青山テルマさんが教えるメンタルヘルスの保ち方。居場所を探していた学生時代、落ち込んだ時の対処法、読者へのメッセージも！

環境の変化や友人との出会いや別れなど、慌ただしい新学期を経て疲れがドッとあらわれがちな時期。些細なことでモヤモヤしたり、不安で眠れなかったり……。なんだか＂心が疲れた＂と感じたら早めにケアを。メンタルヘルスの不調を解消するヒントをお届け。

青山テルマの寄り添い相談室

オーディション番組＂PRODUCE 101 JAPAN＂では候補者の気持ちに寄り添う言葉がけや指導で注目を集めた青山テルマさんが、読者から寄せられたお悩みに回答。たくさん悩んできた経験を交えながら提案してくれた解決策には、心に響く言葉が満載！

落ち込むこともたくさんあったけどその経験が自分の強みになった

常にポジティブじゃなくていい。悩んでいる自分にとことん向き合って

ワンピース￥32900・Tシャツ￥4900／デシグアルストア 銀座中央通り店（Desigual）　ピアス￥20115／LYDIA（SANDY LIANG）　靴下／スタイリスト私物

　アーティスト、MC、俳優と幅広く活躍し、唯一無二の存在感を放つ青山テルマさん。華々しいキャリアを持つ一方で、自身のエッセイやインタビューでは、幼少期に受けたいじめ、ブレイク後の苦悩などを赤裸々に語ってきた。

 「最初に抱いた悩みは、肌の色でからかわれたこと。私が住んでいた奈良の小さな町では、ミックスの子が珍しかったんですよね。それが原因で、通学に往復5時間もかかるインターナショナルスクールに行くことに。その後アメリカに移住することになり、現地の学校に通い始めたら、今度はアジア人として扱われて……。＂私の居場所はどこにあるんだろう？＂と、物心がついた頃から環境の変化やカルチャーの違いによる戸惑いが絶えない人生でした。高校生の時に歌手を目指すようになってからは、なかなかデビューできない状況に焦る日々……。そして大学1年生の時に『そばにいるね』がヒットすると、目まぐるしい忙しさのなかで仕事と学業を両立することに精いっぱいで。改めて振り返ると、いろんな壁を乗り越えてきたなぁ。落ち込むことも多々あったけど、その経験が今の自分の強みになっていると思います。苦しいって感じるハードルも、絶対に越えられる自信があるんですよ。＂あれもこれも乗り越えてきたんだから、今回も大丈夫だよね！＂って」

　そんな青山さんは、誰かに相談することはあっても、自分の悩みは自分で解決したいのだとか。

 「私は、＂常にポジティブでいなきゃ！＂とは思わなくて。落ち込むことがあったら落ち込めばいい、というスタンスです。こんなことで落ち込む自分は弱いのかな？と思ってしまうと、自分を責めて、どんどんネガティブ思考になってしまうので。きっと今は悩みと向き合うことが必要な時期なんだ！と受け入れています。そう思えるのは、どんなに絶望的な状況でも、どうにかなってきたから。めちゃめちゃ落ち込みながらも心の片隅で、＂この後いいことあるんだろうな〜＂ってどこかワクワクしています（笑）」

　日頃から、若い世代の悩みを聞く機会が多いという青山さん。最後に、読者に伝えたいメッセージをもらった。

 「私がみんなの年齢だった頃と今の一番の違いは、SNSの有無。すごく便利になった一方で、私は窮屈さも感じる。いろんな人の人生や意見が、いや応なく目に入ってきてしまうから……。人と自分を比べちゃうのは当然だし、自分の考えがブレちゃうのもしかたないと思います。そんな時代だからこそ、意識的に周りから目を離して、自分と向き合うことが大事なのかな、って。落ち込んだ時にどう解決するかは、結局自分しだい。いいアドバイスをもらっても、気に入らなかったら実践しないよね？ まずは自分はどうしたいのか、どうなりたいのかを明確にすることが、問題解決への近道だと感じています。私も含め、きっとこれからも悩みは絶えないけど、一つ一つ解決しながら人は強くなっていくんだと思う。同じことで繰り返し落ち込んじゃったとしても、それも自分らしさ。＂人生おもろ！＂って、気楽な気持ちで生きていってほしいです！」

profile

1987年10月27日生まれ、奈良県出身。2007年にメジャーデビュー。翌年リリースした『そばにいるね』が大ヒット。オーディション番組＂PRODUCE 101 JAPAN＂ではボーカルトレーナーを担当し、注目を集めた。俳優、MCとしても活躍中。

2025年7・8月合併号掲載