【モーニング娘。’22】森戸知沙希卒業記念インタビュー前編 ももち先輩から学んだ精神で乗り越えた怒涛の日々

2022.06.14更新日:2022.06.16

【モーニング娘。’22】初ツアーで覚えた楽曲は70以上! 加入当時のめまぐるしい日々と、今と未来のはなし。【森戸知沙希】

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6月20日(月)に日本武道館にて開催されるモーニング娘。’22コンサートツアー最終公演をもってグループおよびハロー!プロジェクトから卒業する森戸知沙希さんに、non-no webが直撃インタビュー。愛らしいルックス、パワフルなパフォーマンス、独自のユーモアセンスなど、魅力たっぷりな“ちぃちゃん”の思いを詰め込んだ、スペシャルな内容でお届けします。前編ではラスト参加シングルの注目ポイント、モーニング娘。に加入してからの怒涛の日々について語ってもらいました。

ラストシングルは“世界観で魅せる”新しいタイプの楽曲

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――まずはラスト参加となるニューシングル『Chu Chu Chu 僕らの未来/大・人生 Never Been Better!』についてお話を聞かせてください。

「『Chu Chu Chu 僕らの未来』はすごくカッコいいテイストの楽曲です。モーニング娘。でカッコいい曲というのは他にもあるのですが、雰囲気がちょっと違って“世界観で魅せる”タイプというか。聴くだけでもその世界観みたいなものが感じられるし、MVや振り付けを合わせて見ていただくと、さらに伝わるものがあるのかなと思います」

――同曲ではセンターを務めていらっしゃいますが、特にこだわったことはありますか?

「はい、この曲ではありがたいことに目立つところでパフォーマンスさせていただいています。だからこそ自分が曲の世界観をしっかり伝えることが大事だなと思って、いろいろ試行錯誤しながら取り組みました。先輩たちにも個別にいろいろと相談したりして。歌のことは小田(さくら)さんに聞くことが多いのですが、この曲は息を多めに取り入れて歌ってみてもいいかも、など具体的なアドバイスをくださったのでそれを実践したり。振り付けも最初のところはほぼ動かずに顔と立ち姿、そして空気感だけで魅せる今までにはない新しい感じになっています。曲自体もすごく中毒性がありますし、何回も繰り返して楽しんでいただきたいです!」

――『大・人生 Never Been Better!』はまた違ったタイプの明るい楽曲になっていますが、注目してほしいポイントを教えてください。

「モーニング娘。では近年稀にみるハッピーソングで、今の柔らかいモーニング娘。の空気感にすごくマッチする楽曲だと思います。前作の『ビートの惑星』もファンクな曲調で明るい感じだったんですけれども、それ以上に本当に明るくて元気が出る! 多幸感!みたいな感じは久しぶり。初めてデモを聴いた時には思わず、つんく♂さん珍しいな〜って思いました。歌詞もすごく前向きになれる感じで素敵なんです。聴いてくださる方にもそんなハッピーな感じが伝わったらうれしいです」

――初回生産限定盤SPには2000年発表の名曲、『I WISH』を現メンバーで再レコーディングしたバージョンも収録されていますね。

「『真夜中にハロー!』(テレビ東京系)というドラマをきっかけに再レコーディングし、MVも撮影して私たちにとってもすごくいい記念になりました。今年で結成25周年になるモーニング娘。は新しく作っていく部分、歴史を尊重しながらも自分たちらしく伝える部分の両方を大切にしているんですが、まさにそのグループの持つ個性を体現しているようなイメージというか。これぞモーニング娘。というサビ部分の振り付け、新しい声のハーモニーなどの対比からもそういう部分をきっと感じてもらえると思います。原曲しか知らないという方にも是非聞いていただきたいですし、これをきっかけに最近のモーニング娘。しか知らない方には昔の楽曲も聴いてもらいたいですね」

――卒業したメンバーのパートを後輩が引き継ぐことで、同じ曲でもいろんな魅力をアピールできるのはモーニング娘。の魅力ですよね。

「ありがとうございます。そうですね、そこはファンの皆さんもメンバーも一緒に楽しめる部分なんじゃないかと思います。みんな憧れの先輩の何かを受け継ぐことになった時はすごくうれしいだろうし。実際私も鞘師(里保)さんのパートをもらえた時はめちゃくちゃうれしかったです。今はちょうど昨年卒業された佐藤優樹さんのパートをスイッチしている最中なんですけど、これから自分にも同じことが起こるんだと考えると、ちょっと不思議な感じがします。実感はないけれど楽しみな気持ちもあるみたいな」

