ノンノモデルが綴る花言葉
【出口夏希×ダリア】今、感謝の気持ちを伝えたい人は?「ノンノモデルが綴る花言葉」連載vol.19
2025.12.02

ノンノモデルと季節の花、そしてその花言葉をテーマにした撮り下ろし写真。ノンノでしか見られないスペシャルな連載「ノンノモデルが綴る花言葉」。最終回には、着実にモデルや俳優としての歩みを進めるなかで、さらに洗練された魅力を放つ出口夏希が登場! ダリアの花言葉「感謝」に絡めて、夏希が今、感謝の気持ちを伝えたい人・ことについて語ります。夏希の心温まる言葉とともに、全19回にわたってお送りしてきたこの連載も幕を閉じます。
ダリアの花言葉は“感謝”
ダリアは華やかで存在感のある花姿に合った「華麗」や「威厳」のほか、「感謝」といったポジティブな花言葉がつけられています。丸いフォルムが可愛らしいポンポン咲きや、細長い花弁が外側にカールしたカクタス咲きなど、さまざまなタイプがあります。ビビッドカラーからまろやかなピンク、シックな赤や紫まで豊富なカラーバリエーションで選ぶ楽しさも広がります。


― “ダリア”と撮影してみていかがでしたか?
カラフルなダリアはとっても可愛かったのですが……(小声で)ブーケがとにかく重かったです! 途中から撮影というよりも筋トレしているような感覚になったほど(笑)。頑張って持ち上げたり、抱き抱えたりしたので絵力抜群な仕上がりになっているはず。全編フィルムで撮影したので、私自身もどんな写真に仕上がってくるのかすごく楽しみ! スタッフさんたちから“大切な人に感謝を伝える方法を考えている瞬間を切り取りたい”と裏テーマを説明していただいて、撮影中はとにかく家で過ごしている時のように自然体でいることを心掛けたかな。カラフルなブーケとFENDIのルックがリンクしているのもとっても素敵でした。 ふわふわニットも相まって、すごくリラックスして撮影に挑めました!

― 最近、誰かに“感謝した・された”出来事について教えて!
最近感謝したことは(永瀬)莉子と一緒に行ったサウナでの出来事。莉子とはよくサウナやごはんに行って近況報告をします。サウナ内に二つあるシャワーブースのうち1箇所のシャワーの調子が悪かったんです。サウナに入る前のタオルを濡らすタイミングでそのことには二人とも気づいていたけれど、いざシャワーを浴びるタイミングで莉子がなんの躊躇もなくその壊れているほうのシャワーブースに入っていって。わざわざ言葉にしないけど莉子の細やかな思いやりに触れて、とってもありがたかったし、私は同じように行動できたかな?と考えさせられた瞬間でした。莉子は芸能界で初めてできた友達で、イヤなことがあった時はすぐ駆けつけてくれて、少しの変化でも気づいてくれて頼れる、家族同然のような間柄。なかなか真正面から感謝の気持ちを伝える機会はないけれど、いつも心のなかで感謝している大切な人の一人です

―普段から周囲の人に感謝の気持ちを伝えるほう?
親密であればあるほど、感謝の気持ちを伝えるのは難しいと思っていて。私自身が口に出して相手に何かを伝えることがものすごく苦手ということもあるんだけど……。仕事現場の人などにはすっと出てくる感謝の言葉をいざ、家族や友人たち、マネージャーさんに言おうとするとなんだか照れてしまって。私が感謝の言葉を面と向かって伝えることは少ないから、「ありがとうございます」など感謝の言葉を言うと、“待ってました!”みたいな感じでみんなが茶化してくるのも言い出せない理由の一つだと思う(笑)。特に両親や兄妹には照れ臭くて感謝の気持ちを伝えることは滅多にないけれど、その分、行動で示しているつもり。誰かの誕生日や節目は全力でお祝いするし、私がまるっとプランニングして旅行にみんなで行くのも出口家の家族行事にこの数年で加わりました。口下手な私だけど、行動を通じて感謝の気持ちが伝わっているといいな

