映画への出演は、2013年に公開された『真夏の方程式』以来、約4年ぶり。沼田まほかるの同名小説を実写映画化した『ユリゴコロ』では、人間の死を心の拠りどころに殺人を繰り返すヒロインに挑んだ。「今までに演じたことのない役柄だったので、脚本を読んで、すぐに〝やってみたい!〟って思ったんです。ただ、その時の印象よりも、いざ現場に入ってからのほうがはるかに大変でした」
撮影は、すべて地方ロケ。1か月半滞在していたところでは、現場と宿泊先のホテルをひたすら行き来する毎日だったそう。「どこにも慣れ親しんだ空間がなかったから、〝私のあの快適なおうちは~?〟みたいな(笑)。でも、そういう閉鎖的な場所にいたことで、殺人者という役作りが難しいキャラクターに近づけたし、作品の世界観にどっぷりひたれたんじゃないかと思います」
〝ユリゴコロ〟とは、生きていく上で必要な心の拠りどころを意味する造語。では、吉高さんにとっての〝ユリゴコロ〟は……? 「翌日撮影するシーンのセリフが頭に入った状態で、お風呂もすませて、あとは寝るだけっていう時の1杯♡ 録画してある『ワイドナショー』を見たり、ゲームをしながらひと息つくのが至福の時間なんです」
プライベートでは、7月で29歳に。30代に向けての抱負を尋ねると、吉高さんらしい肩の力の抜けた答えが返ってきた。 「20代は、毎年のように夏に海外へ行ってホームステイしたり、本当にやりたいことをやらせてもらったんです。30代も、焦らず、しがみつかず、時間に身をゆだねながら満喫したい。でも、〝若いから〟で許されることは減るだろうから、ちゃんとけじめのある行動をとりたいです」