今月の彼氏

小林虎之介さんとごほうび焼肉デート。演技力の高さが反響を呼ぶ注目俳優にインタビュー！【連載「今月の彼氏」ウェブ限定版】

2025.05.20 更新日：2025.05.31

今月の彼氏。小林虎之介

TORANOSUKE KOBAYASHI

人気の俳優さんとのデート気分が味わえる連載「今月の彼氏」。今回のお相手は、昨年ドラマ『ひだまりが聴こえる』や『宙わたる教室』での好演が話題となり、注目を集める俳優・小林虎之介さん。本誌で載せきれなかった未公開カットをweb限定インタビューとともにお届けします！

小林さんもよく食べるという焼肉が今回のデートテーマ。撮影で着た衣装はいかがでしたか？

すごく素敵でした！昔は今回の衣装のような鮮やかな色合いの服をよく着ていたのですが、最近はモノトーンやネイビーなどの落ち着いたカラーを手に取ることが多くて。でも、こういう明るい色の服もやっぱりいいなって改めて思えました。内装に黒やシルバーが多い焼肉屋さんでも映えますし！

ファッションはお好きですか？

実は僕、大学時代にアパレルのアルバイトをしていたくらい、もともとおしゃれには結構関心があったんです。だけど俳優として下積みの頃は洋服にお金をかける余裕がなくて……。最近は好きな服を自由に買えるようになってきたので、時に散財してしまうことも（笑）。お店に入ってから「物欲が止まらない……」って後悔することも多々あります。ちなみに最近は、今日も私服ではいてきたメゾンミハラヤスヒロのパンツを買いました。

恋人にはどんな服を着てほしいですか？

その人自身が本当に好きな服を着てもらいたいですね。もし相手がデート服のテイストをそろえたいタイプなら、僕はいろんな系統のアイテムを持っているので合わせることもできます。

さて、ここからは俳優業について聞かせてください。役者を志したきっかけは？

大学2年生の時にインターンをしようと考えていろいろ調べたんですが、ここで働いてみたいと思う会社や、これがやりたいと感じられる仕事がなかなか見つからなかったんです。そんな時、父親に誘われて見に行った映画『ボヘミアン・ラプソディ』に感銘を受けて、どんな形でもいいから映像業界に携わりたいと思うようになりました。そこからカメラマン、照明、音声など、いろんな選択肢について調べた末、俳優という道に挑戦することを決意。その後すぐに大学を辞めて上京し、俳優養成所に通うことにしました。

俳優になると決め、すぐに大学も辞めて上京されたとは行動力が素晴らしいです。

芸能の仕事の中心も、チャンスが転がっているのも東京だと思ったので、俳優として勝負するなら上京しなきゃと考えたんです。ただ、本当の意味で俳優として頑張っていく覚悟を決めたのは事務所に所属して通い始めた演技レッスンの場。それまで通っていた養成所では褒めていただくことが多くて、今思い返すとお芝居というもの自体をどこか軽く見ていた部分があったような気がします。でも、その後のレッスンで出会った仲間たちの演技力がものすごく高くて、自分が井の中の蛙だったことに気づかされたんです。そこから気持ちに火がついて、気づけば今こうしてここに立っています。

上京して生活環境もガラリと変わったと思いますが、そんな中で夢を追うことに不安はなかったですか？

僕の注目していただくきっかけになった日曜劇場『下剋上球児』（TBS系）に出会う直前は、正直かなり不安でした。というのも当時僕は24〜25歳。地元の友達は就職して、なかには家庭を持つ人も出てきたタイミングだったんです。だけど僕は俳優としてなかなか芽が出ず、アルバイトばかりの日々。地元に帰省するたび、周りと自分を比べて焦っていました。でも『下剋上球児』への出演が決まり、そこからお芝居の機会をいただくことが増えて、不安は自然と消えていきましたね。

今お話にも出てきた『下剋上球児』に出演して以降、ギャラクシー賞を受賞したドラマ『ひだまりが聴こえる』（テレビ東京系）や『宙わたる教室』（NHK）など話題作への出演が続いていますよね。特に印象に残っている作品はどれですか？

直近の作品だからというのもあるけど『宙わたる教室』ですね。『下剋上球児』の時は初めての民放ドラマレギュラー出演で、自分の実力がまだアマチュアの域を出られていなかったと感じています。でもそこから半年間演技経験を重ねて、そろそろ役者としてしっかりしなきゃいけないと考えていた矢先に撮影に入ったのが『宙わたる教室』だったんです。とても重要な役柄をいただいたので「この作品が評価されなかったり、自分の演技がボロボロに言われたりしたら、もう役者をやめたほうがいい」と思うくらいの覚悟で挑みました。結果的に、たくさんの方に僕のことを知ってもらえる機会になったし、作品自体も僕の演技に対しても温かい声をいただけて。「役者を続けてもいいのかも」と自分を肯定することができました。

