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トピック
2025.03.02
ローリングストックに防災ポーチ。毎日の生活に少し足すだけならできるかも。
無理なくはじめる防災の話
大学入学後は行動範囲が広がり避難訓練も縁遠く……そういえば災害時どうしよう?と悩める大学生に、無理なくできる防災をナビ。

慶應義塾大学准教授 大木聖子さん
高校生の時に起きた阪神・淡路大震災をきっかけに地震学者に。専門は地震学・災害情報・防災教育など。

防災士 misaさん
暮らしになじむ防災テクを発信。オリジナルの「おまもり防災ポーチ」の販売も行っている。
まずは災害に関するみんなの疑問にアンサー!
初めの一歩は正しい知識を持つことから。大学生エディターズから募集した、みんなのリアルな疑問を大木さんに聞いてきました!
長距離を歩いて帰るのはキケン! 近隣の避難場所を探しましょう
「まず台風や豪雨に伴う洪水や浸水については、そもそも天気予報を見て外出を避けましょう。そうなると外出時に怖いのは地震です。駅や学校、商業施設にいた時は、訓練された職員・スタッフに従いましょう。屋外ではまず自分の身を守り、地域住民以外でも使える避難場所を探してください。学生なら近隣の学校が選択肢の一つです。絶対に避けるべき行動は、長距離を歩いて帰ること! 余震によるビルの倒壊などさまざまなリスクがあるため、近くの安全な場所にとどまることがベストです」
まず建物の耐震性とハザードマップを確認。備蓄をして、自宅を最高の避難所に!
「食料や防災グッズを蓄えて、自宅を最高の避難所にすることです。"災害が起きたら、避難所に行かなきゃ!"と考える人が多いのですが、本来避難所は自宅に住めなくなってしまった人のための場所。混雑すればするほど、利用者同士のトラブルが増えますし、ウイルス感染や性犯罪に遭う不安もあります。耐震性が高く浸水の心配がなければ、自宅で過ごしましょう」
インフラが止まるのは震度6強以上。特に都市部では混乱が広がるかも
「国と企業の努力でインフラは年々強化されていて、ガスや電気、水が止まるのは震度6強以上といわれています。しかし人口密度の高い都市部では被害が長引く見込みです。震度7程度の首都直下地震では、復旧に約1か月かかる可能性があり、交通機関も止まってしまうので、かなりの混乱が起きると考えておきましょう」
マグニチュード7前後の地震がいつどこで起きてもおかしくない状況
「国が公表している情報によると、南海トラフ地震や首都直下地震に限らず、マグニチュード7前後の地震が日本のどこでも起こり得ます。これは、阪神・淡路大震災や熊本地震と同程度の地震です。備蓄に加え、普段から地震災害を意識して生活することが、身を守ることにつながります。生活圏内に危険なものはないか、日頃から注意を払って行動しましょう!」

日本人は"ぼうぜん型パニック"になりがち。友人や家族と声をかけ合って!
「津波の浸水域では早急な行動が求められますが、それ以外では落ち着いて行動することが大事。日本人は立ち尽くしてしまう"ぼうぜん型パニック"に陥る傾向が強いです。むやみやたらに走り回るよりもよほど安全ですが、一方で判断が遅れがち。不安を軽減するための対策として、家族やよく一緒にいる友人と災害時にとるべき行動を話し合い、声をかけ合う約束をしておくと◎です!」

自治体のウェブサイトは必見! 信頼できて身になる情報がたくさん
「やはりもっとも信頼できるのは、官公庁の情報。まずは、市区町村のHPにアクセスしてください。避難所のリストやハザードマップを公開していて、連絡先を登録すると災害情報を通知してくれる自治体も。どんな地震が起こり得るかといった情報は、文部科学省HPでチェック。備蓄は『東京備蓄ナビ』がおすすめ。年齢や性別を入力すると、必要な備蓄をシミュレーションしてリストにしてくれます」
2025年4月号掲載
Staff Credit
撮影/坂田幸一 イラスト/みずの紘 取材・原文/中西彩乃 web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス