『ガシャポンⓇ』ヒットの立役者!バンダイで働く先輩にお仕事インタビュー

2024.09.08

『ガシャポン』ヒットの立役者!

"魅力を伝える"プロ 宣伝・PR職の先輩interview

ノンノ世代の"好き"に携わる先輩たちにお話を伺う不定期連載企画。第2弾は、商品の魅力を広めるお仕事のリアルにクローズアップ!

株式会社バンダイ
ベンダー事業部
プロモーションチーム

渡辺結実さん

バンダイってどんな会社?
本社は東京都台東区。「楽しいときを創る企業」をスローガンに掲げ、主に子ども・親子向けに『ガシャポン』、玩具、カード、菓子・食品・食玩、アパレル・日用雑貨など幅広い事業領域の商品・サービスを展開している。

お仕事インタビュー渡辺結実さん1

発売元:バンダイ
©BANDAI
※写真に写っている商品は店舗により取り扱いが異なります。 
※販売が終了している場合がございます。あらかじめご了承ください。 

前職で経験を積み、新卒時に第1志望だったバンダイにリベンジ入社!

Career History

2023年 株式会社バンダイに入社

「大学の授業ではメディアや広告について学びました。前職の印刷会社で営業としてまる5年間働いた後、転職を決意」

主な業務内容

  • 公式SNSでの新商品やイベント告知
  • ブランディングにまつわるイベント開催やコンテンツの制作
  • 商品やSNSコンテンツの撮影ディレクション

『ガシャポン』の魅力を届けるためどんどん新しいことにチャレンジ!

——渡辺さんがバンダイに入社し、現職につくまでの経緯を教えてください。

 「昔から人を楽しませることが好きで、学生時代は幅広い年代の人にワクワクを提供するバンダイを第1志望に就職活動をしました。しかし残念ながらご縁がなく、総合印刷会社に入社。化粧品メーカーの営業担当となり、仕事も楽しく、充実した日々を送っていました。でも、キャラクターとコラボした商品のプロモーションに携わった際、それまでに味わったことのないようなワクワク感があって! キャラクターコンテンツを多数扱うバンダイへの憧れが再び増すなかで、プロモーション職の募集を発見し、思いきってチャレンジ。念願が叶ってバンダイに入社し、カプセルトイ『ガシャポン』の担当になりました」

お仕事インタビュー渡辺結実さん2

『ガシャポンEXPO2024』

「今年3月に池袋で開催。歴代の自販機や商品を展示したり、ワークショップを行ったり。全日、大盛況でした!」

——渡辺さんの具体的な業務内容を教えてください。

「大きく分けて、二つの業務を担当しています。一つ目は、公式SNSを使った商品のプロモーション。LINE、X、Instagram、TikTokの4つのプラットフォームをメインで運用しており、新商品やイベントなどの告知をしています。実は、バンダイの『ガシャポン』は毎月、100種類以上の商品を発売しているんです! 私を含む7人のチームでそれらを分担し、完成した商品の撮影や、コラボしているキャラクターの版権元様への告知内容確認なども行います。もう一つは、『ガシャポン』のブランディングを目的としたプロモーション業務。『ガシャポン』の高い品質や、安全面での取り組みなどを広めてブランド価値を上げるため、そして他社のカプセルトイとの差別化を図るために、『ガシャポンEXPO』などのイベント開催や、スペシャルコンテンツの制作を行っています。最近では、『ガシャポン』が好きな高校生の恋模様を描いたショートドラマ『#ガシャ恋』を制作し、TikTokで配信。人気インフルエンサーの方々にご出演いただき、大きな反響がありました」

お仕事インタビュー渡辺結実さん3

お仕事のマストアイテム

「SNS担当としてスマホは必須。試運転用の『ガシャポン』自販機の鍵には、大好きな『たまごっち』のチャームを♪」

——たくさんの商品や企画を担当されていますが、どのようにスケジュール管理を行っていますか?

「商品の把握と進行管理は、最も苦労してきたことの一つ。新商品の企画は発売の約1年前から始まるため、毎月100以上の商品企画が同時進行しており、当然プロモーション担当も多くのアイテムを抱えています。それらの進捗の管理に加えて、撮影、SNSの発信、ブランディング関連の業務を並行しなければならず、転職直後は、パニックに(笑)。このままではまずいと、エクセルで各業務の進捗リストを作成し、業務ごとのタスクを書き出すようにしたら、かなり整理できるようになりました! 繁忙期は、担当するイベントやコンテンツリリースの直前。フレックスタイム制度が導入されているので、繁忙期の前後の勤務時間を減らし、疲れをためないように調整しています。朝型タイプなので、忙しい時ほど早めに出社。出社前には自宅で必ず、10分間ヨガをするのがルーティンです。頭がクリアになって、仕事がはかどるんです!」

——プロモーション職の魅力や楽しさは?

