えていこう! といういいムードでしたね。新メンバーだけの先行レッスンにも、スケジュールが空いてるメンバーが駆けつけて一緒に教えたり、自分たちの今まで培ってきた知識みたいなものをどんどん分けていきたいという感じでした。そして15期もすごく頑張ってくれる子たちだったので、どんな時でもマイナスな空気にはならないし、常に楽しそうに踊っていて、安心感がありました。でもやっぱり新人だから、どんなアクシデントがあっても私たちがカバーしていこう! という気持ちも忘れずに持っておこうとは心がけていました。
――グループとしてすごくいい雰囲気が出来上がっているなかで迎えた2度目の夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」はどうでしたか?
譜久村 前年での反省点から気合いは十分でした。しかもこの年は最大級のステージ・GRASS STAGEでトップバッターという大役を務めさせていただくことになったので、私だけではなく全員の気合いがとにかく半端なかったです。当日に向けて暖房をつけた部屋で練習をしたり、そこで崩れないメイクの検証もしてみたり(笑)。そして出演が決まった段階から「こういう曲やりたいよね」とメンバー間でもよく話をしていました。わざとマネージャーさんの前で大声で話して、遠回しにアピールしてみたり(笑)。前年同様に持ち時間で目一杯パフォーマンスをお見せしたかったので、最終的には「この曲をフルサイズでやるなら、この曲も入れたい」など、具体的な意見を出してメンバーみんなで掛け合ったりした記憶もあります。最終的には自分たちの気持ちも反映してもらってのセットリストになりました。そして、この後から15期が合流して活動していくことが決まっていたので、その前の11人体制の集大成じゃないですけど、それぞれがパフォーマンスに向き合った成果だったり、そこで得たものを爆発させることができるようなステージになったと思いますね。
ただ唯一残念だったのが当日の朝に高速道路の渋滞があって、バスや車で駆け付けようとしてくださっていたファンの皆さんや、ステージを見にくるはずだった15期が間に合わなかったんですよ。
――暖房をつけた部屋で練習したエピソードはファンの間でも話題になっていましたよね。そのほか体力面強化のためにしたことはありますか?
譜久村 私はこの年、筋力トレーニングへのモチベーションがすごく高まっていたので、結構体を作り込んだ状態で当日を迎えることができました。その結果、前年とは違って本当にバテることなくパフォーマンスをやり遂げられましたね。あとはロッキンという目指す目標があったから、より意識も高くなって、炭水化物を控えるなど食生活も結構意識していました。でもそのストイックな生活をちょっと楽しんでやっているところもあって。だからメンバーも一緒に筋トレしたり、お互いに情報交換とかをしたりして、そういう時間もすごく楽しかったです。
いま改めて振り返っても初めてのGRASS STAGEは本当に感動しました。前年にも今まで見たことがない景色を見せていただきましたが、またさらにパワーアップして新しい景色を見せていただいて。その時実際に見たお客さんの顔も忘れられないし、翌日などに上空から撮影された映像をニュースなどで見て「こんなにたくさんの人がいる場所で私たちはライブしていたんだ!」って驚いた記憶も残っています。
――そして15期が合流して迎えた秋ツアー「モーニング娘。’19 コンサートツアー秋 〜KOKORO&KARADA〜」はどうでしたか?
