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コーセー「JILL STUART Beauty」プロダクトプランナーにお仕事インタビュー。コスメオタクが商品企画職になるまで。業務内容や就活のポイントも

2025.08.31

「JILL STUART Beauty」の作り手に直撃

"キレイに寄り添う" 化粧品業界の先輩interview

ノンノ世代の"好き"に携わる先輩たちにインタビューする不定期連載。第3弾では、大人気の化粧品を作る二人にお話を伺いました!

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株式会社コーセー
JILL STUART Beauty
プロダクトプランナー

清野あゆみさん

コーセーってどんな会社?

東京都に本社を置く化粧品メーカー。百貨店で販売する「JILL STUART Beauty」「ADDICTION」「コスメデコルテ」などから、ドラッグストアや量販店に並ぶ「ヴィセ」「雪肌精」「ファシオ」まで数多くのブランドを展開している。

株式会社コーセー JILL STUART Beauty プロダクトプランナー 清野あゆみさん

コスメオタクだった学生時代。自分が欲しい商品を作りたかった

Career History

2021年 株式会社コーセーに入社

神奈川県で生まれ育ち、都内の大学に進学。卒論ではメイクについて考察。マーケティング採用でコーセーに入社し、現職に配属。

主な業務内容

  • コレクションごとに商品・コンセプトを立案
  • 商品具現化の推進

大学でメイクの楽しさに開眼! コスメの商品企画職を志すように

——化粧品の商品企画職を目指した理由は?

「大学生になって自由にメイクができるようになり、いろいろ試していくうちに自信がついたり、気分が上がったりするのを実感しました。コスメと美容に関する口コミアプリ『LIPS』で購入品レビューなどを発信するなかで、フォロワーが5000人を突破し、趣味の枠を超えてコスメと向き合うことの楽しさを発見。外見だけでなく、内面やライフスタイルにもポジティブな効果をもたらすメイクアップという行為にますます惹かれ、自分も誰かにいい影響を与えるコスメを作りたい!と強く思うようになり、就活では化粧品業界を第一志望としました。そのなかでもコーセーを選んだのは、ブランドのラインアップが多彩なことと、当時、職種別採用を実施していた点に魅力を感じたから。最初から商品企画を担当したかったので、マーケティング採用を受けて入社。『JILL STUART Beauty』の商品企画として配属され、今年で5年目になります」

——具体的な仕事内容を教えてください。

「『JILL STUART Beauty』は商品カテゴリーが多岐にわたるので、ポイントメイクからヘア・ボディケア、フレグランスまで幅広いアイテムの企画を担当しています。毎月1〜2回は限定コレクションや新商品を発表していて、それらを3人のチームメンバーで分担。それぞれ発売の13〜15か月前から取り組むため、一人あたり同時進行で4〜5件のプロジェクトを抱えています。担当者は、まず2週間〜1か月ほどかけてアイテムの特長やバリエーション、コンセプトを考案し、上層部に提案。内容が決定したら、中身に関しては商品開発・研究チームと、パッケージに関してはデザイナー・設計チームとともに、打ち合わせを重ねてアイテムを具現化させていくのが主な仕事です。もっとも大がかりな業務は、歴史ある定番コレクションの新商品の企画。定番コレクションはブランドの"顔"ともいえる商品であり、トレンドに左右されずに愛され続けるアイテムを作らなければならず、完成までに長い時間を要します」

——企画を考える上で大切にしていることは?

「一番はお客さまが手に取った際にトキメキを感じて幸せな気持ちになれるような『JILL STUART Beauty』らしい"唯一無二の可愛さ"に満ちていること。また、店頭には初めてデパコスを購入される方やメイクデビューしたばかりの方も多く来てくださるので、メイクの楽しさが伝わるアイテム作りを心がけています。ビジュアルだけではなく、初心者の方にも美容マニアの方にも満足していただけるような、品質の作り込みも重視していることの一つです」

——商品企画の大変なところは?

「新規性のあるアイテムやテーマ、コンセプトを探す作業です。『JILL STUART Beauty』は、一年間に販売する商品数が他ブランドと比べて多く、新しいアイディアをひねり出すのにひと苦労。たとえ新しい提案でも、実現性がないと商品としては作れないため、コスト面や製造面などのバランスも考えながら模索する必要があります。アイディアをストックするために、日頃からSNSでトレンドをリサーチしたり、休日にポップアップなど話題のスポットを訪ねたり、四六時中インスピレーションの源を探っているかも。デパートなどの化粧品売り場では、つい近くにいる方の会話に耳を傾けちゃいますし、友達がメイク直しをする時にはアイテムをチェックしちゃう。化粧品業界で働く人のクセですね(笑)」

プロジェクトの進行スケジュール

13~15か月前 企画立案 企画書作成

12か月前 サンプル検討

8か月前 商品完成

「2〜3年先までの発売スケジュールがおおまかに決まっていますが、具体的に動き始めるのは発売の13〜15か月前。商品が完成したら、プロモーションを考える販売企画部にバトンタッチして、次の企画に取りかかります」

お客さまのポジティブな反応がやりがいとモチベーションにつながる

——どんな時に、やりがいを感じますか?

