【モーニング娘。’22】森戸知沙希卒業記念インタビュー後編 メンバーへの思い、“アイドル”への思い

2022.06.16

【モーニング娘。’22】アイドルは歌って踊るだけじゃない、誰かの何かの“きっかけ”を作ることができる存在【森戸知沙希】

モーニング娘。'22 森戸知沙希_5

6月20日(月)に日本武道館にて開催されるモーニング娘。’22コンサートツアー最終公演をもって、グループおよびハロー!プロジェクトから卒業する森戸知沙希さんをクローズアップ。ポップでキュートな世界観の撮りおろし写真と、モーニング娘。愛がたっぷりと詰め込まれたインタビューをお届けします。後編ではメンバーに向けて面と向かっては言えない思いを熱く語ってもらいました。

「モーニング娘。に入ってくれてありがとう」という言葉に救われました

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――以前non-no webに登場した佐藤優樹さんが森戸さんのことを「すごく音楽が好きな子だと思う」と発言されていましたが、そのことについてコメントをいただきたいです。

「えっ、私ですか⁉︎ めちゃくちゃおもしろいですね(笑)。確かに音楽は好きですけど、モーニング娘。には音楽に詳しいメンバーがすごく多くて、それこそ卒業されてしまいましたが佐藤さん、(野中)美希ちゃん、小田(さくら)さんとかはすごく幅広くいろんなジャンルの音楽を聴いているイメージがあります。この曲のギターの音がいい、とかそういうマニアックな話までよくしていて本当にすごいんですよ。私はもともとハロー!プロジェクトの曲が好きで、いろんなグループの楽曲を聴いていたんですけど、K-POPも大好き。よく聴くのはBLACKPINKさん、TWICEさん、最近だとIVEさんなど。音源だけではなく、パフォーマンスだったり凝った世界観のMVを動画で見るのが好きなタイプなので、楽屋でも結構スマホで見ていたりします。佐藤さんはもしかしたら、そういう姿をどこかから見ていたのかもしれないですね。なんか恥ずかしい(笑)」

――(笑)。では森戸さんからも現メンバーに向けたコメントをいただきたいです。先輩から順にお願いします。

「リーダーの譜久村(聖)さんは多分、メンバーの中で一番性格が似ているというか、思っていることが一緒だなと思うことが多いので、とにかく一緒にいてすごく気持ちが楽です。そしてよく周りの人のことを見ていて、気がつく方だからこそ相手が求めていることに応えてくれるというか。私がモーニング娘。に加入して、自信が持てなくて悩んでいた時期に『(モーニング娘。に)入ってくれてありがとう』という言葉をかけてくださったんですけど、その瞬間に心がすっと軽くなって救われたんです。これは今までに言われて一番うれしかった言葉です! 20歳のお祝いにプライベートでごはんに連れて行ってくださったのも、すごくうれしくて忘れられない思い出になっています。

譜久村さんと同じ9期の生田(衣梨奈)さんは、とにかく優しい人です! 今回のツアーでは衣装の形の一部分をメンバーが選べるようになっていたんですけど、私はなかなか決めきれなくて。そんなとき『こうしたらもっと可愛いんじゃないか』と親身になって一緒に考えてくださったり、『最後だからもっと派手にして目立たないと!』と、衣装さんに直接掛け合ってくださって。さらにご自分用にキープしていたアクセサリーを譲っていただいたりと、生田さんの優しさをつい最近も感じたところでした。加入したばかりの頃に2人でラーメン屋さんに行ったのも、私にとってはすごくいい思い出。でも生田さんはそのことを忘れちゃったっておっしゃるので(笑)、また一緒に行きたいです!

