マッチングアプリで会った人と付き合うことがもう珍しくない時代になった。でも、登録はしてみたけどなんだかやりとりが疲れるな……、という人も多いのではないだろうか。
この本はやはりそんなふうにマッチングアプリで疲弊してしまったひとりの女子が起こしたささやかな革命の物語。それは顔写真すら載せず、マッチした人とただ日記を交換するだけ、というちょっとユニークなアイデアの実践だ。
本や映画やアートの話が中心だった日記に、やがて恋の相手が登場するようになる。日々リアルに綴られる文章には、恋の始まりのきらめきも、相手を想う気持ちも、そして心がさめていく瞬間までもが鮮明に焼き付けられていて、自分のできごとかと錯覚するくらいドキドキしてしまった。
都会の生活に憧れている人も、出会いにちょっと臆病になっている人も、読めば元気が出ること間違いなしです。