譜久村 春ツアーに引き続き、ダンスの先生に鍛えられていたので、フォーメーションなどでもすごく魅せることができたと思います。あと個人的には9~11期ユニットで、『冷たい風と片思い』『抱いてHOLD ON ME!』の2曲を公演ごとにパフォーマンスできたことも印象に残っています。ずっと一緒にやってきた5人だったので、すごくしっくりくるものがあったというか。音楽をナチュラルに楽しめたし、それぞれの魅せ方も定まってきている状態だったので、ひたすら楽しかったです。みんな同じ気持ちだったみたいで「この5人でもっとやりたい!」ってよく話してました。あとは「今の5人で『I’m Lucky girl』をやりたい!」って盛り上がっていました。高橋愛さんがリーダーだった時代にメンバーが5人になった時期があったんですけど、その時にこの曲をパフォーマンスされていた姿がとにかくかっこよくて。すごく憧れていたので、いつかやってみたいという気持ちがずっとあったんですよね。その時はかなわなかったんですけど。
15期は新メンバーあるあるなのですが、リハーサルの段階からかなりビシバシ鍛えられていましたね。頑張る子たちではあったんですけど、まだ慣れない環境で大変だったと思います。だからコンサート中のMCで岡村ほまれちゃんが「(モーニング娘。の活動を始めてから)仲がよかったお友達と遊べなくなってしまった」と、普通の中学生の女の子の気持ちが思わず出て泣いてしまった時のことも、すごく覚えています。15期は3人とも厳しいことも素直に受け止めて頑張るタイプだったので、その姿を見て、「頑張れ!」という気持ちでいっぱいでした。だからラストの代々木第一体育館での公演は本当に感動しかなかったです。
――そのほかに印象に残っている15期メンバーのエピソードなどはありますか?
譜久村 北川(莉央)はジャンプもスキップもできないという子だったので、やっぱりダンスにもすごく苦労していたんですけど、最終的には気合いで仕上げてくる子なんです。ジャンプもスキップもできないまま踊れるようになったんですけど、本当にすごいですよね。そういう北川の成長する姿を見て、モーニング娘。に憧れてくれるようになる子もいるんじゃないかと思います。「モーニング娘。とかアイドルに憧れるけど、自分は無理だろうな」と思ってしまう子たちにも、すごく勇気を与えてくれる存在なんじゃないかと。そして15期を含めた新体制でノンノさんに登場させていただいたときの撮影がこの年の年末ぐらいにあったんですけど、私はめいちゃん(山﨑愛生)と同じグループで撮影して。写真だと大人っぽく写っているんですけど、めいちゃんから「ネイルしたの、まだ2回目です」みたいな話を聞いてキュンキュンしたのも覚えています(笑)。
――15期以外の先輩メンバーにまつわるエピソードもあれば教えてください。
譜久村 秋ツアーぐらいのタイミングから(佐藤)優樹ちゃんがすごく変わった気がしました。優樹ちゃんいわく大殺界を迎えてたらしいんですけど、なんというか、すごく人の言うことに耳を傾けるようになったんです(笑)。秋ツアーで披露した『雨の降らない星では愛せないだろう?』では、優樹ちゃんと野中(美希)がピアノを演奏する素敵な演出があったんですけど、あの時の映像を見返したりすると「このタイミングで優樹ちゃん変わったな」ってことを一緒に思い出します。
――そしてこの年は年末にメンバーの森戸知沙希さんが兼任するカントリー・ガールズが活動休止となりました。森戸さんがモーニング娘。に加入するタイミングでは、自ら兼任という大切なことをサプライズ発表しなければならなかった際の心境を語ってくださいましたが、この時はどんな気持ちだったのでしょうか?
譜久村 カントリー・ガールズは私にとってもすごく大事な存在でした。ももち(嗣永桃子)先輩が残してくれたものをしっかりと受け継いでいて、それをすごく大切にしながら活動してくれていて。だから歴でいうと後輩にあたるけれど、持っている感覚はすごく近いものを感じる存在でもあったんですよね。ハロー!プロジェクトの中では珍しい少人数のグループでしたが、ハロコンやひなフェスなどのイベントでは進んで盛り上げてくれる頼もしい部分もあって。あとはやっぱり、純粋にグループのファンでもあったので、活動休止は本当に寂しかったです。本当にいろんな感情がありましたけど、ちぃ(森戸)に対しては「兼任本当におつかれさまでした」という気持ちもありましたね。
あと私はメンバーの山木梨沙ちゃんとすごく仲よしだったんです。同じ熱量でハロー!プロジェクトのことを語れる貴重な存在でしたし、そんな梨沙ちゃんが引退してしまうことはすごく悲しかったです。なんだか今まで感じたことがない悲しい気持ちでいっぱいになったんですよね。グループとしてはここで活動休止になるけど、私はずっと大好きだし、本当に素敵な楽曲がたくさんあるグループなので、自分たちが少しでも届けられたらいいなと思っています。
――2019年は譜久村さんにとってどんな年でしたか?