10期の石田(亜佑美)さんに対しては本当に“ごめんなさい”って言葉しか浮かばないです。石田さんはダンスがすごく上手で、メンバーにも熱心に声をかけて教えてくださる方なんですけど、加入したばかりの頃の私はご指摘いただいたことを全然変えられなくて。教えてもらったことに対して感謝の気持ちを持つこと、その優しさを理解することも全然できていなかったんです。そのことに気がついてからは常に感謝の気持ちを持って接するように心がけていたので、ちょっとでも挽回できていたらいいなと思います。そして活動していくなかで、そんなダンス上手な石田さんと2人で一緒に踊るパートやシンメを務められたことはすごく光栄でした。元カントリー・ガールズのメンバーの(山木)梨沙ちゃんという共通の友達もいるので、これからはプライベートで仲よくしていただきたいなって思っています」

――11期の小田さんは森戸さんと同じく同期がいない単独加入メンバーです。

「そうですね。だから理解してもらえる部分も多かったと思いますし、たくさん優しくしていただきました。誰に対してもすごくフレンドリーな方なので、実はカントリー・ガールズ時代からお話はよくさせてもらっていたんですよ。一番フラットに話せる先輩だったのでいろいろ相談もしましたし、ヘアセットのお願いをして実際にしていただいたことも。どんな質問をしてもいつも誠実に答えてくださるし、お願いしても嫌って言われないからつい甘えたくなっちゃうんです。そしてとにかくいろんなジャンルの知識が豊富なので、話を聞いてるだけですごくおもしろい! こんなに日常生活の雑学について詳しい人ってなかなかいないと思います(笑)。そしてメンバーへの愛がとにかくすごい! プロアイドルのイメージが強いと思いますけど、メンバーにだけ見せてくれるオフの顔もすごく魅力的な先輩です。いつも本当に素敵だなぁって思っています。

12期メンバーの(野中)美希ちゃんとは仕事から趣味まで何でも話すような仲で、プライベートでも一番遊んでいるんじゃないかな? 同い年だし、一緒にいてすごくおもしろい子なんですよ。とにかく多才でなんでもできちゃうタイプだし、行動力もあるので尊敬しています。でも結構おっちょこちょいな部分もあったりして、そのギャップも可愛いんです。グループの中ではちゃんと自分の立ち位置を考えていて、先輩を立てるところではさっと引くし、逆にここぞっていう時には目立つぞっていう気持ちをちゃんと持っていて、そういうライバル意識じゃないですけど、モーニング娘。にすごく必要な部分を、しっかり持っているところもいいなと思います。

(牧野)真莉愛はですね〜、実はここ1年ぐらいの間ですごく仲よくなれたんですよ。去年行われた『花鳥風月』というライブツアーのチームが同じで、ずっと一緒に過ごしたのが大きかったです。それまでは自分の世界がある子だから、他人にはあまり興味がないのかな、と思っていたんですけど、実際に話してみたらいろんな話をしてくれるし、すごくおもしろい人で! 趣味がいっぱいあるし、好きなことを突き詰めるタイプだから、とにかく話しているだけで情報がたくさん入ってくるんです(笑)。そして真莉愛といえばとにかく練習をする努力家。ツアー中は舞台の袖でも楽屋でも、ずっと練習しているんですよ。そういう姿を見ているとこれぞ真莉愛だなって思うし、本当にたくさんの刺激を受けました。ソロでの仕事も多いのに、どんなことに対しても全力投球なところを尊敬しています。

あかねちん(羽賀朱音)は、モーニング娘。に加入してすぐ一番仲よくなったメンバー。なのでその時のインパクトがとにかく強いです。最初の頃は本当にあかねちんとしかしゃべれなかったんですよ(笑)。その存在にどれだけ救われたことか……。あかねちんがもともと持っている空気感みたいなものは人を惹きつけるし、話しかけやすいオーラが出ているんですよね。自分にはまったくない部分なので羨ましいです。あと私たち、チョコミント味のものが好きだったり、フィルムカメラで撮影するのが好きだったりと結構似ている部分もあるんですよ。卒業しても変わらず仲よくしてほしいです!」

