推しができないっておかしいことですか？【ジェーン・スー＆堀井美香のOVER THE SUNコンビに人生相談】

大人気Podcast『OVER THE SUN』から先輩名コンビが登場！

幅広い世代から支持を集めるお二人が、ノンノ読者の悩みに真剣回答！ 率直な言葉に、背中を押してもらえるはず！

【ジェーン・スーさん】

大学卒業後、大手レコード会社に勤務。現在は、TBSラジオ『ジェーン・スー　生活は踊る』パーソナリティのほか、作詞家、コラムニストとしても幅広く活躍。著書『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』『生きるとか死ぬとか父親とか』などヒット作多数。

ノンノ世代の頃…
「私は、ノンノが全然楽しめない大学生でしたね。今以上に、はやりが画一的だった時代、そういうものが何一つ似合わず愕然としましたから。それに、20代の頃って、みんなより楽しそうに見えたかったんです。だから、〝私って確実にイケてないんじゃないの……!?〟みたいな、今考えるとどうでもいい悩みはありました（笑）。でも、一生懸命仕事はしていましたね。それは今振り返っても自分の糧や誇りになっていて。10代や20代のうちは、やりたいと思ったことは、とりあえずやってみたらいいと思います。〝私なんか目立っちゃいけない〟とか〝失敗しちゃいけない〟とか思わずに。失敗して笑い話になるのは20代までなので、自分に自信を持って好きなことをやってほしいと伝えたいです」

【堀井美香さん】

TBSにアナウンサーとして入社し、バラエティ番組を中心に活躍。２年目に結婚し、翌年に長女を、その後長男を出産。現在は『坂上&指原のつぶれない店』や『バナナサンド』『パパジャニWEST』など、人気番組のナレーションを多数務める。

ノンノ世代の頃…
「大学時代は、バブルど真ん中の先輩にくっついて遊んでいたので、割と楽しくやっていました（笑）。それで、卒業後は田舎の秋田に帰って公務員になろうと思っていたんです。アナウンサーの試験を受けたのも、大学の事務室でたまたま先生にすすめられて、面接の練習になるかなと思って行ってみただけで、偶然なんです。ただ、大学時代にお見合いをしたこともあるくらい当時から結婚願望は強かったから、入社翌年に結婚したことも、その翌年に出産したことも、自分の感覚としては至って普通でした。ノンノ読者の皆さんは、たぶんこの先いろいろと計画を立てなきゃいけなかったりすると思いますけど、無理に決めつけなくてもいいんじゃないかなって。思いがけないチャンスが巡ってきたり、予想もしない道に進むのも楽しいと思いますよ！」

相談

推し活ブームの昨今、スーさんをはじめ、周りの人はほぼ全員推しがいる状況です。しかし、私はどう頑張っても推しができません。実際に会ったり話したりできない相手に、恋心が生まれないのです。推しトークにも入っていけず、孤独です。この差って何なんでしょうか？ また、今後も頑張って推しを見つけるべきなんでしょうか？

推し活には知性が出る。だから、他人の推しの話を聞くだけでも人生は豊かになります。そして、本当の「孤独」とはそんな甘いもんではありません！──（スー）

スー　自分のリアルな生活が十分に満たされていて、やることが他にあるのであれば、推しがいないっていうことはなんら不自然ではないです。それに、推しって作ろうと思って作るものではなくて突然恋に落ちるように出現するものなので、頑張って見つけるべきなんていうことはまったくないし、そんなの無理ですよっていう話ですよね。周りのみんなと話が合わないのはかわいそうだなって思うけど、私は自分の推しができる前から、他人の推しの話を聞くのがすごい好きだったんです。なんでかっていうと物の見方の勉強になるんですよ。推し活って、その人の知性がモロに出るから。

堀井　へぇ～。

スー　盆栽とかと同じで、「なるほどこの人はこうやって楽しむのか」っていうのを知っておくと、のちのち自分のプライベートとか仕事の役に立ったり、なんの役に立たなくても人生は豊かになると思います。とにかく、推しはある日突然できることもあるから心配しなくていいですよ。堀井さんも、できてないからね。

堀井　楽しそうだなと思って頑張るんですけど、なんか忘れちゃうんですよね（笑）。「あ、そうそう、私、この人が推しだった！」って、時々思い出すんだけど。

スー　私の周りには他にも推しがいない人っているんですけど、地に足をつけて現実を生きている人はそんなに推し活にパワーを割かないですね。逆に、喫茶店とかで「もしここでこうなったら……」って延々と＂もしもシリーズ＂を考えられる人は危険です。

堀井　この相談者さんも、そうなんでしょうね。割と現実思考というか。

スー　いいことですよ。あと「推しトークにも入っていけず、孤独です」って書いてあるけど、本当の孤独はそんなもんじゃないから。甘ったれたこと言ってんじゃねえよっていう話ですよ（笑）。

堀井　「ワシの何十年を分かっとるんか！」っていう（笑）。

スー　あなたの知っているそれは、本当の孤独ではないと。ここ、太字で書いといてください。

読者みんなへのメッセージ！

▶ジェーン・スー＆堀井美香の人生相談の記事をもっと見る