今月の彼氏
濱尾ノリタカさんと風情を感じる和カフェデート。アンニュイなたたずまいに心つかまれる注目俳優にいろいろ聞いてみた!【連載「今月の彼氏」ウェブ限定版】
2025.08.20
今月の彼氏。濱尾ノリタカ
NORITAKA HAMAO
人気の俳優さんとのデート気分が味わえる連載「今月の彼氏」。今回のお相手は、連続テレビ小説『あんぱん』や月9ドラマ『明日はもっと、いい日になる』で注目を集める俳優・濱尾ノリタカさん。本誌に載せきれなかった未公開カットをweb限定インタビューとともにお届けします!

今回のデートスポットは和カフェでしたが、いかがでしたか?
甘いものは基本的になんでも好きで、もちろん和菓子も大好きなので楽しかったです。今日の撮影ではおだんごを食べたのですが、普段差し入れでいただくことはあってもプライベートで食べる機会は少ないので、新鮮な気持ちでした。さらに、自分で焼いて食べるタイプのメニューで、これはデートにもぴったりだなと思います。
濱尾さんは茶道の経験があると伺いました。
本格的にではなく、さらっとなのですが……。祖母がたしなんでいた茶道は幼い頃から少しだけ身近なものでした。僕自身の茶道との関わりは、2020年のコロナ禍に、家にいてもできることはないかと思って始めたのがきっかけです。……といっても自宅のリビングで簡単に教えてもらっていたので、細かなルールは省略しているところも。最近は茶道に触れる機会が減っていて、たまに海外の友人などが日本に来た時にお抹茶を振る舞う程度です。

本誌のインタビューではタルトケーキにハマっているともおっしゃっていましたが、洋菓子と和菓子、どちらが好きですか?
実は……洋菓子派です(笑)。いつか雑誌でスイーツの連載をもてたらいいなと思うくらい甘いものが好きで。ちょっとお恥ずかしい話なのですが、タルトはできれば手で持ってガブッとかぶりつきたいタイプ。だからイートインせずに家に持ち帰って、部屋でマンガを読みながら思いきりタルトを食べる時間が幸せです(笑)。
本日の衣装はいくつかある候補からご自身で選んでいただきましたが、気に入ったポイントを教えてください。
私服はシンプルなものが多いので、無地のスウェットにナイロンパンツの組み合わせに普段の僕と近しいものを感じて選ばせていただきました。デートをテーマにした撮影は照れくささもあるのですが、できるだけ飾らず自然体でいたかったからこそ、衣装もナチュラルなものがいいなと思ったんです。僕、顔がうるさいのでこういう服じゃないとダメなんですよ(笑)。
えぇ、とても端正なお顔立ちですよ! シンプルな服装が映えると思います。
よく言っていただいてありがとうございます(笑)。

NHKの連続テレビ小説『あんぱん』の役作りで短髪にされていますが、髪型によって着る服装は変わりましたか。
先ほど、私服はシンプルなものが多いと言ったのですが、短髪になってからは柄ものも取り入れるようになった気がします。今日現場に着てきた私服は、思わず目がくらっとするような不思議な柄のシャツですし(笑)。このくらい髪が短いほうが、いろんな服のテイストに挑戦しやすいなと感じています。個人的には長髪も好きなのですが、僕の顔立ちからして一番似合わないと思っているのが“ふつうの長さ”で。ここから長髪になるまでにふつうの長さを経由しなきゃいけないのが、もどかしい(笑)。
先ほどデートをテーマにした撮影で“自然体でいたい”とおっしゃっていましたが、それはふだんの人間関係でも大事されていることですか?
そうですね。最近は、自然と笑える瞬間のほうが心地いいなと思うようになりました。ここ数年、自分の心に素直でいることの大切さを実感していて。以前はどちらかというと場の空気を優先していたのですが、今は自然体で人と接することや、心から笑い合える関係のありがたみをしみじみ感じています。役と向き合うときも無理をせず、自分のままでいることが、結果的によりよい表現に繋がっていくと信じています。

