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【大学生の国民年金】何のため?いつから支払う?学生免除のシステムは?プロが知らないと損な情報をレクチャー

2025.11.12

年末調整年金&保険?複雑すぎる仕組みを徹底レクチャー

大学生が知っておくべきお金の法律制度

せっかく頑張って稼いでも税金を払いすぎたり、親の手取りが減ってしまう可能性も……!? 損しない収入の計算法から、税金が戻ってくる手続き、将来に備える年金&保険まで。これを読めばお金の解像度が劇的にUP!

教えてくれたのは

高山一恵さん

高山一恵さん

ファイナンシャルプランナー。Money&You取締役。講演活動や執筆、マネー相談を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を発信。

国民年金って何のため? いつから支払う?

支払う期間や金額のルールを守らないと、将来もらえる年金額が半減することも……! 加入したまま支払いが免除される学生のための制度など、知らないと損な情報が満載。

年金って何のためのシステム?

国民みんなでお金を出して将来に備えるための保険!

お金の法律と制度イラスト2-2

分かりやすく説明すると、国民みんなでお金を出し合い、老後や病気・事故の時に備えるための保険制度。20歳以上、60歳未満のすべての国民に加入が義務づけられています。加入すると、40年間、毎月一定額(現在は約1万7000円)の保険料を支払い続けることが基本のルール。"高すぎる!"と思うかもしれないけれど、満額を支払い終えると、65歳から毎年80万円前後の「老齢年金」が支給されます。さらに、病気やけがで障害を負った場合には「障害年金」が、配偶者が亡くなってしまった場合には「遺族年金」が払われ、万が一の事態に備えることができるんです! 少子高齢化が進む現代は、"国民年金を払うよりも貯蓄で備えたほうがいいのでは?"と思うかもしれませんが、年金を納める人が減ってしまうと、それを補うために、消費税率や社会保険料が引き上げられる可能性大。つまり、私たち一人一人が国民年金をきちんと納めることが、将来の豊かな暮らしにつながります。(高山さん・以下同)

「年金は月に約1万7000円!? 今すぐ支払うのは少し厳しいかも……」

年金が免除される、学生のための制度を使おう

お金の法律と制度イラスト2-4

老齢年金を満額受け取るためには、20歳から40年間、毎月欠かさずに保険料を支払い続けなければいけません。しかし収入が少ない学生にとって、毎月の保険料を払うのは大変ですよね。そこで国が用意しているのが、「学生納付特例制度」。申請すると保険料の支払いが免除され、さらに、その間も国民年金に加入していると見なされる、学生の特権ともいえる制度です! ただし、払わなかった分は将来もらえる年金額に反映されないので、満額を受給したい場合は、保険料の追納(=後から納めること)が必要。通常、追納の期限は2年以内なのに対して、学生納付特例制度の申請をすると、卒業から10年以内は追納可能になります。金銭的余裕があるタイミングを選んで支払えるので、お財布的にも精神的にも安心です♪

休学 留年 留学 卒業から入社まで
期間あり
対象内 対象内 (日本に住民票があれば)対象内 対象外

入社までに学生ではない期間がある年は、学生納付特例制度の対象外に。ただし、一定の収入基準を満たせば、若年者納付猶予制度に申請できるので要チェック。

学生の国民年金を扶養者が支払うと、控除の対象に!

お金の法律と制度イラスト2-5

国民年金のルールでは、 保険料を本人の代わりに扶養者が支払ってもOK。自分や自分が扶養する家族のために払った保険料は、払った人の控除対象になるので、扶養者は社会保険料控除を受けられます。たとえば、親が1年分の保険料を支払ってくれた場合、親の所得から保険料の総額20万円ほどが引かれた上で税金が計算されるため、節税につながるんです。その旨を扶養者に伝えて相談し、自分に一番合う方法を選んでくださいね!

「年金の支払い方法を変えられるのは助かる……まずは家で話し合ってみる!」

ちなみに社会人になると――

会社員や公務員になると、自動的に厚生年金に加入します。厚生年金とは企業で働いている人のための年金制度です。国民年金に厚生年金が上乗せされるため、保険料は上がりますが、その分将来もらえる年金額もアップ。厚生年金の保険料の半分は企業が負担するので、かなりお得です! なお、収入によってはパートやアルバイトも厚生年金の加入対象になりますが、フリーランスなどの自営業者は厚生年金の加入対象外。また将来のためによりしっかり備えたい人は、「iDeCo」という個人型確定拠出年金に入ることも可能です。

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2025年12月号掲載

Staff Credit

イラスト/徳丸ゆう 取材・原文/中西彩乃 web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス

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