とはいえ、「またあの流行が来た」わけではない。よく見ると今ドキ女子の前髪はトサカがない、立ちあがってない、固まってない。この違いをもたらすのは何か?それはツールの進化である。今、20歳前後の女子の「ストレートアイロン」の所持率は99%(※1)。カールタイプとの複数持ちも70.5%(※1)。彼女たちが今ドキの高機能ヘアアイロンで作るのは、シースルー前髪の毛先のJ型カール。さらにヘアオイルや進化した「固まらない」スプレーを使って、ごく自然におでこを透けさせている。
アイドル前髪からのシフトでもわかるように、若者が前髪でこだわっているのはあくまで「可愛く」「自然な」印象であること。バブリー!のころの、アナログなカーラーで顔から飛び出すように固めて作ったすだれ&トサカの「威圧感」とはまったくの別モノなのだ。ちなみに、上記の特集左ページの大カットは、この号の「好きな髪型」第一位に輝いた。その理由として「シースルー前髪がサイドとうまくなじんでいて、失敗したときのバブリー感がなく可愛いから」(読者アンケートコメントより抜粋)とのこと。若者は違いを見ている。やっぱり、口が裂けても懐かしいと言ってはいけないのだ。