「商品を手に取ってくださった方々のポジティブなコメントはもちろん、情報解禁時にSNSが盛り上がっている様子や、街で自分の企画したアイテムを使ってくださっている場面を見かけた時など、お客さまの反応に触れるたびにやりがいを感じます。なかでも印象に残っているのが、2023年のホリデーコレクション。"めっちゃ可愛い""絶対に買う!"など大きな反響があり、頑張ってよかった!と胸がいっぱいになりました。また、商品企画はものづくりの仕事ですが、ただ物を生み出すのではなく、その先にどのような価値・体験を届けるかを考える役割もあります。最近は華やかなポイントメイクに限らず、ヘアケアなどのアイテムでも品質を評価していただけることが増えており、ブランドの成長を感じるとともに、モチベーションにつながっています」

——商品開発の仕事は、どんな人に向いている?

「大前提として、担当する商品・ブランドを好きであることが大事。私自身も、コスメが大好きだからこそこだわって作りたいし、熱意を持って取り組み続けられるんだろうな、と。5年目の今もサンプルを確認しながらトキメキますし、商品が完成するたびにテンションが爆上がりするんですよ! やりがいを感じられなくても仕事だと割り切る、という選択もありだとは思いますが、せっかく働くのであれば、少しでも興味のある分野を選ぶことで、人生がより豊かになると私は考えます。やってみないと分からないことも多いですが、しっかり自己分析をしたら、自分に合った職業選びのヒントが見つかるはず。どんな時に心が動き、何を大切にしているか、じっくり考えてみるなど、小さなことから行動に移してみてください!」

思い入れのあるアイテム!

JILL STUART Beautyプロダクトプランナー清野あゆみさんの思い入れのあるアイテム

「昨年4月に発売したパステルペタル ブラッシュ。紆余曲折ありましたが、作りたかったものが実現できて、達成感でいっぱいに♡」

お仕事インタビュー清野あゆみさん3

お客さまの喜びの声が一番のモチベーション

いつもの出社スタイル

JILL STUART Beautyプロダクトプランナー清野あゆみさんの出社スタイル

動きやすさを重視したデニムスタイルが定番!

「服装規定はゆるめ。私の職種は基本デスクワークで、社外の方と接する機会がほとんどないため、着心地のいいカジュアルスタイル一択。会議にあたり社内を移動する際も楽ちんです!」

お仕事のマストアイテム

JILL STUART Beautyプロダクトプランナー清野あゆみさんのお仕事アイテム

「ハンドミラーはサンプルチェック用。すぐ手に取れるように、デスクに常備。疲れたり行き詰まった時は、お気に入りのホワイトフローラルのフレグランスでリフレッシュ♪」

就活でやってよかったこと

「日本化粧品検定の資格取得。コスメが好きというアピールになりますし、化粧品の成分や肌への効能といった基礎的な知識が、入社後も役立っていると感じるので、勉強しておいてよかったと思います」

大学生エディターズからのQ&A

Q.お客さまに寄り添った提案ができるように意識していることは?(えんぴつさん・大学2年)

「さまざまな肌の色の方に使っていただくため、青み系・黄み系のどちらかに偏らないように、万能なトーンや幅広いカラー展開を心がけています!」

Q.いろいろなブランドがあるなかで、「JILL STUART Beauty」ならではのやりがいは?(ちゃちゃさん・大学2年)

「ブランドならではの"可愛い"を届けられること。コンセプトの世界観から色、パッケージまで、どれだけ心躍るものを作れるか、を大切にしています」

サンプルは自分でチェック

お仕事インタビュー清野あゆみさん6

「商品のサンプルが手元に届いたら、実際に使ってみて色や使い心地を確認。何度経験しても毎回、ワクワクします♪」

JILL STUART Beautyプロダクトプランナー清野あゆみさんのお仕事中の様子

2025年10月号掲載

"好き"に携わる先輩たちにインタビュー

Staff Credit

撮影/千葉タイチ ヘア&メイク/田中陽子(Lila・清野さん) 中軍裕美子(板尾さん) 取材・原文/中西彩乃 web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス

好きに携わる先輩にお仕事訪問

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