インタビュー

直筆メッセージつき! 本田翼、ノンノモデルの8年間を振り返る

2018.06.15

祝・卒業!翼のラストインタビュー

普通の女の子がスターになるまで。激動の時間をともに過ごした、本田翼とノンノの約8年の物語。

最後の撮影で思わず流れた大粒の涙

「明日が最後の撮影だと思うと、いろんな思いがこみ上げてきて……実はね、昨日はあまり眠れなかったの」 スタジオに入るなりそう語り「どうしよう、また寂しい気持ちになってきた。やばい、今日は泣いちゃうかもしれない」とポツリ。

その言葉通り終わりが近づくにつれ目を潤ませ、ノンノのインスタに載せる卒業コメントの撮影中、こらえきれずに大粒の涙を流したばっさー。

「人前で涙を見せるのはニガテ。学生時代、卒業式で泣いたことだって一度もないし、女優の仕事現場でも演技以外で涙を見せることなんて滅多にないのに……。最後のカットの撮影中、ノンノの初めての撮影の“お疲れさまでした”の瞬間が急によみがえってきたりして。やっぱり年間は長い。大切な思い出がたくさんありすぎて……」
本田翼

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大学生になったら、モデルの仕事は辞める

ばっさーが初めてノンノに登場したの は、2009年の6月5日号。まだ髪も長く高校年生だった彼女は、スタジオの隅に座り参考書を開いていた。話しかければ笑顔で言葉を返すが、積極的に他のモデルたちの会話には参加しない。人見知りで物静かな女の子という印象だった。

「今思い出したけど、その時は確か、スタジオで受験勉強をしていたんですよ。あの頃はお寿司屋さんとカフェでバイトをしていて。モデルの仕事もそれと同じ“アルバイト感覚”。当時の私はモデルとしてはまだまだ未熟で。雑誌の撮影に呼んでもらうことも少なかったんですよね。それだけに、ノンノの撮影に参加できたのはスゴクうれしかったんだけど……私がこの世界で生きていけるわけがないと。大学に受かったらモデルの仕事は辞めよう、そう思っていたんです」

将来は一般企業に就職して、OLになる予定だった。そんな彼女がノンノの専属モデルになったのは、それから約1年後、高校3年生の春のこと。

「専属モデルになると決定した号の撮影は今でもよく覚えています。というのも、ヘア特集で長かった髪の毛をバッサリ切ってショートカットにしたんですよ。ずっと切りたかった髪を切れたのも、レギュラーモデルに決定したのも、スゴクうれしかった。ただ……大学に受かったら モデルの仕事を辞めるつもりだったから。 正直、心の中では“どうしよう”という戸惑いも。大学卒業するまで引き延ばすかぁ、なんて考えてみたりして。でも、大学受験前日にインフルエンザになってしまい、結果、見事に不合格。そんな心配をする必要はなかったっていうね(笑)」

そんな本人の思いとは裏腹に、ショートカットで誌面に登場するなり、その人気は一気に急上昇。

「スタートは戸惑いと不安でいっぱいだったんだけど、ノンノの撮影を続けていくうちに、少しずつ気持ちが変わっていたの。今でも印象に残っているのが私服特集。たくさんいるモデルの中で“自分にしかできない何か”を探したいなと思って。ブログに私服の写真を載せるようになったの。すると、それを見た読者のみんなが“マネしたい”と言ってくれるように。その声がきっかけで、私の私服特集が組まれたの。それはこの仕事を始めてから初めて手ごたえを感じた瞬間でもあって……スゴクうれしかった。最初はモデルとしての自分に自信が持てなかった私だけど、読者のみんなが認めてくれたからこそ、少しずつ自信を持てるようになっていったの。そして、カメラの前に立つのがどんどん楽しくなっていって。気づけば、モデルが大好きな仕事になっていたんだ」

今では全国の女の子にとって憧れの存在であるばっさーも、当時はまだまだ駆け出しのモデル。

「撮影に呼ばれる回数がどんどん増えていくのもうれしかったし。1か月着回しの撮影が来た時はそれだけで感動。人気モデルが担当するイメージだったから、 “私もその仲間入りを果たせた”って。 だがしかし、実際は短い時間で30日分のコーデを撮影。そのハードさを痛感した後は、一切そんな喜びを口にしなくなるんですけどね(笑)」

今も昔もこれからも 自分らしく歩いていく

自分の意志で卒業を決断し、新たなスタート地点に立ったばっさー。

「大事なのは“今、目の前にあること”。 遠い先の目標は決めない、それが私の進み方。だからこそ、これからについては自分でもまだよく分からないんだけど……。“私はこうだ”と決めつけるのは、自分の可能性を制限してしまうから。自分を決めつけず、型にはまらず、これからも自分らしく歩いていけたらいいなって思ってます」

卒業してしまうのは寂しいけれど、今日が最後のサヨナラじゃない。ばっさーがいろいろな場所で活躍してくれれば、今度はノンノが取材をしに行ける。その日を楽しみにしているよ。そう伝えるとまた、大粒の涙がポロリ。

「逗子の海で撮影の朝に大寝坊。電車に乗ってロケバスを追いかけたこともあれば、ノンノのイベントで行った福岡で、“地元の人が通う店で、行列に並んでラーメンを食べたい!”と、ワガママを言ってスタッフさんを困らせたりも……。自由でマイペースな性格ゆえ、われながら本当にたくさん迷惑をかけてきたなって思うんだけど、それでもノンノはいつだって優しくて。その優しさを一番感じたのが、環境の変化に戸惑っていた時期。 私もだけど、周りもきっと同じように戸惑ったはず。なのに、そこでもみんなは温かく見守り続けてくれて……。ノンノは子どもから大人へと、心が成長する時期を過ごした、大切な場所。振り返ればり返るほど、そう思う。大好きなノンノに、読者のみんなに、また会いたい、早く会いたい、明日にでも再会したい…..編集長、その取材、来月号じゃダメですかね?(涙)」

ノンノ2018年7月号掲載

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