「モーニング娘。ってこんなに忙しいんだ」。わけが分からなくなった加入直後

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――モーニング娘。に加入して一番印象に残っていることを教えてください。

「加入したての頃の大変さは今でも忘れられないですね。いろいろとやばかったと思います(笑)。本当にやばかったです……(笑)」

――森戸さんが加入して約3か月後に始まった2017年の秋ツアーは、モーニング娘。20周年を記念した特別なセットリストで70以上の楽曲が組み込まれていたそうですが。

「はい。ツアーの最中に一部の楽曲が変わっていくので追加で4回くらいレッスンしたんですよ。リハーサルも最初にまとめてやったところで意味がないので、ツアーと並行して行われたりしていて。あまりにカオスな展開すぎて自分でも『どういうことですか?』と思いながらやっていました(笑)。毎日とりあえず振り付けを覚えてとりあえず仕事に行こう!みたいな感じでしたね」

――特に森戸さんはゼロの状態からすべての楽曲の歌とダンスを覚えなくてはならないということで、相当な苦労があったかと思います。

「いえいえ! 逆にあの時すごく頑張ったからこそ、一気にモーニング娘。の曲を覚えることができたのでよかったのかなと思います。そしてその秋のホールツアーと同時期に『ナルチカ』というライブハウスを巡るライブツアーもあったんですけど、そっちではめちゃくちゃ間違えたりもしていました(笑)。とにかく本当にモーニング娘。に入ってから生活が変わりました。モーニング娘。ってこんなにも忙しいんだってビックリすることばかりでしたね」

――膨大な数の楽曲を短期間で習得するためにしたことを教えてください。

「振り付けを覚えないと場位置にも立てないので、とにかく家で練習してました。同期もいなかったですし、一人でひたすらコツコツと……。もちろん分からないところなどは先輩たちが教えてくださるんですけど、私はすごく人見知りなのでメンバーに自分から話しかけたり全然できなかったんですよ。唯一12期の4人はハロー! プロジェクトでデビューした時期が同じということもあり、一番聞きやすかったのでよく助けてもらいました」

――同期がいない、カントリー・ガールズとの兼任など複雑な環境での加入というのも大きかったですよね。

「そうですね。もともとモーニング娘。が好きで12期オーディションを受けたけど落ちてしまったという過去があるので、うれしい気持ちと本当にそんな自分が入っちゃってもいいのかな?という不安みたいなものが両方ありました。そしてモーニング娘。には自分とデビュー時期が同じだったり、ハロー! プロジェクト歴は先輩だけどデビューは後輩にあたるメンバーなどが先にいたので、自分が入ることでグループの関係性をややこしくさせてしまったなとも思っていますし……。正直、こんな特殊なケースでの加入はもう誰も経験しなくていいと思います(笑)。でも全然個性が違う2つのグループを経験できたのは楽しかったし、それぞれにありがたみを感じることは多かったです。どうしてもできなくて焦っちゃう部分、おろそかになってしまう部分があった時も、それを補ってくれる心強いメンバーがどちらにもいることが本当にありがたくて。そしてカントリー・ガールズには当時私以外にも兼任メンバーが2人いたんですけど、彼女たちが『できない』と言わずに頑張っている姿を見ていると自分だけ弱音をはくことなんてできないなと思って頑張ることができました」

カントリー・ガールズで培った“やりきる精神”が原動力に

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――カントリー・ガールズでの経験でモーニング娘。の活動に生かされたことはありますか?