「私にとって最大の魅力は、いろんなことにチャレンジできる部分。特にバンダイは積極的に新しい取り組みに挑戦できる風土があり、“おもしろそうだな!”と感じて提案したことを受け入れてもらえて、どんどん挑戦させてくれるんです。その代表例が、先ほどお話ししたショートドラマの制作。ティーンの間ではやっているショートドラマを作れば、拡散力のあるTikTokでバズりそうだな、というアイディアから誕生しました。初の試みで不安もありましたが、既存の『ガシャポン』ファンではない方々からも反応があり大成功! 私自身も、新しい経験を通じて、スキル面、またクリエイティブな発想力の両方で成長できた実感があります。SNS担当としては、商品に対するお客さまからのフィードバックを受け取るのが楽しみの一つ。ポジティブなコメントは、頑張った自分へのご褒美のようです。反響が大きければ大きいほどうれしい一方で、すぐに売り切れてしまい買えなかった!という声を聞くと、申し訳ない気持ちに……。色やキャラクターのリクエストなど、参考になる意見もたくさんいただき、ありがたく思っています」

お仕事インタビュー渡辺結実さん5

SNSに寄せられる反応は頑張った自分へのご褒美

カプセルトイのショップを見つけたら必ず立ち寄って、自ら市場調査!

——お仕事のヒントは、どのように得ていますか?

「とことん自由にアイディアを提案できる環境は、やりがいがある一方で、クリエイティブな力も試されます。でも私はまだ企画力に自信がなくて……。日々SNSでトレンドをチェックしたり、友人に周りではやっていることを聞いたりして、どうにか案をブラッシュアップしています。トレンドと商品をうまくかけ合わせて、ユニークな企画を次々と発案する先輩たちから学ぶ日々です。先輩方はフットワークが軽く、多趣味な人ばかり。アクティブに過ごしながら情報をキャッチしているんだな!と感じ、私もインスピレーションを求めて、週末は積極的に外出しています。キャンプにハマり、有休を使って小旅行を楽しむようになったら、リフレッシュも叶い一石二鳥! 出かけた先にカプセルトイショップがあると必ず立ち寄り、人気商品をチェック。担当した商品でお客さまが盛り上がる姿を見ると、ついニヤケてしまいます(笑)」

——今後の課題や、挑戦したいことは?

「カプセルトイの市場は拡大していますが、バンダイの『ガシャポン』にしかない特徴や魅力がまだまだたくさんあります。細部までこだわり抜いた製品のクオリティの高さや、カプセルで鼻と口をふさいでしまっても呼吸ができるように工夫されているといった安全性への配慮など、誇りに思うポイントをきちんとアピールできる施策を考えたいです。また、海外でのショップ展開も増えているため、海外向けのSNS発信も行いたいと思っています

お仕事インタビュー渡辺結実さん4

——これから就職活動に挑む、ノンノ読者へメッセージをお願いします!

「新卒時、第1志望だったバンダイに落ちた時は、すごく悔しかったです。でも前の会社で経験を積み、しっかり成長できた今だからこそ、『ガシャポン』のプロモーションの仕事につき、日々楽しめていると感じます。夢を叶えるための道すじは一つではないので、仮に挫折を味わったとしても、決して諦めないでほしい! やるべきことに最大限の力で取り組み続ければ、必ずチャンスは訪れると信じて進んでください

お仕事インタビュー渡辺結実さん6

インスピレーション探し

「自然に触れてリフレッシュしてリセットし、頭を柔らかくキープ。オフも大事にしていて、去年は有休をすべて消化」

商品発売までの進行スケジュール

13か月前 事前の商品案出し会議

12か月前 商品企画検討会議

4か月前 商品チェック

発売

「新商品が発売されるまでのスケジュール。まず、13か月前に小グループで事前の商品案出し会議。12か月前に上司との会議で製造が許可された後、プロモーション担当者は商品チェックで改めて商品の打ち出し方を考えます」

お仕事インタビュー渡辺結実さん7

楽ちんスタイルが定番

「特に服装のルールはなし。撮影立ち会いや『ガシャポン』自販機の搬出などで外出する機会が多く、動きやすさ重視」

学生時代にやってよかったこと

お仕事インタビュー渡辺結実さん8

「アルバイトでいろんな職業を経験。カフェやプール、居酒屋など10種以上に挑戦」

お仕事インタビュー渡辺結実さん9

「職場ごとに出会う人が違い、幅広い世代の視点を学べました。テーマパークのバイトでは、お子さんに寄り添う力がついたかも!」

non-no大学生エディターズ Q&A

Q.子ども向けの商品を担当する際、どのようなことを意識していますか?(レモンさん・大学3年)

「子どもの視点で考えること。日頃から子ども向けのテレビ番組を見たり、友達の子どもと遊んで好きなことや興味のあることを聞いたりしています」

Q.イベントなどを実施する際、商品のみをPRする時と、企画の考え方などに違いはありますか?(たかなさん・大学4年)

「商品は、仕様や魅力を伝えることが第一優先。対するイベントは、『ガシャポン』の楽しさを伝えることを目的としているため、より遊び心を重視します」

2024年10月号掲載

Staff Credit

撮影/千葉タイチ ヘア&メイク/中軍裕美子 取材・原文/中西彩乃 web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス

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