今月の彼氏
倉悠貴さんと秋の古書店&路地裏デート。お芝居と真摯に向き合う注目俳優に話題作について聞いてみた!【連載「今月の彼氏」ウェブ限定版】
2024.09.20
今月の彼氏。倉悠貴
YUKI KURA
人気の俳優さんとのデート気分が味わえる連載「今月の彼氏」。今回のお相手は、この秋出演作の公開、配信が相次ぐ倉悠貴さん。本誌で載せきれなかった未公開カットをweb限定インタビューとともにお届けします!
本誌の取材では、理想のデートに水族館をあげてくれましたが、水族館が好きになったきっかけはありますか?
昔から魚や恐竜の図鑑を見るのが好きで、水族館に行ってみたら自然とハマってしまいました。撮影で地方に滞在する時は、地元の水族館があれば必ず行ってみるようにしています。じっと水槽を見ているだけでなんだか落ち着くんです。好きなのは"しながわ水族館"にいるシロワニ。近くにちょっとした座れるスペースがあるので、休みの日はそこでシロワニをずーっと眺めています。
休日は他にどんな過ごし方をしていますか?
今までずっとインドアだったんですが、最近はちょっと体を動かすのもいいなと思うようになってきました。30キロ走る習慣のある友達と軽い気持ちで一緒に走りはじめてみたら、すごく心地よくて。友達と喋りながら遊びの延長みたいな感覚で汗をかく時間も気持ちいいんです。それがきっかけで週3くらいでジムで体を動かすようになりました。家にいるのが大好きだった1年前までの僕からは信じられない変化(笑)。あと最近はたまに陶芸に行ったりもしています。
趣味が広がっていますね! 陶芸に通うようになったきっかけは?
半年くらい前に、僕が落ち込んでいたら友達が「車で北のほうへ行ってみよう」とふらっとドライブに連れ出してくれたことがあったんです。目的地を決めずに出かけた場所で陶芸体験ができたのでやってみたらハマってしまって。それ以来、ちょこちょこ行くようになりました。地方ロケに行った際も、撮影が休みの日には陶芸教室を探して行ってみることも多いです。
水族館に陶芸にと地方に行った時は大忙しですね!
そうですね。あと絶対に古着屋さんにも行きます(笑)。その土地の古着屋さんに入って、1着は古着を買うようにしているんです。その場所でのことを思い出せる1着になるので。
素敵です! 倉さんは古着屋さんでアルバイトをされていたんですよね?
地元・大阪のアメ村にある古着屋さんでアルバイトをしていました。今も古着は好きで、最近は映画作品をモチーフにしたTシャツを買うのにハマっています。下北沢に映画やバンドのTシャツを専門に取り扱ってる古着屋さんがあるんです。この前は『インデペンデンス・デイ』のTシャツをゲットしました。映画のロゴが入っていて、少しシェードがかかっている古着らしい黒のTシャツ。シンプルにデニムを合わせて着るのが好きです。
倉さんが芸能界に入ったのは、雑誌『MEN’S NON-NO』のスナップがきっかけ。それまで芸能界に興味は持っていましたか?
まったく持っていなかったです。アメ村を歩いていた時に『MEN’S NON-NO』のスタッフさんたちに声をかけていただいて。後日雑誌を見たらスナップ企画の最初のページに大きく載っていたので驚きました。そんな経験なかったので「俺、出てるんだよ」って友達に自慢したりもしましたね(笑)。それが18歳の時でした。
それまでは将来はどんな道に進もうと思っていましたか?
僕は就職に特化した高専に通っていたので、普通に就職する気満々でした。それこそ企業のインターンにも行っていましたし。でも『MEN’S NON-NO』に載ってから数日後に今の事務所の方が大阪までスカウトしに来てくださって。それまで芸能界なんて考えたこともなかったけど、友達に後押しされてとりあえず2年間やってみようかな、と。
なぜ2年だったんでしょうか?
ちょうど高専の休学できる期間が2年だったんです。2年やってうまくいかなかったら復学しようと思って始めてみました。結局復学することなく、今まで続いています。
倉さんの中で俳優を続けてみようと思った理由はなんですか?
大勢の人と映画やドラマを制作するということが好きだなと思ったからです。正直なところ、僕が俳優である必要はないなと思う時もあります。舞台挨拶でたくさんの人から注目を浴びるみたいな状況も緊張しますし……ただ、映画やドラマの制作に関わるには僕は俳優しかできなかった。それで今も続けています。自分の演技に自信が持てない時もあるけれど、撮影現場はすごく好き。スタッフさんといろいろなことを話して、自分のお芝居をブラッシュアップしていく時間は俳優をやっていて楽しいなと思う瞬間です。
9月27日公開予定の映画『傲慢と善良』で演じている高橋耕太郎という役について教えてください。
耕太郎は東京での生活を離れて、田舎で農作業だったりボランティアをしながら生きている人。今の時代、耕太郎のような生き方に憧れる人は多いんじゃないかなと思います。実際に奈緒さん演じる坂庭真実も耕太郎に惹かれたりもします。気取ってないというか、1回東京で挫折したことがあるからこそ人の痛みが分かるというのが、脚本の時点で伝わってきたので、僕としては大きく役作りをせずに脚本に委ねて演じていきました。
今回の作品で学びになったことはありますか?