「カントリー・ガールズの活動のなかで、ももち先輩こと嗣永桃子さんから“やりきる精神”を学んだことは大きかったと思います。どんなに切羽詰まった状況でもとりあえずやろう!と思って、その時々にしっかり向き合えたからこそ、頑張れたんじゃないかなと。アイドルとしての基礎の部分はしっかりカントリーで作ってもらいました。その中には今モーニング娘。では全然やらないようなこともたくさんあったけれど、モーニング娘。でいろいろな活動をしていくなかで、『でも私はカントリーでやっていたこっちの表現もいいと思うから残しておこう、ずっと忘れないでおこう』って、今も自分の選択肢として持つことができているのもすごくよかったなと思っていますね」

――カントリー・ガールズとモーニング娘。はライブのスタイルも異なりますよね。

「はい、モーニング娘。のライブはダンスがすごく激しいので加入したばかりの頃は体力が追いつかなくて本当にバテバテ状態になっていたんですよ。さすがに今では慣れましたけど、やってみて何よりも必要なのは筋肉量ではなく気合いだということが分かりました(笑)。これは小田さんも同じことを言っていたので本当にそうなんだと思います。ライブの時はメンバー全員から“やるしかない”っていう強い気持ちが出ているし、本番前に背中を叩き合って気合いを入れ合ったりすることもあります」

――森戸さんといえばダンスのイメージが強いですが、今のモーニング娘。において自分の強みだと思う部分はどこですか?

「えぇ〜! ダンスは好きなのでそう言ってもらえるのはうれしいんですが、石田(亜佑美)さんなどもっと上手な先輩もいるので私なんか全然……という気持ちです。でも活動していくなかで石田さんと2人で踊るパートだったり、シンメになる部分が増えていってそれはすごく光栄でした。私の強み……うーん、14期ということで下から2番目になるんですけど、だからこそ後輩の気持ちもすごく分かるし先輩とも気兼ねなく話せるので、そういうグループのバランスみたいなものを担う存在ではあるのかな、とは思います」

――それはやっぱり大変な時期を乗り越えたからこそ得られたものですよね。

「経験はあると思います。でもすごーく時間はかかったんですよ(笑)。2年ぐらいは本当に慣れなくてメンバーとも全然話せてなかったですし。2、3年経ってやっとという感じです。でも今は本当にすごくリラックスした状態でいられるし、メンバーともいろんな話をするようになりました。最近のモーニング娘。は本当にいいムードなんです。メンバーが大人になったのもあるし、空気感がすごく柔らかい感じで。15期メンバーが入ってきてくれたのもすごく大きいと思います」

――卒業後は語学を学ぶために海外留学されるということですが、決意したきっかけを教えてください。

「海外での公演やファンミーティングを経て、その熱量にすごく感動したんですけど、その気持ちに対して自分の言葉でコミュニケーションを取ることができないのがすごく残念だなと思って。それから英語をちゃんと話せるようになりたいと考えていました。飽き性なところもあるので、新しいことを始めるのに留学でガラッと環境を変えてみるというのは自分に合っているなとも思いましたし。海外留学を終えて帰国し、日本で活躍している先輩の姿にもすごく背中を押されました。向こうに行ってからのことはまだ全然考えられていないんですけど、とりあえず勉強を頑張って、アルバイトも経験してみたいなって思っています」

P r o f i l e

●もりと ちさき

2000年2月19日生まれ、栃木県出身。2014年にカントリー・ガールズの新メンバーに選ばれ翌年メジャーデビュー。2017年に14期メンバーとしてモーニング娘。’17に加入し、2つのグループを兼任しながら活動。2019年にカントリー・ガールズを卒業し、モーニング娘。専任に。愛称はちぃちゃん。カントリー・ガールズ時代のメンバーカラーはオレンジ、モーニング娘。でのメンバーカラーはホワイト。特技はダンスでモーニング娘。公式TikTok(morningmusume_uf)に投稿される、K-POPのカバーダンスもたびたび話題に。メンバーやファンからは、時折飛び出す言動から「ギャル」と言われる一面も。今回の撮影ではそんな今っぽい明るさと、抜群に可愛いビジュアルの両方が引き立つ、ポップな世界観と衣装に挑戦してもらいました。

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I n f o r m a t i o n

モーニング娘。'22『Chu Chu Chu 僕らの未来/大・人生 Never Been Better!』

モーニング娘。’22

『Chu Chu Chu 僕らの未来/大・人生 Never Been Better!』

通算71枚目、2022年第1弾シングル『Chu Chu Chu 僕らの未来/大・人生 Never Been Better!』が発売中。森戸知沙希さんが参加するラスト作品となり、両曲ともつんく♂が作詞・作曲を手がけた。

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