卒業後は“森戸さん”以外で呼んでほしい13期、新しい風を吹き込んでくれた15期への思い

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――13期メンバーとは関係性がなかなか複雑ですよね。

「はい。モーニング娘。には13期の2人が先に加入したのに、ハロー!プロジェクトでのデビューは私の方が先だったということで“森戸さん”呼びさせてしまうことになって……なんだか申し訳ないなっていう気持ちがありました。特にかえでぃー(加賀楓)に関してはもっと複雑なんですよ。研修生期間を含めたハロー! プロジェクト歴でいえば、かえでぃーの方が圧倒的に長いですし、同い年でもあるし。お互いに自分から話しかけに行くタイプでもないので、最初の頃は距離ができてしまっていたんですけど、話せるようになったらダンスやK-POPが好きという共通点があって一気に仲よくなりました。かえでぃーはとにかくこだわりがある人なので、話しているとそういう部分も見えてきておもしろいし、刺激になるものをたくさん与えてくれます。時にそのこだわりが強すぎるところもあるんですけど、最近はかなり柔らかくなって雰囲気が変わった気がしますね。私的にはこの5年で一番変わったメンバーだと思います。卒業したら絶対に“森戸さん”以外の呼び名で呼んでもらいたいです(笑)。

よこやん(横山玲奈)はですね、プライベートでよく遊んだメンバーです。でも考えたら最近遊べてないかも……えー、なんか考えてたら寂しくなってきちゃいました(笑)。仲はずっといいんですけどね。よこやんはめちゃくちゃ話をするのが上手で、気もすごく遣える子なので一緒にいてすごく楽なんです。コスメマニアでいろんなアイテムを持っているし、他にも漫画、アニメ、サッカーにも詳しくて、とにかく趣味も多いイメージ。真莉愛と一緒で好きなことをすごく突き詰めていくタイプなんですけど、私たちみたいな仕事をしている人にとって、そういう部分はすごく大事なことだと思うのでいつもいいな、と思っています。よこやんも今は“森戸さん”呼びなので、私が卒業したら何と呼んでもらってもいいです!」

――直の後輩にあたる15期は、モーニング娘。に柔らかい空気感をもたらしてくれたとインタビューの前編でおっしゃっていました。

「はい。3人とも本当に個性があって素敵な子たちなんです。(北川)莉央ちゃんに関してはジャンプもスキップもできない子が入ってきたぞ、ってメンバーの中でもちょっと話題になって。まさか〜、オーディションを勝ち抜いたんだし、いくらなんでもそんなわけないでしょって思っていたら本当にできなくて『ウッソ……!』 と思いましたけど。その後、石田さんが体育教師ばりの熱血指導をしていた姿も忘れられないです(笑)。でも莉央ちゃんをはじめ15期の子たちの“できないところからできるようになるまでの過程”を見せてもらったことが、グループにとってすごくいい刺激になったんですよ。ちょっと忘れていた感覚を思い出したというか、空気感がすごく和みました。そんな莉央ちゃんですけど、今ではダンスも歌もすごく上手になって。魅せ方も頑張ろうっていう気持ちがすごく伝わってくるし、人一倍研究熱心で努力を惜しまないタイプなので、これからもすごく期待しています。プライベートだとちょっと抜けていておもしろいところがあるので、そのギャップにも注目してほしいです。

ほまたん(岡村ほまれ)は加入してきた時、あまりに若すぎて『赤ちゃんかな……⁉︎ 』というのが第一印象。目の前にしたらもう可愛い!っていう感情しか出てこなかったです。そのありのままの姿を見たいファンの方もたくさんいるだろうなと思いました。でも去年ぐらいかな? 気持ちに大きな変化があったような感じがします。加入当初はお友達と遊ぶのが大好きな普通の14歳の女の子だったので、仕事を始めてきっと寂しかったり、ショックなこともたくさんあったりしたんじゃないかと思いますけど、ここまで頑張ってくれて本当にありがとうって伝えたいです。でもそんなほまたんがいることで15期のメンタル的なものも、これから入ってくる子がいてもすごく安心だなって思います。今はすっかり背が伸びてとにかくスタイル抜群だし、メイクにも興味があって意識もすごく高い子なので、この先がめちゃくちゃ楽しみです。