― 夏希が今、感謝の気持ちを伝えたい人は?
家族、友達、事務所のスタッフさんたち、いつも見守って応援してくださるファンの皆さんなど、私の周りにいる全員に感謝の気持ちを伝えたい! 私がいつでも笑顔で元気に過ごせているのは、みんながいてくれるから。2024年の春〜2025年にかけては特にみんなに支えてもらったと個人的には思っていて。2024年は今までにないくらい作品を通じて反響をいただいて、出口夏希という人間が人の目にこんなにも触れているんだと初めて実感したタイミングでした。知名度が上がったことで、SNS上にはいいコメントがある一方で心無い言葉も無数にあって。実は私、けっこうエゴサするタイプなの(笑)。それまでは落ち込んでもすぐ立ち直るタイプだったけど、その時はすごくこたえて、たくさん泣いて、とことん落ち込んで。もともと自分に対する意見を言われるのって嫌いじゃなかったけど、世界中に否定されている気持ちになっちゃった……。自分の中だけで解決しなきゃって思っていたんだけど、マネージャーさんや家族、地元の友達が意地悪なコメントに本気で怒ってくれたり、一緒に悲しんでくれたりしたの。「もうヤダ!」って言いながら友達とカラオケで大騒ぎして、笑い合ううちに、少しだけ心が軽くなった。もちろんそれだけで何もかもが解決するわけじゃないけど、悩み相談は真剣に、そうじゃない時はけっこう雑に(笑)接してくれた友達がありがたかった。みんながそばにいてくれたから乗り越えられたし、気付けば、いいコメントもアンチコメントも自分が納得いくものだけを受け入れて、あとはスルーするスキルも自然と習得した! そんな出来事を通して私の周りにいる人全員が幸せであってほしいと改めて思ったし、これからもずっと一緒に歩んでいきたい、私の宝物です

― 2025年も大活躍だった夏希。芸能生活のターニングポイントとなった出合いや作品について教えて!
2021年下半期に撮影していた映画『沈黙のパレード』(2022年公開)と、Netflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』(2023年公開)の撮影期間が私を大きく成長させてくれたターニングポイント。この2作品に出合う前まではなかなかお芝居の仕事には前向きになれなくて……。事務所にも“演技の仕事をやるつもりはない!”という断固たる意思表示を自分的にはしていたつもりだったけど、お芝居やオーディションの話がちょこちょこくるようになって。当時は、“やりたくない、でも仕事だからやらなきゃいけない”という気持ちもあったかな。実際に演技の現場に入るとやっぱりセリフを覚えるのは得意じゃないし、人前で演じることも特段うまいわけではなくて……とにかく逃げ出したくてしょうがなかったな。そんな意識が変わったのが、先ほど話した二つの作品との出合い。両作ともたまたま同じ時期に撮影をしていたのですが、どちらの現場も監督さんやスタッフさんがたくさんお話しできる機会をつくってくださって、時間をかけて丁寧にお芝居との向き合い方を教えてくださりました。私という人間にじっくり向き合ってくださったので、お芝居への苦手意識が少し和らいで、“やりたくない”という感情が、初めて“やってみたい”という感覚に変化した瞬間だった。とはいえ、新しい作品に入る時は今も緊張や不安でいっぱい。なかなか寝付けなくて、寝不足で初日を迎えることも…。自分なりに役に向き合って準備して現場に入っても、いつも自分が手探りでやっていることが合っているかどうかの確信はなかなか持てなくて。でも、やっている最中はしんどくても、それを帳消しにしてくれる楽しい瞬間が突然訪れるのがお芝居の魅力。正解が一つじゃないからこそ、一つ一つ作品と役に向き合っていきたいと思っています


