アイドルをやる、って、ほんとうに大変なことだろう。どんなに努力しても報われるとは限らず、目立つ場所に立てないまま去っていく人も多い世界。だけどその人の人生はそこで終わるわけではない。
本書には8人の"元"アイドルが登場し、その後の人生を語る。彼女たちの人生は、アイドル時代よりも挫折を経験してからの方が、真のその人らしさを感じて魅力的にさえ思えた。著者自身も卒業後の生き方に悩み、苦しんだ立場だからこそ、まるでお姉さんのように彼女たちの素直な思いを引き出せたのだろう。読後は爽やかでやさしい気持ちになれる。
アイドルに興味のある人はもちろん、学生時代はアスリートだったけどもう引退したという人や、若くして夢に破れた人、今の自分の夢は叶わないかもしれないと思っている人、就職したけどうまくいかなかった人……そんな人にも読んでほしい。
一生懸命に生きている人は、アイドルでも、そうでなくても美しい。それだけなのだと思う。