心が健康的なのは大事ですよね。では、この秋してみたいデートを教えてください。
これまでも、日常を過ごす中でふと秋らしいものを見つける習慣はありましたけど、ちゃんと秋を感じる過ごし方はあまりしてこなかったなぁと思っていて。11月に26歳になるので、そろそろ大人になりたいなということもあり、秋を“わざわざ”感じに行くようなデートをしてみたいです。わざわざ紅葉を見に行ったり、わざわざキノコを食べに行ったり。秋という季節そのものがだんだん短くなってきているからこそ、意識的に季節を感じる時間を持つのは大切なことだと思います。

お休みの日はどのように過ごされていますか。
だいたい一人で過ごしていますが、画家と小説家の友人と3人で会うこともあります。二人は僕よりも上の世代ですが、美術の話を教えてもらったり、僕が今後どうしていきたいのかという話を聞いてもらったり……時にはくだらない話もしたり。とてもよい話し相手として素敵な時間を過ごさせてもらっています。
濱尾さんは現在、さまざまな作品に出演されていますが、役のオンオフはどのように切り替えていますか。
オンオフを意識することは少ないかもしれません。“役に入る”という感覚もそこまでないのが正直なところです。
“役が抜けない”みたいなことはないあまりタイプでしょうか。
“役が近くにいすぎる”みたいなことはたまにあります。どの役もすべて自分の中にあるものですが、それが大きくなりすぎているなと思う時があって。たとえば、連続テレビ小説『あんぱん』で僕が演じた田川岩男は第二次世界大戦の時代を生きていました。正直なところ僕はこの作品に携わるまで戦争について本を読んだり、自分で考えたりすることをあまりしてこなかったんです。岩男という役を通じて戦争について深く向き合った経験は、今も僕自身の中に残っています。それは特定の役に影響されているというよりも、僕の中で避けては通れないテーマとして自然と考え続けているという感覚に近いです。そういった姿勢が、今後のお芝居や表現にも静かに繋がっていくのかもしれないと感じます。

現在放送中のドラマ『明日はもっと、いい日になる』では、どのように作品と向き合っていますか。
このお話は児童相談所が舞台ですが、簡単に白黒はっきりとつけることができない問題がたくさんあるなと思う場面が多いです。子どものことを一番に考えて正解を導き出してみるけど、置かれている状況や社会のルールを考えた時になかなかその通りはいかないこともあって。未来について考えた時に何が幸せなのかの選択をつねに迫られる中で、登場人物たちはそれぞれに悩みながら前に進んでいきます。僕が演じる桐谷聖夜も児童福祉司なので、台本を読んでいると彼が迷っている瞬間にたびたび直面するんです。撮影現場では、僕自身も桐谷と同じように悩みながら答えを見つけ出していくような瞬間があって、その時の感覚は大事にしていきたいと思っています。児童福祉司という職業を記号としてとらえずに、一人の人間として演じていくことはつねに意識しています。

作品や役に対してとても真摯でいらっしゃることが伝わりました。最後に、濱尾さんの今後の目標を教えてください。
文化や芸術を感じられるような映像作品に参加していきたい気持ちがあります。僕がエンターテインメントであり芸術であると思う作品の一つに『太陽を盗んだ男』という1979年公開の映画があって、この作品のサントラにとにかく魅了されました。レコードで持っていてしょっちゅう聴いているのですが、この頃のサントラには音楽だけでなく劇中のセリフもそのまま入っているんです。主演の沢田研二さんと共演の菅原文太さんのやりとりが流れる中で、井上堯之さんの作曲した映画音楽が流れるのがもうたまらない! 自分が誠心誠意取り組んだ作品が、時間がたっても誰かの記憶と記録に残るようなものになっていたらいいなと思います。
Profile

濱尾ノリタカ
俳優
1999年11月26日生まれ、東京都出身。2025年度前期の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合)では田川岩男を演じ注目を集める。ドラマ『明日はもっと、いい日になる』(フジテレビ系)に出演中。
Item Credit
スウェット¥17600・Tシャツ¥6600・パンツ¥25300/1LDK apartments.(EVCON) 時計¥36300/1LDK(UNIVERSAL PRODUCTS.×VAGUE WATCH)
Staff Credit
撮影/田形千紘 ヘア&メイク/HIRO スタイリスト/高野麻子 取材・文/上村祐子 web編成/吉川樹生
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