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栗原康/著『超人ナイチンゲール』を読む!【書店員花田さんのハタチブックセンター】

街の書店員花田菜々子のおすすめ本ハタチブックセンター

ハタチになったら読みたい大人のためのナイチンゲール

『超人ナイチンゲール』
栗原康/著 ¥2200 医学書院 


誰も知らなかったナイチンゲールのほんとうの姿。何不自由ない上流階級に生まれた彼女が、血と泥にまみれ、他者に憑依するように「ケア(看護)」に人生の全てを捧げ、天使というよりはむしろ革命家として生きた壮絶な人生を描く。

  ナイチンゲールというと、名前は知っているけど「たしか白衣の天使の人だよね」「小学生のときに読んだような……」くらいの人がほとんどなのではないでしょうか。伝記ってなぜか子どものときしか読まないですよね。
 私もそのレベルの知識しかないまま読み始めたのですが、これがとんでもなくおもしろかった~! 文章がユーモアたっぷりで落語か何かを聞いているように読みやすいし、読めば読むほど「この人ヤバすぎる……!」と夢中になってしまいました。
 看護職志望の人には特に読んでほしいけど、そうでなくても「何のために人を助けるのか」って、誰にとっても気になるテーマですよね。でも「何のためとか関係ない! 助けを必要としている人がいたらやるんだ!」って強く信じて実践していた彼女はほんとうにアツくてかっこよくてしびれます。最近情熱が足りてないという人、ぜひ彼女の激しい炎に触れてみて。

 

『御社のチャラ男』
絲山秋子/著 ¥869 講談社文庫


地方の小さな会社・ジョルジュ食品でひそかに"チャラ男"と呼ばれているのは、コネ入社の三芳部長。周囲の人たちから見た彼の人物像と、彼自身の語りから見えてくる、"チャラ男"と呼ばれる人の本質とその後の姿とは――。

『なにごともなく、晴天。』
吉田篤弘/著 ¥858 中公文庫


高架下の商店街で働く美子の前に、ある日銭湯とコーヒーを愛する探偵が現れた。彼女とのエピソードを町の人々に話すと、おのおのが自分の秘密を口にし始めて――。巻末には作中に登場する喫茶店の"ベーコン醬油ライス"の作り方も収録。

『ももこのまんねん日記』
さくらももこ/著 ¥1320 集英社文庫


2008年秋から2011年冬にかけてのさくらももこの日常がつづられた日記。特別なことは望まない、いつもの暮らしが無事にできればいい、という地味だけど穏やかなそのスタンスは、忘れていた日々の尊さを思い出させてくれる。


はなだ ななこ 
東京・高円寺の書店「蟹ブックス」店長。著書『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』『モヤ対談』が好評発売中。

2024年4月号掲載

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