佐久間大介さん(Snow Man)インタビュー★ 映画『白蛇:縁起』で声優としてダブル主演!

2021.07.29更新日:2021.07.30

長いジャニーズJr.時代を経てデビューの夢をつかみ取り、華々しく活躍するSnow Manの佐久間大介さん。無類のアニメ好きとしても知られる彼は、この夏、中国で大ヒットしたアニメーション映画『白蛇:縁起』の吹き替えで、声優として初めてダブル主演を果たした。2つの大きな夢を叶えた今、見えてきたものとは?

初めて経験したすべての感情が今後につながる宝だと思う

「アニメヲタク兼Snow Man」。これが、佐久間さんが自分につけているキャッチコピー。常々、アニメ声優への愛も口にしていた彼は、フル3DCGアニメ映画『白蛇:縁起』で、人気声優の三森すずこさんとともに日本語吹替版の主演に抜擢された。 「『これ決まったから』とマネージャーさんに言われた時は、『えええええ!!』って(笑)。大声出すくらいビックリしました。驚きや戸惑い、恐怖心がすごくありましたね。僕自身アニメ好きなので、生半可なものは出せないっていう気持ちもありましたし、葛藤の中で喜びを感じました」
 ただし、これまでにもアニメ『ブラッククローバー』のゲスト声優や、バラエティ番組『それSnow Manにやらせて下さい』のアフレコ企画など、声の仕事を経験はしている。
「でも、海外作品の吹き替えは今回が本当に初めてだったので、とにかくガムシャラでした。キャラクターの口の動きに合わせた演技の仕方だったり、現場での動き方や基本的なルールは三森さんに教えていただきました。しかも今回はゲストではなく主演。気持ちの上でも今までとは違いましたね」

魅力的な役に命を吹き込む幸せ

 キレのある圧倒的なダンススキルとダイナミックなアクロバットを得意とし、表現することにおけるセンスのよさはピカイチ。今回のノンノの撮影でも、目指すべき世界観を瞬時に把握し、さまざまな表情を繰り出す勘のよさを発揮したが、彼の表現力は生まれ持ったセンスだけで成り立っているわけではない。その裏にある、“好き”を追求し、努力を惜しまないまじめさが、パフォーマンスの土台を作っている。
「本番の前に共演の皆さんとの練習があったんですが、台本が出来上がったのはその1週間前。すごく不安だったので、まずは仮台本をもとに映像を見ながら声を当てる練習をしました。『もっとこんな感情なのかな』と何度も録音して確かめたり。とにかく家でめっちゃ練習を繰り返しました」
 演じたのは、見た目は美しい少女である白蛇の妖怪・白と恋に落ちる、心優しい人間の少年・宣。
「中国の声優さんが当てた原音がもともと低かったのもありますし、オリジナルアニメとは違って吹き替えなので、『とにかくナチュラルなテンションでフラットに演じてほしい』とディレクションしていただいたんです。僕、普段のテンションが高くてバグっているんで、『ナチュラルなテンションって何だ?』って思いましたけど(笑)、落ち着いた声で、低めに作りました」
 注目は、宣が船の上で歌を歌うシーン。佐久間さんの優しくはかなげな歌声をたっぷりと堪能できる。
「Snow Manで歌う時とはまた違う、僕の声をじっくり聴いてもらえる曲ですよね。ある意味キャラソンみたいなものですから(笑)。普段アイドルとして歌う時はたくさんの人に届けるように意識するんですが、今回はゆったりしたメロディだし、白一人だけに聴かせるように力まず、ビブラートも使わずに歌うことを意識しました。僕は今回セリフの部分とは別に歌をとったんですが、プロの声優さんたちはセリフを当てつつ、途中の歌のパートもそのままの流れでとることが結構あるそうなんです。いつか自分も『それやりてー!』って思いました」
 エンディングに流れるのは、Snow Manの新曲『縁 -YUÁN-』。映画の世界観を表した壮大なバラードだ。
「イントロの歌い出し一発目から、『わ、映画の主題歌だな』って分かる曲なんです。中国語の歌詞も含まれているんですが、Snow Manは1年以上前から中国語を勉強させてもらっていて。そういう意味でもすごく“縁”を感じるし、今の僕たちだから出せるすべてが詰まっていると思います」

いつか声優という肩書きを手にしたい

初主演作であり、声優としての長編映画デビュー作でもある本作は、これからどんな経験を積んだとしても、特別なものになることは明らか。
「完成した作品を見た時は、反省点のほうがバリバリ見えました。自分も本当にアニメが好きだから、気になるところは気になっちゃって。でも、デビュー作だからこそたくさんの初めてを経験できたし、それは絶対に次に生きる。すべての感情が宝だなって思いました。それに、いいところはいいと思えたんです。たとえば何かを投げるとか、登るとか、息のアドリブは得意。どこで培ったのか自分でも分からないけど(笑)。アクションシーンが多かったので、そこは生かせたと思います」
 声優の奥深さを知った今。お芝居に対する向き合い方にも大きな変化が。
「役によって『これ、多分何も考えずに言っているんだろうな』って思うセリフがあるとするじゃないですか。でも、この作品を経験してからは、『なんで何も考えていないんだろう?』と、一歩踏み込んでさらに心情を理解しようとするようになったんです。『滝沢歌舞伎』でも6年間同じキャラクターを演じていますが、心情をより意識して芝居に取り組むようになったことで、『もっと役のよさを表現できる』と思えるようになりました」
 そして最後に、つかんだ夢の“その先”について尋ねると、「肩書きを増やしたいです!」と瞳を輝かせた。
「今後も声優をずっとやっていきたいなって、改めて思ったんです。特にテレビアニメの声優はレギュラーで挑戦してみたい。毎回出演することで、もっと勉強することや得られることがあると思うんです。そしていつか、今あるSnow Manという肩書きだけでなく、声優・佐久間大介という肩書きも手に入れたい。アニメのエンドロールを見た人が『え、この役の声優さんアイドル? あのSnow Man?』ってなってくれたら最高ですね。声優として認知してもらえるようになるという夢が、より明確になった気がします」
「アニメヲタク兼Snow Man」というおなじみのキャッチフレーズが、「アニメ声優兼Snow Man」に変わる日も、そう遠くないかもしれない。

Profile/Information

●さくま だいすけ 1992年7月5日生まれ、東京都出身。2020年にSnow ManとしてCDデビュー。4枚目のシングル『HELLO HELLO』が発売中。オープニングテーマを務めるアニメ『ブラッククローバー』に昨年、声優としてゲスト出演。

映画『白蛇:縁起』日本語吹替版

舞台は晩唐の時代。見た目を美少女に変化している白蛇の妖怪・白(三森すずこ)は、対立する国師を刺殺しようとして失敗。逃亡の末に記憶を失い、捕蛇村の少年・宣(佐久間大介)に救われる。二人は、白の記憶を取り戻すための旅に出る。その道中で互いに惹かれ合い恋に落ちるものの、白が蛇の妖怪であることが明らかになってしまう……。

●7月30日(金)より全国公開

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2021年9月号掲載
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