『宙わたる教室』が、俳優人生における一つのターニングポイントとなったんですね。

そうですね。主演の窪田正孝さんがお芝居に取り組む姿を間近で拝見できたことは僕にとって本当に大きな財産になりました。特に、気持ちが沈むようなシーンでの追い込み方は本当にレベルが違っていて。ドラマは本番だけでも同じシーンを20回くらい撮影します。テスト撮影を含めるともっと。それでも窪田さんはすべてのテイクに全力で臨まれるので、回を重ねるごとにどんどん憔悴していくんです。もう誰も声をかけられない、まるで『あしたのジョー』のラストシーンのように、魂を燃やし尽くしたような状態になるまで自分を追い込んでいく。その姿を目の当たりにして「ああ、役者というのはここまでやらないとダメなんだ」と刺激を受けました。

小林さんは普段、どのように役作りをされているのですか？

役と自分に乖離があるならば生活やマインドから変えるようにしています。そうすることで役の背景が想像しやすくなり、より作品の世界に入り込むことができるんです。『宙わたる教室』で演じた柳田岳人はまさしく自分とは真逆のキャラクターだったので、彼の生活圏である歌舞伎町周辺をひたすら歩いたり、タバコを吸う役柄だからスタッフさんと銘柄を相談して実際に喫煙してみたりして、自分を役に近づけるよう意識しました。

現在はドラマ『恋は闇』（日本テレビ系）に新人ディレクター・木下晴道役で出演中ですよね。見どころを教えてください！

ある殺人事件を軸に話が展開していく恋愛ミステリーで、犯人を推理するのがおもしろい作品に仕上がっています。実は僕もまだ犯人を知らなくて……。新しい台本をもらうたび、共演者の方と驚いたり考察したりしながら盛り上がっています！それくらいワクワクできる作品なのでぜひご覧ください。

撮影現場でどんなふうに過ごされているんですか？

今回の作品に限らずですが、自分から共演者の方やスタッフさんに話しかけることが多いです！たとえば「あの差し入れがおいしかったですね」とか「この間教えていただいたお店に行ってあれ食べましたよ」なんて話題を振ったりします。ちょうど先日も自分が朝から並んで買って差し入れたドーナツの話で盛り上がりました。

積極的にコミュニケーションを取られるんですね！

プライベートでは人見知りなんですけどね。昔、演技講師の方に「虎之介とは会話にならない。役者は会話ができないと芝居が成り立たないよ」と言われたこともありました。それでコミュニケーション術の本を買って勉強した時期もあるくらい。もうその本は必要なくなったので手放しましたけど（笑）！

俳優業で活躍されているのみならず、5月には自身初の写真集『冬麗（ふゆうらら）』を刊行されましたね。

写真集の大半は、僕の地元・岡山で撮影したんです。皆さんがいつか遊びに行ってくれたらいいな、そんなことを思いながら撮ったのでぜひチェックしてください！ちなみに岡山のおすすめのスポットは、倉敷・美観地区や備前といった瀬戸内海沿いエリアと蒜山高原。ドライブするのにぴったりです！

地元にはよく帰られるんですか？

去年は仕事もあったので、年末年始も含めて3〜4か月の間に5回くらい帰省しました。親は僕が帰ると毎回おごりたがるんですけど、さすがに最後のほうは「そんなに帰ってくるならもうご馳走しないよ」って言われちゃいました（笑）。でも、ありがたいことに今年はスケジュールが埋まりそうで、年末年始は帰省できなさそうなんです。だから、去年たくさん帰っておいてよかったです！

お忙しい日々かと思いますが、今後の目標を教えてください。

おじいちゃんになってもずっと芝居を続けていたいです。そのためにも、今こうしてお仕事をいただけていることがどれだけ特別でありがたいことかをしっかり自覚して、目の前のことに一生懸命向き合って生きていきたいと思っています。そしていつか、10年後、20年後に成長した姿で、鈴木亮平さんや窪田正孝さん、吉沢亮さんといったこれまでご一緒させていただいた先輩方とまた共演できたら素敵だなと。それが僕の大きな夢です！

最後にノンノ読者にメッセージをお願いします。

人生はほんのちょっとしたきっかけで変わるし、チャンスはいろんなところに転がっているから、それを見逃さずにしっかり掴むことができれば、どんどんいい方向に進めるはずです。僕もチャンスをしっかり物にして、皆さんの日々の活力になるように頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします！

Profile

小林虎之介

俳優

1998年2月12日生まれ、岡山県出身。2023年、日曜劇場『下剋上球児』（TBS系）で存在感を示し注目を集める。翌年には、ドラマ『ひだまりが聴こえる』（テレビ東京系）で初主演を果たし、ドラマ『宙わたる教室』（NHK）での好演も話題に。現在はドラマ『恋は闇』（日本テレビ系）に出演し、1st写真集『冬麗』が好評発売中。