譜久村 15期と出会えたことが本当に大きかったです。そして15期の存在によって先輩メンバーの母性がすごく芽生えました。例えるなら母親を通り越して孫を見つめるおばあちゃんみたいな(笑)。後輩によってこんなにもメンバーの気持ちも変わっていくんだということをすごく感じました。あとはやっぱり同期の里保ちゃんと再び一緒にパフォーマンスできたこともすごくうれしかったです。その他にも6月にリリースした『人生Blues』のMVにははるなん(飯窪春菜)が登場してくれたり、年末のカウントダウンコンサートでは、どぅー(工藤遥)と一緒に『Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜』を歌ったり。2019年は、近年卒業したOGメンバーの“一時復活”的なイベントが結構あったんですよね。とてもうれしい出来事が多かった2019年でした。
「モーニング娘。’19コンサートツアー春 ~BEST WISHES!」のステージ写真
「モーニング娘。’19コンサートツアー春 ~BEST WISHES!」のセンターステージ写真
15期メンバー発表イベントでのメンバー集合ショット
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019にてGRASS STAGEでのパフォーマンスショット
「モーニング娘。’19 コンサートツアー秋 〜KOKORO&KARADA〜」のステージ写真
「モーニング娘。’19 コンサートツアー秋 〜KOKORO&KARADA〜」のアンコールステージ写真
『乙女の心理学』
――毎回メンバー一人一人に、譜久村さんが贈りたいモーニング娘。の楽曲をセレクト。 第九回は11期メンバーの小田さくらさんです。
譜久村 小田に贈りたいのは『乙女の心理学』です。小田といえばやっぱり歌じゃないですか。あと、大きな愛! 小田からの愛はいつもすごく感じています。そんなイメージにすごくぴったりなんじゃないかと思って選びました。あとはこの曲ってどこか夢を見ているような雰囲気もあって、そこもすごく小田に重なりますね。小田を見ていると「この子はモーニング娘。になるべくしてなった人だったんだな」って思うことがよくあるんですけど、それぐらい独自の空気感がある子なんです。そして周りに流されることなく、その個性を大事にしているところが大好きだし、これからもそのままずっと大事にしてほしい。音楽とリズムで生きているような子でもあるので、そこも同じくずっと大事にしてほしいです。あとこの曲は小田と「いつか一緒に歌いたいね」って話していたんですよね。いつか実現できたらいいなと思います。
●ふくむら みずき 1996年10月30日生まれ、東京都出身。ハロプロエッグ(現ハロプロ研修生)を経て、2011年に9期メンバーとしてモーニング娘。に加入。2014年にモーニング娘。史上最年少でリーダーに就任。2016年よりハロー!プロジェクトのサブリーダー、2019年よりハロー!プロジェクトのリーダーも兼任する。愛称はふくちゃん、メンバーカラーはホットピンク。当時のプロデューサー、つんく♂から「少しウエットな色気のあるメンバー」と評価を受け、独自の魅力を磨きつつステージでは高いパフォーマンス力を見せつけるオールラウンダーとしても知られる。
カーディガン ¥5940/ナイスクラップ(ナチュラルクチュール ナイスクラップ) ワンピース ¥16940/RANDA イヤリング ¥3960/サンポークリエイト(mimi33) リング ¥16500/ロードス(クジャク)
モーニング娘。’23
「すっごいFEVER! /Wake-up Call〜目覚めるとき〜 /Neverending Shine」
前作から約10か月ぶりとなる73rdシングル「すっごいFEVER!/Wake-up Call~目覚めるとき~/Neverending Shine」が2023年10月25日にリリース決定。今年5月に加入した新メンバー井上春華と弓桁朱琴にとっては初のシングル。そして、秋のコンサートツアーをもって卒業する現リーダー譜久村聖にとってはラストシングルとなる。現在の14名体制での最初で最後のシングルとなり、全7形態で展開予定。
撮影/柿沼琉(TRON) ヘア&メイク/NAYA スタイリスト/前田涼子 取材・原文/武内亜紗
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