カットがかかっても込み上げた“止まりたくない”という感情
本番に備えた準備は今までにないくらいしましたし、撮影が始まってからも自分が持っているものをすべて出し切りました。寒かったり、寒かったり、寒かったりしたなか(笑)、半袖&半ズボンの衣装で過酷ではありましたが、必死にロードバイクと向き合うことができた『弱虫ペダル』は、僕にとっていろいろな思いが詰まった作品です。特に注目してほしい場面は、インターハイ予選のシーンです。レース中は前を走っている人を思わず抜かしたくなりましたし、カットがかかった後も「このまま走り続けたい!」と思ったくらい燃え上がりました。観客役のエキストラの方がたくさん集まってくれて、本当の大会のような雰囲気にのみ込まれそうになったりもしましたが、そんな緊張感もスクリーン越しに皆さんに伝わったらうれしいです。撮影中には気づく余裕はなかったのですが、後から映像を見返すと、すごく眺めのいい場所で走っているんですよ。そんなキレイな景色も、物語と合わせて楽しんでいただきたいです。
この作品をきっかけにロードバイクや自転車競技のいろはを学んで、今はもっと早く出会っておきたかったなというのが正直な気持ちです。それくらい奥が深くて、おもしろいですし、何よりも、一人では勝てない、“仲間がいることで強くなれる”スポーツだというところに心惹かれました。大事なのは、それぞれが任された役割と向き合い、自分を追い込んで努力することと、どんな状況においても必ず走り切るという強い気持ちです。強い絆を感じながら、心身ともに鍛えることができるロードバイクに、僕自身も、機会があればこれからも乗り続けていきたいなと思います。