― 忙しい日々の中でのリフレッシュ方法は?
ちょっとしたお休みができたら、東京を離れて、リフレッシュする時間をつくるのが最近の楽しみ! 休日はベッドから一歩も出たくないタイプだったんだけど、忙しくなる前のお休み期間などは思い切って海外へ旅に出ることも。最近は韓国に行ってきました! とはいっても、現地ですごくアクティブに動くというよりかはホテルのベッドでたっぷり寝て、ベッドでNetflixを見ながらダラダラして、お腹が空いたらおいしいごはんを食べに外に出るくらい。何も気にせずリラックスした時間を過ごせるのがいい気分転換になっています
― 年齢を重ねても大切にし続けたいと思っていることは?
年を重ねるにつれて、いろいろ考えないといけないこと・大変なことも増えるだろうけれど、今と変わらず“やりたいこと”、“楽しいこと”を続けていけたらいいなと思っているところ。年齢にも縛られることなく、自分の気持ちのままに。夢や目標などを明確にしたほうが頑張れる人もいると思うけど、多分、私は逆。ビジョンを持っていないからこそ自分が楽しいと感じられることにまっすぐ向かっていけるのかもって思う、今日この頃です。今、目の前にある仕事を全力でやり切って、少しずつでも誰かに評価をしてもらえて、周りの反応がうれしくてまた頑張ろうと思える。いつか何かを選ばなきゃいけない日がくるまで、ずっとこんな感じだと思う。きっとまだこの先に本当の楽しさがあると信じて、“今を濃く”、を一番大事にしたいなって思っています

― お花は好き?
好きです! 丁寧な暮らしに憧れていた2020年は自分でお花屋さんに通っていたくらい好き! その時はお気に入りのカスミソウをリピ買いして部屋に飾っていたな(笑)。地方での映像作品の撮影なども増えてきて、私の中でお花と丁寧な暮らしブームは次第に収束していったんだけど……。ありがたいことにお仕事の現場で花束を用意していただく機会が増えてからは、自分でお花を買うのは誰かに贈るタイミング。最近だと……地元の仲良しメンツの一人がママになるので、ベビーシャワーにピンクの花束を用意しました! 喜んでくれてうれしかったな
― 花にまつわる思い出を教えて!
2024年からNetflixで配信された映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』で作中に登場したガーベラにはすごく思い入れがあります。撮影期間は病室のセットで毎日ガーベラと過ごしていたから、いただいた花束の中にガーベラが入っていると今でもこの作品のことを思い出します。映画の中でガーベラは主人公二人を繋ぐ重要なアイテムとして登場していて、1本だと“あなたが私の運命の人”、4本は“あなたを一生愛し続けます”、6本だと“あなたに夢中です”というように本数によって花言葉が違うということを台本で知ったのも懐かしいな

[ flower shop information ]
撮影に協力してくれたのは……
TOUCA
花々が並ぶ大きなショーウィンドウに目が留まる、茅場町にあるフラワーショップ。白を基調としたモダンな空間に、切り花や枝もの、ミニマルな花器がそろう。店主の齋藤さんはフランスでフローリストとして経験を積まれた。落ち着いた色みやニュアンスカラーの花にグリーンを組み合わせた、自然ながらも洗練された雰囲気のブーケからパリのエスプリを感じられる。
\ ラッピングはこんな感じ /

Profile

出口夏希
2001年10月4日生まれ、中国出身。ノンノ専属モデル。Netflixドラマシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』をはじめ、ドラマ『アオハライド』、『ブルーモーメント』、映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』『赤羽骨子のボディガード』『か「」く「」し「」ご「」と「』など数々の話題作のヒロインを務め、俳優として活躍。南沙良とW主演をつとめる最新映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』は2026年1月16日公開予定。
Staff Credit
モデル/出口夏希 撮影/小宮山峻 ヘア&メイク/北原果(KiKi) スタイリスト/石田綾 構成・文/大塚悠貴 Web編成/松島芽生
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