今月の彼氏
井之脇海と、カメラ片手に冬のお散歩デート【連載「今月の彼氏」ウェブ限定版】
2021.10.20 更新日:2022.01.20
今をときめく俳優さんたちが毎号登場し、デート気分が味わえると評判の連載「今月の彼氏」。今月は俳優の井之脇海さんと一緒にお散歩デートをしてきました♡ 本誌では載せきれなかった未公開カットをWeb限定のスペシャルインタビューとともにお楽しみください!
幼少期に子役としてキャリアをスタートさせた井之脇さん。2008年に出演した映画『トウキョウソナタ』での好演が話題となり、2015年には脚本・監督・主演をした短編映画『言葉のいらない愛』がカンヌ国際映画祭で入選するなど、俳優業にとどまらない多彩な才能で注目を集めている。もうすぐ公開される映画『ミュジコフィリア』では長編映画にて初めての単独主演を務め、ますます目が離せない井之脇さんのプライベートから仕事の話まで、根掘り葉掘り聞いてきました!
―― 今日はデートでお散歩をしましたが、普段から散歩をする機会は多いのですか?
「はい。自分の中で散歩はルーティーンとして組み込まれています。いろいろなルートがあるわけではなく、決まったルートを歩くことで見えてくる違いを楽しむのが好きなんです。なので散歩をデートにできたら、すごく素敵だなと思いました」
―― 日常に潜むちょっとした違いを見つけて散歩を楽しんでいるんですね。
「そうですね。天気や季節によって同じ道でも全然違って見えますし、自分の気分によっても変わります。昨日は咲いていなかった花が咲いているのを見つけるとうれしくなるし、ゴミが落ちていたらそこから自分ではない誰かの生活を想像してみたりすることもあります」
―― では散歩デートに行くなら、どんなルートが理想でしょうか?
「川沿いの道を散歩したいです。春は桜が咲き、夏は祭りの後の余韻を楽しみ、秋は紅葉が見られて、冬は川の澄んだ空気を楽しめる。そんなちょっとした変化を一緒に楽しみたいと、ふと思いました」
―― 井之脇さんが感じる散歩デートの魅力とはどんなところにあるのでしょうか?
「散歩は日常の延長にあるものだから、リラックスして過ごせるのが魅力ですかね。気張ったデートよりも、日常生活を一緒に過ごすことのほうが、僕にとっては特別なことなんです。だから散歩もそうですが、料理を作ったり、映画を見たり、二人でするすべてのことを大切にしていけるような関係に憧れます」
―― どんな女性が理想でしょうか?
「仕事でも趣味でもいいので、夢中になれることがある女性が好きです。たとえばガラス細工を集めるとか、小さいことでもいいので、お互いの趣味や夢について飾ることなく話せるといいですね」
素顔の井之脇さんの魅力を存分に堪能したところで、お仕事についてもインタビュー。
―― 11月19日に全国公開予定の映画『ミュジコフィリア』が井之脇さん初の単独主演作ということですが、やはり特別な思いは抱かれましたか?
「そうですね。主演への憧れはずっとありましたが、その“主演”という2文字にはどこかで怖さみたいなものもあって。勝手に自分で背負わなきゃと思ってしまった部分はありました。でも現場に行って、(松本)穂香ちゃんや(山崎)育三郎さんと話していくうちに、もっと楽しんで挑戦しようという気持ちになれて、そこからはすごく気が楽になりました」
―― 原作の漫画、『ミュジコフィリア』の存在はご存じだったのですか?
「お話をいただくまでは正直知らなかったのですが、音楽の話でピアノを弾く青年の役だと聞いて、まず縁を感じました。僕は小さい頃にピアノを習っていたし、僕が役者をやっていきたいと思う転機になったのが『トウキョウソナタ』というピアノを弾く少年の役を演じた作品だったので。お話をいただいた直後に漫画を読んでみて、主人公・漆原朔の音楽に対する無邪気さ、純粋さにとても共感できて、朔を演じることができて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」
―― 天性の音楽の才能がありながら父と兄へのコンプレックスから音楽を憎んできた朔ですが、演じていて似ている部分はありましたか?
「負けず嫌いなところは似ているかもしれません。自分が朔の立場になっても朔と同じように音楽と向き合う覚悟が出来てからはひたすら音楽に打ち込んで、自分の音楽で否定されたものを認めさせると思います」
―― 最も印象に残っているシーンを教えてください。
「本当にたくさんあるのですが、やっぱり冒頭の川でピアノを弾くシーンかな。朔のキャラクターをあの演奏シーンで表すことが大切だと思って挑みました。それから後半のお兄ちゃんと喧嘩するシーンも強く印象に残っています。」
―― 冒頭のシーン、すごく素敵でした! 京都を舞台にした作品ということで、井之脇さん自身、京都の街を楽しむことはできましたか?
「1か月近く京都に滞在したので、改めて京都の街の歴史を感じることができました。『ミュジコフィリア』は音がテーマの作品なので、音を意識して街を歩いてみたのですが、東京ではあまり聞かなくなった鹿威しの音や、鐘の音、舞妓さんの歩く下駄の音など、いろんな音が聞こえてきて。京都で生まれ育った朔が聞いてきた音を京都の街で聞くことができて、演技にも活かされた気がしています」
―― 最後にノンノ読者に見所を教えてください。
「僕が演じた朔は、社会的な壁と自分の才能との隔たりの中で、もがきながら成長していくのですが、その姿を見て元気をもらえるんじゃないかと思います。それから映画では現代音楽という世間ではまだ広くは認知されていない音楽が取り上げられているので、音楽を聴きに行く感覚で足を運んでもらうのもいいと思うんです。ふらっと行って、音楽がよかったな、元気がもらえたな、と思ってもらえればうれしいです」
●いのわき かい
1995年11月24日生まれ。神奈川県出身。映画『トウキョウソナタ』で注目を集め、本格的な俳優活動を開始。ドラマ『プロミ・スシンデレラ』での好演が記憶に新しい。主演を務める映画『ミュジコフィリア』が11月12日に京都にて先行公開、11月19日に全国ロードショー。
映画『ミュジコフィリア』
京都の芸術大学に入学した朔(井之脇海)は、ひょんなことから現代音楽研究会に入ることになる。クセの強い教授や学生たちが集うサークルには、朔が憧れてきた幼馴染でピアニストの小夜(川添野愛)、そして著名な作曲家の息子で自身も天才作曲家と期待される異母兄の大成(山崎育三郎)がいた。子どもの頃から父と兄へのコンプレックスから音楽を憎んできた朔だが、天性の歌声を持つ凪(松本穂香)が現れたことで、朔の秘めた才能が開花し始める。
出演:井之脇海、松本穂香、山崎育三郎、川添野愛、阿部進之介 ほか
●11月12日に京都にて先行公開、11月19日に全国ロードショー
トップス¥39600・パンツ¥49500/トーガ 原宿店
2021年12月号掲載
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