環境の話になりますが、九州のほうで撮影ができたこと。撮影現場に入った時に、その土地の空気と一緒にお芝居ができている感覚がすごくあって。耕太郎というキャラクターが生きている環境に入り込めたことは演技をする上で大きなサポートになったし、土地で役に入る感覚があることも学びになりました。
ABEMAで配信中の『透明なわたしたち』にも出演中。この作品は同世代のキャストの方々と共演されていますよね。
はい。富山県で約3か月ロケをしていたので、一緒にごはんに行くなど、いいチーム感がある中で撮影ができました。ただ同世代ではあっても、有名な人の周りに自分がいることが不思議ではありました(笑)。僕が演じた高木洋介は、IT企業の社長で27〜28歳にして成功していて少し自分に自信があるようにも思える人物です。でもそれは表面的なもので実際はコンプレックスを持っていたり、人間関係の悩みや生きづらさも抱えています。高木以外にも登場人物それぞれが現代に生きるからこその悩みを持っているので、きっと誰かしらには共感できるはず!
さらに11月22日公開予定の映画『六人の嘘つきな大学生』にも出演! こちらも浜辺美波さんや赤楚衛二さんをはじめ、同世代のキャストでの作品ですが、撮影現場はどうでしたか?
ひとつのシチュエーションでのお芝居だったので、6人でずっと舞台稽古をしているような感覚でした。舞台に出演したことはないのですが(笑)。みんなでつどつど「こうしたらもっとおもしろくなるんじゃないか」って相談しながら作っていくのがすごく楽しかったですし、やりがいもありました。赤楚くんがムードメーカーとなって現場を引っ張ってくださったんです。一緒にサウナに行ったり、矢代つばさを演じた山下(美月)さんのライブに行ったり……いい仲間ができた現場でした。
森久保はピシッと髪を分けてメガネをかけている見た目も印象的です。
そうですね。役でメガネをかける時はダテメガネのことが多いけど、今回は初めて度入りのメガネをかけました。もともと目が悪いので度入りメガネには慣れているのですが、お芝居では初めてだったので新鮮な感覚でした。度入りだと反射だったり輪郭の凹凸だったりが少し変わるので映像で見た時におもしろくて。メガネの役をやる時は次からも度入りにしたいですね。
本当にたくさんの作品に出演されていますが、台本はどうやって覚えていますか?
料理している時、コインランドリーに行ってる時、あとはスーパーで買い物している時にぶつぶつ言って少しずつ覚えていくことが多いです。その行動が役の動作とリンクしている必要はなくて。頭の中で読むよりも、何かをやりながらのほうがセリフが自分の体になじんでいく感覚があります。
『六人の嘘つきな大学生』は6人の就活生の話。non-no読者にも今就活をしている人が多いのですが、倉さんから応援のメッセージをお願いします!
就活って人生を決める一大イベントであるのは確かだと思うのですが、うまくいかなかったからと言って人生が終わるわけじゃないのかなと思ったりもします。僕自身も18歳の時からの2年間で、俳優を諦めて高専に復学して就職をする道もありましたが、それを選ばなくても今なんとかなっていますし。結果がどうだとしても就職活動をしたという経験は、必ず糧になると思います。すごく大事なことだし、本気になるのはいいことだけれど、そこまで気負いすぎずにいてほしいです。
Profile
倉悠貴
俳優
1999年12月19日生まれ、大阪府出身。2018年に雑誌『MEN’S NON-NO』に掲載された写真をきっかけに芸能界入り。2019年に俳優デビュー。出演映画『傲慢と善良』が9月27日、映画『六人の嘘つきな大学生』が11月22日公開予定。ドラマ『透明なわたしたち』がABEMAにて配信中。
Item Credit
ジャケット¥49500/アー・ペー・セー カスタマーサービス(アー・ペー・セー) シャツ¥29700・パンツ¥49500/エンケル(ヨーク) 靴¥16500/アシックスジャパン カスタマーサポート部(アシックス) バッグ¥22000/HEMT PR(20/80) リング¥33000/プリュイ トウキョウ(プリュイ)
Staff Credit
撮影/田形千紘 ヘア&メイク/NOBUKIYO スタイリスト/高野麻子 取材・文/上村祐子 web構成/吉川樹生