(山﨑)愛生ちゃんはお互いに人見知りということもあり、なかなかしゃべることができなかったんですよ。最近やっと話せるようになってきたところなんですけど、まだまだ不思議なところがたくさんあって。でも真莉愛と同じで、こっちが勝手に決めつけちゃっているだけなのかもしれないとも思っています。加入してから顔つきも内面もどんどん成長しているので、いつまで『パンダさんパワー』って言ってくれるんだろうって思ったり。これからどんなキャラクターを確立していくのかすごく興味深いです。パフォーマンスも歌声もすごく魅力的だし、いい意味で周りを気にせず自分を貫ける芯の強さを持っているので、これからも変わらずそうであってほしいし、グループにすごくいい味を出してくれる存在だと思います。
 
15期には12期以来かなり久しぶりの一般加入メンバーがいるということで、私たちもすべてを受け入れてみんなで支えていこうっていう気持ちになって一体感が増しましたし、入ってきてくれたことが本当にうれしい出来事でした」

ファンの皆さんの“ありがとう”が、私のアイドル像を作ってくれました

モーニング娘。'22 森戸知沙希

――メンバーへの想いを語っていただくと、森戸さんの“モーニング娘。愛”をすごく感じます。そこでnon-no読者にぜひ聴いてほしいモーニング娘。の楽曲を教えてください。

「ありがとうございます。めちゃくちゃ悩みますけど、私と同世代ぐらいの女性だったらやっぱりプラチナ期と呼ばれる時期の楽曲が響くんじゃないかと思います。今3つまで絞ったんですけど、決めきれないですね……ちなみに候補は『なんちゃって恋愛』、『泣いちゃうかも』、『気まぐれプリンセス』。こういう話をしていると完全にファンに戻ってしまうので本当に悩みます(笑)。……でも決めました、『泣いちゃうかも』です! 歌詞を見るたび、これを書いたつんく♂さんって本当にすごいなと思わずにいられません。こんなに女の子の気持ちが分かるなんて……! 言葉の並べ方もそうですし、曲調もカッコよさと切なさが両方あってすごく好きです。これはきっとnon-no読者の皆さんも共感してくれるんじゃないかと思います」

――最後に森戸さんにとって「アイドル」とはどういう存在か教えてください。

「応援したくなる、憧れる、癒やしてくれる……そして元気をもらえる存在だったり、何か人の気持ちを大きく動かすような“きっかけ”を作ることができるのがアイドルなのかな、と思います。自分がなるまでは“歌って踊る”という外側の、華やかな部分しか見えていなかったんですけど、いざやってみたら全然それだけじゃないんだということに気づきました。ファンの方たちから“ありがとう”っていう言葉をかけていただくたびにいろいろ気づかせてもらっているし、こちらこそ本当にありがとうございますって伝えたいです。留学している間は活動を一旦ストップするのですが、帰国した際には新しい経験を生かしてまた何かやってみたいなと思っているので、気長に待っていてくださったらうれしいです」

P r o f i l e

●もりと ちさき

2000年2月19日生まれ、栃木県出身。2014年にカントリー・ガールズの新メンバーに選ばれ翌年メジャーデビュー。2017年に14期メンバーとしてモーニング娘。’17に加入し、2つのグループを兼任しながら活動する。2019年にカントリー・ガールズを卒業し、モーニング娘。専任に。愛称はちぃちゃん。カントリー・ガールズ時代のメンバーカラーはオレンジ、モーニング娘。でのメンバーカラーはホワイト。特技はダンスでモーニング娘。公式TikTok(morningmusume_uf)に投稿されるK-POPカバーダンスもたびたび話題に。カントリー・ガールズ時代は、テンパると耳が真っ赤になるとメンバーにもファンにも指摘され、歌詞にまで取り上げられていた。モーニング娘。内で1、2を争う“ゲラ”。グラビアでも活躍し、5th写真集『Cheers』(オデッセー出版)が発売中。

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I n f o r m a t i o n

モーニング娘。'22『Chu Chu Chu 僕らの未来/大・人生 Never Been Better!』

モーニング娘。’22

『Chu Chu Chu 僕らの未来/大・人生 Never Been Better!』

通算71枚目、2022年第1弾シングル『Chu Chu Chu 僕らの未来/大・人生 Never Been Better!』が発売中。森戸知沙希さんが参加するラスト作品となり、両曲ともつんく♂が作詞・作曲を手がけた。

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